【仙台市長選】「郡和子新市長」誕生の裏側に迫る―社民党宮城県連・辻隆一幹事長

      2017/08/21

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今年7月に行われた仙台市長選。

民進・社民・共産などが支援する元衆議院議員の郡和子氏が当選し、全国紙を含めた各主要メディアが「野党共闘の勝利」と選挙戦の結果を高く評価した。

一方、当時3期目に向け出馬が見越されていた現職の奥山恵美子市長の引退は、在仙の各関係者に衝撃を与えた。

4月からの怒涛の3カ月間を、仙台市長選の各当事者たちはどのような思いで戦ったのだろうか。

政治プレス新聞社は、各関係者への取材を通して、今回の仙台市長選で勝利を収めた市民団体・政党間の連携の裏側を探る。

社民党宮城県連合幹事長・同党仙台市議団代表として市長選を率いた辻 隆一(つじ・りゅういち)市議から話を聞いた。

辻 隆一

辻隆一 仙台市 仙台市長選挙 社民党

鹿児島県屋久島に生まれる。鹿児島県立鶴丸高校卒業後、東北大学文学部に入学(専攻:社会学)。

1974年に同大を中退し、仙台市職員労組の専従書記として入職。仙台市議選に宮城野区から当選し、現在は6期目を務める。

1.選挙期間前~:市民団体・政党間の連携について

―今回の市長選の結果は、「野党共闘の勝利」(『仙台市長選、野党共闘の郡氏初当選=与党系ら破る』[7/24時事]、『仙台市長選、野党共闘候補が自公系破る』[7/24朝日]ほか)と評するメディアが多かったように思います。

そちらについてどのようにお考えになるか、そして仙台市長選で市民団体や政党間の連携がどのように生まれていったかを教えていただけますか。

辻 隆一幹事長(以下、辻):そもそも今回の仙台市長選は「野党共闘」ではないと考えている。

今回の選挙戦は市民の方が市長を選ぶ選挙であって、地方自治に「野党共闘」の議論を持ち込むべきではないと考えた。

今回の選挙は市民の皆さんが、自身の政策と合致する方を選んだ選挙だった。

まず4月に市民が「希望あふれる仙台をつくる市民の会」の元となる「私たちの市長を選ぶ仙台市民の会」を立ち上げた。

この市民団体は各党に対して「私たちがめざす候補者選定の6項目」を策定し、社民党はこれを受け入れた。

このような流れを受けて社民党仙台市議団は、政治姿勢として

(1)奥山市政の継承と市民協働のまちづくり、(2)憲法を市政に活かす、(3)住民自治・地方分権の推進、の3点を掲げ、「市長選に臨む政策」を発表した。

その後の政党間の協力については、社民党・民進党はともに連合をルーツとするため、双方のかかわりが深く、連合が接着剤となって機能するよう努めた。

一方、共産党は「野党共闘」を前面に押し出した選挙支援の方針を打ち出したが、私たちは「市民の代表を選ぶのは市民だ」として支援のあり方の違いを強調した。

その後同党は今回の選挙戦にあたり、独自に郡さんの支持を決めたようだが、

基本的に選挙期間中は市民の会が軸となり、各党はそのバックアップとしてサポート役に回ったのが、今回の選挙戦だ。

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2.選挙期間中:対立候補や情勢について

―わかりやすい国政での「与野党対決」といった言葉にどうしても注目がいきがちになってしまいますが、

対立候補の方について「脅威」に感じた点があれば、教えていただいても構いませんか。

辻:次点で落選した菅原(裕典)候補については、村井(嘉浩)知事が全面支援を掲げていったことが私どもの選挙戦にもある意味で「脅威」になったといえる。

そもそも県知事が市長選に介入をするべきではないのだが、さらに奥山市長も菅原さんの支持を表明したことで、県知事・市長の2氏が応援に回った形になり、私どもも大きな影響を受けた。

―そんな不利とも見える状況下での戦いでしたが、序盤から終盤にかけて終始郡候補がリードを守りながら選挙戦を展開しました。

今回の選挙戦を受けての現在の心境や、選挙結果に関する評価・分析を教えていただけませんか。

辻:まず、郡さん自身の知名度が高かった。一方菅原さんは最初こそ知事や市長が支持を表明したことで連日テレビに取り上げられ知名度を高めたが、

肝心の訴えが県政と市政の連携ばかりで、実際の市政運営方針が曖昧だった。

1999年に仙台市はこの年を「市民協働元年」と位置づけたが、仙台市では島野市政、そして藤井市政、奥山市政と市民協働が脈々と生きており、それが伝統として続いている。

そういう意味で今回の選挙戦については、「仙台市が県政の下請けになって良いのか」という仙台市民の良識が勝った結果だともいえる。

3.選挙期間後:市長選後の連携と市政運営について

―市民団体と各党が連携し勝利を収めた仙台市長選ですが、10月投開票の宮城県知事選挙や、年内も噂されている国政選挙について、今後の連携の方針はありますか。

辻:県知事選については、現在まだ模索している段階だ。国政選挙については、民進党が擁立を予定していた1・2区の候補者が不在になったので、検討が必要になってくる。

国政での野党共闘は、連合・民進・社民、そして市民団体とそれぞれの当事者の連携の柱を作ったものだったので、今後も国政での共闘は大切にしていきたいと考えている。

―最後に郡和子新市長就任にあたっての、市議会における貴党の方針について教えてください。

辻:まず、これまでの市議会の4派の与党会派の位置づけは解消になるだろう。

今回選挙支援を行った社民党、民進党系が軸となって郡市長を支える政策協議が今後必要になってくる。共産党については市政与党たりうるかは疑問である。

当面は9月議会の所信表明演説にどのような政策を盛り込むかが課題となってくる。

また、来年の2月議会は郡新市長初めての予算編成となり、郡カラーがどのように実現できるかが重要だ。

郡市長を支援した会派・市民フォーラムの議員とは、これらの課題に向けて協議を行っており、議会としての役割を果たしていきたいと考えている。

―これまでの構図が大きく変わり、よりいっそう市議会の動向から目が離せなくなりそうです。ありがとうございました。

(終)

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