【衆院選】「希望の党」の出現をどう見るべきか 今後の野党陣営の展望は?

   

スポンサーリンク

(出典:pixabay)

 

【衆院選】「希望の党」の出現をどう見るべきか 今後の野党陣営の展望は?

希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は11月14日、党の両院議員総会で代表を辞任する意向を表明した。

9月25日、地域政党「都民ファースト」を母体とし、国政政党として「政権打倒」を掲げて党が結成されてから、

2か月たたない中での代表辞任となった。

 

希望の党は、結成直後から新たな保守系野党としての期待とともに世間の耳目を大きく集めたが、それも束の間に終わる。

9月29日、民進党の全員合流を否定した小池氏による「さらさらない」発言や、

リベラル系候補について「排除」するとの強気の発言により、有権者の反発を買うことになる。

事実上の党解散の道を選んだ民進党・前原誠司氏についても、その決断の裏でリベラル系候補の扱いについての調整が全く不足していたことも、批判されて然るべきである。

しかし、政権打倒を掲げ、総選挙(10月22日実施)に臨んだ希望の党が、

235人を擁立(公示前議席57)して当選できたのはわずか50人という結果を見れば、

小池氏の国政進出という目論見は、完全に失敗したと言うべきだろう。

とりわけ、小池氏のお膝元である首都・東京において、全25選挙区のうち23選挙区で候補者を擁立し、小選挙区で当選したのが21区の長島昭久氏のみであったことからしても、

有権者が小池氏に対して厳しい審判を下したことが分かる。

 

一方、今回の総選挙において大きな躍進を見せたのが、枝野幸男代表が立ち上げた新党「立憲民主党」だ。

公示前の15議席から3倍を超える55議席を獲得し、一躍、野党第1党となった。

無所属で当選したリベラル系の候補も含めれば、その勢力は更に大きくなる。

与党も含めてほとんどの政党が議席を減らす中、唯一、立憲民主党の「+40」という数字が際立つ結果となった。

 

「野党共闘」の道を閉ざした小池氏、前原氏の決断 「野党分裂」は、与党を利する結果に

 

総選挙では惨敗に終わったが、目まぐるしく変化する政局によって大きな注目を浴びた希望の党。

しかし、希望の党の結成、そして同党への民進党の合流は、昨年の参院選や大型地方選挙で一定の成果を上げた

共産党を含む野党共闘の道を閉ざしたことを意味していた。

 

朝日新聞のある試算がある。

野党分裂が与党に有利に働いたという特徴を挙げたうえで、「立憲、希望、共産、社民、野党系無所属による野党共闘」が成功していた場合を仮定したものである。

「野党分裂型」226選挙区のうち、63選挙区で勝敗が入れ替わり、与党120勝、野党106勝となるという試算となっている。

この試算から読み取れるのは、小池氏、前原氏が自ら野党共闘の道を閉ざしたことで、

政権打倒どころか、与党を利する結果になったという事実だ。

今回の衆院選は、政権批判票の受け皿となる野党が分散したのが大きな特徴だ。複数の野党候補(野党系無所属を含む)が競合した「野党分裂型」226選挙区のうち、約8割の183選挙区で与党候補が勝利をおさめた。一方、朝日新聞が各野党候補の得票を単純合算して試算したところ、このうち3割超の63選挙区で勝敗が逆転する結果となり、野党の分散が与党側に有利に働いたことがうかがえる。

「野党分裂型」の226選挙区は全289選挙区の78%を占める。結果は与党183勝、野党43勝と与党側の大勝だった。これに対し、「与野党一騎打ち型」の57選挙区では、与党39勝、野党18勝。分裂型に比べて野党側が善戦した。

~中略~

「立憲、希望、共産、社民、野党系無所属による野党共闘」が成功していればという仮定のもと、朝日新聞は独自に、各選挙区でのこれらの候補の得票を単純に合算する試算を行った。その結果、「野党分裂型」226選挙区のうち、63選挙区で勝敗が入れ替わり、与党120勝、野党106勝となった。

(10/23 朝日新聞「野党一本化なら63選挙区で勝敗逆転 得票合算の試算」より)

スポンサーリンク

希望の候補が全敗した県も 今後の野党陣営の展望はどこに?

希望の党の結成は、その影響力が強いとされた東京だけでなく、地方の各選挙区に対しても大きな影響を与えた。

特に、共産党も含めた野党共闘の方向性を模索し、実際、共闘が成立すれば自民党候補と接戦に持ち込める可能性のあった候補者にとっては、

希望の党への「移籍」が吉と出るのか凶と出るのか、難しい判断だったはずだ。

 

山形県(全3選挙区)は、そのような選挙区を抱える地域のひとつだった。

前回の総選挙(2014年12月)では、元五輪相・遠藤利明氏(自民)が出馬した1区以外の2区、3区において、

自民党候補と野党候補による接戦となっていた。

野党共闘が模索され、実際、前回選挙ベースの票数で見ても、共闘が成立すれば野党候補が選挙区で勝利する可能性が

十分にあると見られていた地域だ。

 

しかし、そうはならなかった。

民進党系の3候補は、そろって希望の党の公認を得て出馬したものの、落選。

1~3すべての選挙区で自民党の独占を許すこととなり、

前職であった2区の候補は比例復活もかなわず、山形における野党の議席はなくなった。

 

市民と野党による共闘を模索していた共産党山形県委員会幹部は、希望の党への合流によって民進党との共闘体制が崩れたことに対して「大変残念だ」としながら、

今後に向けては「今回の選挙で、何を教訓とするのか」が重要だと語る。

同時に、希望の党に移った候補者らとの将来的な連携も視野に、柔軟に対応するスタンスだ。

 

「希望の党の結成は、山形県における野党共闘にとっては大きな逆流となった。

山形県では、民進党系の候補者全員が希望の党に身を移し、

それが結果として自民党を利する形となってしまった。

しかし、希望の党合流の判断は間違いだったという声が 総選挙を前後して市民連合に結集された方々など県内各地から、

あるいは民進党、希望の党と行動を共にした中からも出ている。

 

市民と野党の共闘の政治的な中心問題、大義は安保法制廃止と安倍政権のもとでの改憲を許さないことだ。

2016年の参議院選挙は舟山康江氏が大差で勝利したが、この問題でのぶれない姿勢が有権者の評価を得た。

希望の党への合流の判断はこれまでの共闘の大義への裏切であり真剣な反省が求められる。

 

当面、憲法9条改正問題など、野党全体としてまとまらなければならない課題に直面することになる。

この時に野党共闘の大義に立ちもどり、真剣な反省が共闘再構築に不可欠ではないだろうか。

今回の選挙から何を学ぶのか、正しく教訓を導き出すことが大事だと考えている。

今後の国政選挙に向けては、大義に立って、国民の期待に応える市民と野党の共闘を再構築していくことが必要だ。

今回の選挙で希望の党に身を移した候補者や関係者の中でも、その選択についての自己検討と真剣な反省があって、

再び野党共闘の方向性を模索するのならば、それは大いに議論すべきことであるし、

共闘の再構築にむけ、その門を閉ざす必要はないと考えている。

山形県では、特にこのスタンスが重要になってくると考えており、その可能性はあると思っている」(上記幹部)

東京を地盤とする希望の党の結成、そして民進党の合流という急転直下の政局は、
参院選で構築された野党共闘の体制に水を差し、同時に地方の民進党系候補に難しい決断を迫ることとなった。
総選挙の結果を踏まえ、それぞれの野党は今後、どのような戦略を導き出すのだろうか。

 

スポンサーリンク
★ランキングに参加しています
より多くの皆さんにご覧いただき、より厳しくコンテンツを磨いていくために、ぜひクリックをお願いします。
選挙・選挙制度関連サイト
スポンサーリンク

 - ヘッドライン, 国内政治, 政治ニュース , , , ,