【ポーランド】年末に起きた首相交代劇。来年はEUとの全面対決か

   

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どの国でも、年末になると、何かしら大きな動きが起こるものだ。結果的に、日本では年末に大きな政治的動きはなかったが、ポーランドでは12月に首相が交代した。この記事では年末に起きた首相交代劇の概要と来年の展望を簡単に予測してみたい。

副首相にバトンタッチ

ポーランドのモラウィエツキ首相とイギリスのメイ首相

首相の辞任は12月7日に起きた。2015年11月以来、首相を勤めてきたシドゥウォ首相が12月7日、与党「法と正義」に対し、辞任を表明した。後任には同じく「法と正義」の党員であり、副首相を勤めたモラウィエツキ氏が首相に就任した。それでは、なぜこの時期に首相が交代したのだろうか。

ラジオ・ポーランドによると、報道官の話として向こう2年間に渡り、経済政策に注力するため首相が交代した、としている。モラウィエツキ氏は49歳。銀行家として働き、2015年から副首相、2016年からは財務相を兼務した。2016年には健全な成長を目指すための政策を発表し、2017年には「法と正義」において最重要政策となった。この政策は経済成長はもちろん、子育て世帯への手厚い支援を目玉にしている。

政策立案者が首相に就任したことで、上記の最重要政策がさらに加速することは間違いないだろう。モラウィエツキ首相は首相就任を受け、以下のように発言している。

今日の国内外の情勢は私たちの前に多くの難問をもたらしている。政策をさらに実行していくと同時に、他の多くの課題も私の前に積み上がっている。これらの課題により政権内の変更に留まらず、リーダーシップの変更も必要になった。

一部の報道では2019年の総選挙を見据えた動き、とも解釈されている。ポーランドは着実に経済成長を遂げているが、あくまでも「ドイツの組立工場」という側面が大きい。今後、ポーランド発のイノベーションが生まれるか、そこがミソとなるだろう。

来年はEUとの全面対決

トゥダ大統領

2018年、ポーランドの動きで注目されるのがEUとの関係だ。前の記事でも紹介したとおり、ポーランドでは三権分立を崩すかのような司法改革が行われた。この動きに対し、EUは猛反発している。

Newsweekによると、12月20日、EUの欧州委員会はポーランド政府が行う司法改革が民主主義の驚異に当たるとして、各加盟国に対し、ポーランドへの制裁を行うように呼びかけた。当然のことながら、ポーランド政府側はEUの動きに反発している。
今年、中欧諸国では反EUを掲げる政党が躍進した。EUの制裁呼びかけがどこまで波及するのか。この問題はEUの中欧諸国に対する影響力を測るリトマス紙になるのではないだろうか。最終的に屈するのはEU、ポーランド、どちらだろうか。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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