チェコでは「中欧のトランプ」台頭。世界の選挙制度とは?

      2017/11/22

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国内において話題となっているのが選挙制度だ。日本では1994年から小選挙区比例代表並立制を採用している。この制度に対していろいろな指摘があるが、他の国ではどのような選挙制度を採用しているのだろうか。そして、直近の選挙結果は? 今月は中欧、東欧諸国を中心に選挙制度、選挙結果を見てみたい。一回目は中欧の雄、チェコ共和国だ。

下院は中選挙区比例代表、上院は小選挙区


(チェコの議会)

チェコの議会は元老院(定員81名)と代議員(定員200名)がある。ここでは便宜的に元老院を「上院」、代議員を「下院」とする。下院の任期は4年、被選挙権は21歳以上の国民に与えられる。選挙制度は14の選挙区で構成される比例代表制だ。議席を獲得するには、5%以上の票を得なければならない。議席の獲得数はドント式(獲得票数を1.2.3と順々に整数で割り、商の大きい順に議席を割り振る)を採用している。

一方、上院の任期は日本の参議院と同じ6年。ただし、2年ごとに3分の1が改選となる。被選挙権は40歳以上と、日本と比べるとすいぶん「高齢な」議会だ。選挙制度は81区に分けた小選挙区制となる。ただし、日本の選挙制度と異なる点は「2回制」を採用していることだ。「2回制」とは1度目の投票において50%の票を獲得しなければ、次の週に上位2人による決戦投票が行われる。2回目は単純に、票の多い候補が勝利する。なお「2回制」はヨーロッパで広く採用されている。

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下院ではチェコ版トランプ政党が勝利!


(アンドレイ・バビシュ)

直近の議会選挙は2017年10月20日、21日に行われた下院選挙だ。選挙結果は大衆迎合政党「ANO2011」が78議席を獲得、大躍進を果たした。反EUで知られる市民民主党も9議席増の25議席を獲得した。一方、ソボトカ首相率いる社会民主党は大惨敗、35議席減の15議席となった。

「ANO2011」は従来の「エリート主義」を批判した大富豪、アンドレイ・バビシュが率いている。他の大衆迎合政党と同じく反EU、反難民を掲げている。しかし、バビシュはEUからの補助金をめぐり不正疑惑がある。そのため、連立交渉は難航しそうだ。
連立を組むとすれば第二党の市民民主党が考えられる。市民民主党の党首は日系のトミオ・オカムラだ。もともと、チェコはEU加盟国でありながら、EUに懐疑的な姿勢をとり続けた。これからは、その流れがより一層、激しくなるだろう。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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