習近平国家主席は本当に毛沢東になるのか?

      2018/04/30

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「これからの中国は大丈夫なのか?とても心配だ」

2月25日夜、中国政治を勉強している筆者のもとに中国の複数の友人からメッセージが来た。

25日の夕刻、中国国営メディアの新華社を通じて、中国政府は憲法の改憲案を発表し、その中で独裁阻止のためにこれまで2期までに制限されていた国家主席および副主席の任期にかかる記述を撤廃する意向が示された。

この改正案に対して、先の中国の友人たちは、習近平国家主席個人による「独裁体制」の強化が自分たちの今後の社会生活にも予測のつかない影響をあたえると憂慮したのだろう。

権力集中は誰のために

日本や欧米の尺度で習氏への権力集中の是非を語る前に、「なぜいま習近平国家主席は権力を集中させなければいけないのか」という疑問に、中国の中の文脈に沿って答える方が、今後の私たちの中国との付き合い方にとって有益だ。

推測の域はでないが、習近平国家主席は、権力をほしいままにし、傍若無人にふるまいたいわけではないだろう。むしろ、今の中華人民共和国という国家の維持のために権力を集中させている、と理解するのが妥当と言える。そして、その国家を運営するのは引き続き中国共産党である、と考えているのだろう。

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鄧小平の改革は「進歩」で習近平の改革は「後退」なのか

今回の改憲案に対して、今の中国の発展を設計した功労者・鄧小平(トウ ショウヘイ)が政治改革として最後に残した「党員の退職制度」を撤廃し中国の改革は後退したという論調も中国内外で目立った。ただ、忘れてはならないのは、これまでの中国を設計したのも鄧小平ということである。

鄧小平の改革開放は、結局のところ、改革派と保守派という共産党内部の勢力争いを調整することに失敗し、さらに毛沢東時代の負の遺産としての共産党の既得権益と民間社会から現れる不満や要求の間の折り合いをつけるのに失敗した。(阿南友亮『中国はなぜ軍拡を続けるのか』新潮社、2017年)

江沢民政権や胡錦濤政権では、それが解決に向かうどころかむしろ問題が深刻化してしまい、全国で広がる官僚の腐敗や格差拡大に対する社会の不満が抑えられなくなった時に、習近平政権が登場した。

しかし、ここ5年間の習近平政権では確実に十分な成果が出ているとは言えない。ゆえに、権力の集中と長期政権の誕生は、習近平政権にとってあるいは共産党指導部にとって必然だったといえるかもしれない。

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