名護市長選の結果と我が国の安全保障

      2018/04/30

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今月上旬に実施された名護市長選の結果、辺野古への移設を容認する与党推薦の渡具知豊氏が、現職で移設反対を訴える稲嶺氏を破った。

今回の結果は安倍政権下での辺野古移設も政治的にさらに加速化することが予想される。それと関連して、今年秋に実施される沖縄知事選にも大きな影響を与えそうだ。

沖縄の安全保障上の重要性

しかし、今の世論をみると、国防上の観点からの沖縄の意味についてあまり国民の関心が集まっていないように感じられる。

周知のとおり、中国の南シナ海への進出は常態化しており、東シナ海にもその兆候がみられるが、沖縄の米軍基地はその進出を牽制する最も重要な拠点となっている。また沖縄周辺のシーレーンを通じて日本へ運ばれる大量の石油を例に挙げるだけでも、沖縄の米軍基地およびそれによる付近の軍事的安定確保は日本の経済的安定にとっても重要である。

それに対応する手段として、日本は米国との強い同盟関係を維持し、発展させることが現実的な唯一の選択肢となっており、そのためには常に中国に日米の不和・不一致を見せないことが戦略的に重要だ。日米同盟の停滞や悪化というものは、それだけ中国に政治的余裕と行動の自由を与えることになる可能性もある。そのような意味で、辺野古への移設という現実的な政策を停滞なく履行していくことが重要なことは言うまでもない。

和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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