ネット投票先進国・エストニア。その選挙制度とは?

   

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今回はバルト3国のエストニアを取り上げる。エストニアといえばITや電子投票で有名な国だが、選挙制度はまったく知られていない。そこで、エストニアの選挙制度を確認したうえで、直近の選挙結果を見る。

比例代表を基本にした複雑な選挙制度


ロイヴァス前首相(写真右)
人口130万人の国、エストニアの議会は一院制(定員101名)だ。選挙制度は比例代表制を基本にしている。これだけ書くとシンプルな選挙制度だが、実はなかなか複雑な方法で議員を選出している。

まず、有権者は選挙区から出馬している候補の名前を書く。小選挙区と異なるのは候補の名前はその当人への投票であると同時に、その候補が所属している党への投票になる。もし、とある候補が全有権者数の101分の1以上の票を獲得したら、その時点で当選となる。しかし、この段階で当選できる候補は希だ。

次に各選挙区で集まった票を議席数101で割る。その値のうち、75%の票が獲得できれば1議席が各党に与えられ、投票数の多い候補者順に当選者が決まる。これでも、まだ定員には達しない。最後に全国レベルで修正ドント式が適用される。ここで、各党に議席が配分され、最終的な議席が決する。

この選挙制度を見ると、第1段階と第2段階はそれぞれの選挙区とリンクしているが、第3段階は全国レベルになるので、選挙区とは無関係になる。

ところで、エストニアといえばインターネット投票だ。「インターネット投票」と聞くと、投票当日に人々が家の中でクリックするイメージがあるが実際は異なる。「インターネット投票」は期日前投票に限る。また、成りすましなどの不正行為を防ぐため、IDカードの認識やパスワードの入力が必要となる。これらの操作はパソコンでないとできない。

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エストニアの政情:ウクライナ政変の影響を受け改革党が勝利したが...


ラタス首相
直近の議会選挙は2015年に行われた。2015年の議会選挙では当時与党であった中道右派の改革党が事実上の勝利。第一党で有り続けた。この選挙結果はウクライナの政変が影響していると言われている。改革党のロイヴァス党首は社民党、祖国共和連合と組む形で首相に就任した。

しかし、2016年11月、社民党と祖国共和連合が連立与党内での信頼感の欠如を理由に、ロイヴァス首相の辞任を求めた。結局、ロイヴァス首相は辞任し、野党であった中央党のラタスが首相になった。それに伴い、連立与党は中央党、社民党、祖国共和連合になっている。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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