バンコクのテロ現場を訪問して(後半)

   

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前回の続きとなるが、8月17日でテロからちょうど2年となったエラワン廟ではどのような警備体制が敷かれているのだろうか。筆者は、同15日夜にスワンナプーム国際空港に到着し、18日夕方にエラワン廟を訪れた。タイ史上最悪のテロ事件となり、またバンコクの原宿や渋谷と言える場所でテロ事件が起こったことから、2年の月日は流れたとはいえ、それなりの警備体制が敷かれていると筆者は考えていた。

警備員の姿が見られない入り口

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しかし、最寄りのチットロム駅を降り、エラワン廟の入り口に行ってみると、全く警備員は立っておらず、誰でも自由に入れるという感じであった。入り口の門は決して広くはないが、そこでは、入り口の端で女性(写真奥)が座りながら籠に入った小鳥を売り、また参拝する人に黄色の花を手渡す女性(売っていたかは不明)の姿があった。もしテロリストがここで再びテロを起こそうとしても、入り口を突破することは簡単に出来てしまうと筆者には感じた。

周辺に設置される監視カメラ

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またその周辺の状況も見回した。そうすると、いくつかの監視カメラを発見した。これは2年以上前から設置されているものと思われるが、エラワン廟を出入りする大量の訪問者を常に監視し、怪しい行動をとる人物がいれば、適宜警察が近づき事情聴取をするという仕組みになっているのかも知れない。監視カメラはエラワン廟の周辺をできるだけ大きく映せるよう、やや高い位置に設置されていた。

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監視カメラの画像をチェックする軍・警察?

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また周辺には軍・警察の検問所らしきブースが設置されていた。設置されていたのはグランドハイアットがある方向で、エラワン廟の入り口から数十歩の距離であったが、何をしているのかを問うことはできなかった。しかし、軍・警察の関係者らが座る机の上にはモニターテレビらしきものが置かれていたことから、監視カメラから映し出される画像をチェックしているように感じられた。

テロ現場を訪問して

今回訪問したのはテロ現場の1つに過ぎない。しかしエラワン廟を訪問して思ったのはテロ警備の難しさである。テロ警備といっても、さまざまな社会的要因を考えると、いつまでも厳重な警備を敷き続けるわけにもいかない現実もある。しかし厳重なテロ対策を敷いたところでも、テロを完全に防げるわけではない。月日の経過と一般社会との関係で、テロ対策にも1つのジレンマがあるように感じられた。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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