北京や上海だけではない!中国の政治経済文化の発信地・杭州

   

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政治プレス新聞社では以前、現代中国の都市政策に関連して中国の首都・北京について紹介をした。言うまでもなく、中国は広い!一元的な国を形成しているように見えて、地域ごとの特徴はかなり異なることもある。また、政治の中心・北京や経済の中心・上海以外にも、重要な都市は沢山ある。

今回の記事から複数回に分けて、筆者が2年過ごした浙江省杭州市をテーマに、中国の政治・経済・文化・歴史の面白さを改めて紹介したい。まずは、杭州の概要と食について。

杭州とは

杭州市は浙江省の中で長江河口付近に位置し、上海から高速鉄道で片道約1時間(切符は1000円程度)のところにあるので上海に旅行に行けば気軽に日帰りで行くことができる。昨年には、G20の開催地となったり、アリババの本社があるなど政治や経済で重要な現代都市である。また杭州は「天に極楽あれば、地に蘇州・杭州あり」といわれるほど風光明媚の2200年の歴史を持つ古都である。

筆者撮影:夕暮れ時の西湖と雷鋒塔

写真は、杭州市の中心となっている世界遺産の湖・西湖の夕暮れに筆者が安物の携帯カメラで撮影した一枚である(笑)時間や季節、場所によって全く異なる景色を見せてくれるこの美しい湖は、2年住んでいても全く飽きない。杭州とは、この西湖とその周囲を中心に発展してきた都市であった。

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杭州(こうしゅう)の料理

杭州の料理は、浙江料理とよばれる。その地理的条件から、海や山、淡水からとれる豊富な食材が様々な調理をなされテーブルに並ぶ。

本場の中華料理に脂っこいイメージを持っている方も多いかもしれないが、それとはまったく異なる二つの味付けが私がよく食べに行っていたレストランではあった。一つはさっぱりとした塩味でカラフルな盛り付けがされた料理。もう一つは、甘酢餡かけや醤油ベースの甘目の味付けがされた料理。前者は、レンコンに似たシログワイを使った炒め(写真左下)である。シャキシャキとした触感が食欲を加速させる。他にも、塩味スープとしてはんぺん・ちんげん菜・ベーコンを入れたもの(写真右上)もあり、日本人が食べやすい料理になっている。後者は、糖醋里脊といって杭州で有名な料理(写真右下)があるのだが、豚のヒレ肉にころもをつけて揚げ、それを甘酢餡かけに絡めて食べるのである。また、同じ味付けで田ウナギを調理したものもある(写真真ん中上)。また、日本でもよく紹介される東坡肉(トンポーロウ)も浙江料理として有名である(写真左下)。

東坡肉(トンポーロウ) [By Archon6812 (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons]

東坡肉(トンポーロウ) [By Archon6812 (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons]

杭州といえばお茶の名産地

杭州にある「中国茶叶博物馆(中国茶葉博物館)」。(出典:中国茶叶博物馆HP)

杭州にある「中国茶叶博物馆(中国茶葉博物館)」。(出典:中国茶叶博物馆HP)

他にもたくさんおいしい食べ物があるのであるが、杭州はお茶でも有名な都市である。「龍井茶」といえば中国人が誰でも知っている緑茶の種類であるが、この緑茶は茶葉の深い香りがするも余計な渋みなどがない。また実際に飲むと、かすかにとろみのある舌触りを感じてから口の中で緑茶の甘味をほんのりと感じとても心地のよい味わいである。香りが強いため、料理にもよく使われる。
「龍井茶」は、西湖の南西側に広がる広大な茶畑で栽培されているのであるが、筆者は、その茶畑の中にある「茶葉博物館」によく通った。
この博物館では、中国のお茶の種類や歴史、民族ごとに使っていた茶器・茶室、製法などを多く紹介している博物館で、じっくり見ると1時間以上もかかってしまう大きな博物館である。
博物館の展示も面白いのであるが、筆者の目的は、その敷地内にある「学茶中心」でお茶の試飲をさせてもらうことであった。そこでは、「龍井茶」に加えて、「人参烏龍(高麗人参でコーティングした烏龍茶)」などが試飲でき、購入することもできる。どのお茶も格別においしいのであるが、例えば「人参烏龍茶」に金木犀を加えていただいたものは、金木犀の甘い香りに、ウーロン茶の強い甘味が重なりこれまで飲んだどのお茶よりもおいしいと思ったほどであった。

まとめ

このように西湖の恵みを受けて、杭州周辺では沢山の美味なる食材がそろっているのである。今回の記事だけではすべてを紹介できなかったが、北京や上海とはまた違った中国の魅力を伝えられたら幸いである。西湖を中心に自然豊かな側面を持つ杭州であるが、他方で経済や政治といった側面でかなりの発展をしている都市である。次回以降は、都市の発展という側面から経済や政治の重点としての杭州を紹介したい。

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橋本 誠浩
橋本 誠浩(はしもと ともひろ) 東北大学法学部法学科卒業(法学学士)、浙江大学公共管理学院AFLSP2015(公共管理修士)修了。専門は、中国政治。特に現代都市社会について政治学の観点から分析を行っている。中国で3年過ごし、現在仙台を拠点に研究活動を継続。

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