ロシアに脅かされる小国・ラトビア。大国による選挙介入はある?

   

スポンサーリンク

中東欧諸国の選挙制度、選挙結果を見る特集も最終回を迎えた。今回はバルト3国の中核を成すラトビアを取り上げる。前回紹介したエストニアと同規模の国だが、選挙制度は異なっている。さっそく、ラトビアの選挙制度を見ていきたい。

比例代表制でサンラゲ方式のラトビア


ラトビアの議会「セイマ」

ラトビアの議会は「セイマ」と呼ばれ、エストニアと同様に一院制だ。定員は100名になっている。選挙制度は全国を5つのブロックに分けた拘束名簿式比例代表制になっている。有権者は個別の政党もしくは政党連合に投票する。また、個別の候補者に対して+-を付けることで、好悪の意思を示すことができる。おもしろい点は候補者は複数の選挙区で立候補できること。また、投票はどの選挙区で行ってもよい。

議席配分はサンラゲ方式で行う。サンラゲ方式は日本で採用されているドント方式と同様に、得票数を数字で割っていく。ただしドント式が「1・2・3...」と割っていくのに対し、サンラゲ方式は「1・3・5...」と割る。

被選挙権は21歳以上だが、ソビエト連邦、ラトビア・ソビエト社会主義共和国、外国の諜報機関、情報機関に在籍していた者と1991年1月13日以降、ラトビア共産党で活動していた者に対しては被選挙権が与えられない。

スポンサーリンク

連立与党は勝利したが・・・


「調和」のリーダー Jānis Urbanovičs

前回の議会選挙は2014年に行われた。選挙の結果、ストラウユマ首相が属する「統一」と連立を組む中道右派政党が6割を占め、勝利宣言を行った。この結果だけ見ると、連立与党だけの勝利に見えるかもしれない。しかし、議会の第一党は与党ではなく「ロシア語系住民政党」と位置づけられている野党「調和」だった。

しかし、連立与党はロシアとのつながりが深い「調和」がラトビア政局をコントロールすることを懸念。連立与党入りを拒んだ。ラトビアには今でも多くのロシア語系住民が存在する。ロシア語系住民との関係、ロシアとの関係の難しさを物語った選挙結果ではないだろうか。次の議会選挙は2018年に行われる。近年、外国で報じられている「ロシアによる選挙介入」がどのようにラトビアの選挙結果に反映されるのだろうか。小国の議会選挙ではあるが、興味は尽きない。

スポンサーリンク
1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

 - 政治ニュース , ,