安倍外交バルト諸国訪問 日本の弱点・サイバー分野は克服されるのか

      2018/04/07

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2018年1月12日から17日まで、安倍首相は東欧・バルト諸国を訪問した。今回は国・地域別に今回の訪問を振り返っていきたい。一回目はバルト諸国(エストニア、ラトビア、リトアニア)を取り上げる。

安倍首相のエストニア・ラトビア・リトアニア訪問の概要

(リトアニアを訪問した安倍首相)

まずは、バルト諸国訪問の概要を確認しておきたい。安倍首相は今回の訪問にて、エストニア、ラトビア、リトアニアを訪問した。日本の首相でバルト諸国への訪問は今回が初めてとなる。いずれの国々もソビエト連邦から独立して四半世紀以上が経過するので、この事実には意外な印象がある。

エストニアではユリ・ラタス首相と会談。IT先進国のエストニアということもあり、サイバー防衛分野が重要議題として取り上げられた。その他、租税条約、ワーキングホリデー制度の導入、日本とバルト三国との関係を強化するための「日バルト協力対話」の創設が話し合われた。最近、エストニアではノマド・ワーカー向けのビザ発給が話題になっているだけに、エストニアとのワーキングホリデー制度の導入は注目に値する。

ラトビアではクチンスキス首相と会談した。ラトビアとリトアニアは北朝鮮と国交がある(エストニアと北朝鮮との間には国交がない)。そのため、安倍首相はクチンスキス首相に対して北朝鮮への圧力強化の理解を求めた。新聞報道では「北朝鮮に対する圧力強化を(両首脳が)共有した」とあるが、ラトビアの人々にとってはピンと来ないのではなかろうか。北朝鮮への圧力強化を共有するなら、北朝鮮へのミサイル技術流出が噂されているウクライナを最優先にしたほうがいい、と考えるのは私だけでないだろう。

リトアニアではスクバルネリス首相と会談した。リトアニア訪問において、私が注目したのはリトアニア名誉領事館の岐阜県(杉原千畝の出身地)への設置、そして「スギハラハウス」と呼ばれる外交官・杉原千畝を記念した「杉原記念館」を安倍首相が訪問したことだ。杉原千畝は1940年代にリトアニアにて政府命令に反してユダヤ人にビザを発給したことで有名だ。しかし、外務省の命令に反したことで、杉原は外務省から離れた。今回の安倍首相の訪問により、正式に杉原千畝が「名誉回復」したと考えていいだろう。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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