中国のシェア経済の勃興と試行錯誤―シェアカーの披露

   

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こんにちは、政治プレス学生記者 馬 婷竹(バ テイチク)です。本日はよろしくお願いします。

シェアバイクの話、皆さんはまだ覚えていますか。スマホでQRコードをスキャンしたら、解錠することができ、お金を払える仕組みがある「モバイク」はまだ覚えていますか。

そもそもアメリカで生まれた「Sharing Economics」という概念が中国に導入されて以来、衣・食・住・交通でスタートアップ、イノベーションがあっという間に巻き起こされ、世界でも注目されています。更に、2016年からシェア経済が経済政策として中国政府により認められたうえで、これからシェア経済はもっと盛んになっていきます。

シェアバイクに続き、今回中国はシェアカーを迎えてきました。とくに、自動車産業における大手会社がシャアエコノミクスに参入し、注目されています。では、シェアカーは中国にどんなインパクトをもたらすのでしょうか。

BMWもシェアできる?

シェアカーという概念はそもそも1940年代にスイスから発祥しました。山々に取り囲まれたスイスでは、成立された「自動車共同組合」がシェアカーの萌芽と言われています。

近年でも、Zipcarという世界的なカーシェアサービスを提供している企業があり、この企業はすでに17年間も歴史を有しています。さらに、Zipcarの創立者であるロビン・チェイスが「シェアエコノミクス」という概念の元祖と呼ばれています。ロビン・チェイスがアメリカにおけるTedTalkに登壇し、シェアカーについてスピーチしたことがあります。しかし、シェアカーはかつて日本にも導入されましたが、車を私有物にしている日本人消費者にあまり利用されず、自動車メーカーもシェアカーの提供ができると判断できませんでした。そこで、日本ではシェアカーが成長できなかったのです。

ロビン・チェイスのTED Talkーー「ちょっと車を貸してくれますか」

その一方、ビッグデータ、GPS技術によるイノベーションに伴い、2016年シェアカーが中国に進出しました。シェアカーの登場は今までずっと交通問題や大気汚染など環境難問に臨んでいた中国大都市にとって積極的な影響を与えると期待されています。中国でのシェアカーの市場に参入している会社の競争は、シェアバイクと類似してとても激しいです。有名な運営会社は例えばGofun、Togo、Sodaなどが挙げられます。

さらに面白いことに、ずっと不景気の雲に沈んでいる自動車メーカーも入りました。例えば、フェラーリ、ベンツ、BMW、アウディなど高級車もシェアカーとして中国の都市で走っています。一週間前に、私の故郷・瀋陽では1000台BMWがシェアカーとして提供され、また瀋陽出身者である芸能人がシェアカー事業に大金を投資したことによって中国のSNSで話題になりました。

車を買わなくてもよい時代が来た?

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BMWのシェアカー

上海、北京など大都市では車が多すぎるせいで、交通渋滞、大気汚染という問題が酷かったです。自動車の代わりに自転車に乗るように促すモバイクはある程度問題を改善しているものの、根本的に車が多すぎる問題を解決できません。車を買いたいという需要を減少させるのは解決する手段です。私用車を買うと、保険、修理、ガソリン、駐車場など、24時間車を使っていなくてもお金がかかります。しかし、シェアカーは保険、修理、給油などの作業すべてを運営会社が行います。そのため、シェアカーは資源利用の効率化にインパクトを与えています。

中国のシェア経済で生じてきた課題

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SNSで話題になった「シェアベビーカー」

シェア経済の本質としては、資源利用率の最大化を求めるために、そのプラットフォームで使っていないものの情報を共有し、消費者の硬直的需要を解決して利用する仕組みです。しかし、初期段階にある中国ではシェア経済の問題点もたくさんあります。

例えば、シェアバイクの駐輪場に対する管理不足で、指定の駐輪場に止まらない人が多いので、山ほど積み重なるシェアバイクは道の邪魔になることがあります。

また、Weiboのニュースにより、他者のアカウントを借りて、シェアカーを利用する人が車を壊したことがあります。しかし、車の修理費は誰が負担してくれるのでしょうか?利用者、アカウント保有者、それとも運営会社でしょうか。

またこれは最近あった中国での事例ですが、車の中でシェアカーの決済した女性が車内に閉じ込められたので、車を壊して逃げた事件が話題になりました。彼女は運営会社のコールセンターに連絡しましたが、対応してくれる人がいなかったので、やむをえず車を壊したわけです。それなのに、運営会社は車の修理費を女性が負担すべきと弁明しました。

これらの例からわかるように、シェアカーの問題点は責任の所在の曖昧さ・不透明さにあります。即ち、シェアカーの責任帰属問題を解決するには、技術面だけではなく、保険や、法律、安全などにも整備を行っていかないといけない点があるということです。

シェア経済は中国ではまだ「試行錯誤」という段階にあると思います。シェアできるプロジェクトは消費者に便益をもたらす一方、あまりシェアできない実物の責任の所在をどうするかが、被害を及ぼします。

日本への提案ー中国の課題を解決する新しいビジネス

しかし、問題はまたチャンスです。問題を解決し、イノベーションを持続させるために、これからまた新しいビジネスが取り上げられるに決まっています。中国における経済は色々な問題点があるものの、活性化は否定できない事実です。

現在日本経済はゆるやかな停滞が指摘されています。例えば、日本は新しいブレイクスルーのチャンスとして、中国の課題を解決するビジネスを初めてみるのはどうでしょうか。日本では繊細な技術に秀でるメーカ―やIT企業がたくさん集まっています。中国企業はマクロ的には成長していますが、細かいところに問題が存在しています。だから、もし中国と日本は問題解決で連携したら、それは日中両国にとっていいチャンスではないでしょうか。

今日はここまでにしましょう。残暑のみぎり、麗しい仙台でまた皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

婷竹
婷竹(テイチク) 1991年生まれ。牡羊座。O型。中国東北地方瀋陽市出身。東北財経大学卒業。現在東北大学経済学研究科在学中(修士1年生)。趣味は読書、星座占い、ACG(アニメ・マンガ・ゲーム)音楽を歌うこと。ヴォーカルユニット・Kalafinaの熱狂的ファン。自慢の料理は中華風豚足の煮込み。

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