【横浜市長選-情勢分析】現職に2新人が挑む カジノ誘致、中学校給食の実現などが争点か

   

スポンサーリンク

7月16日に告示された横浜市長選(30日投票)。

いずれも無所属で、林文子氏(はやし・ふみこ、71)=自民、公明、連合神奈川推薦=、元衆院議員で新人の長島一由氏(ながしま・かずよし、50)、元民進党横浜市議で新人の伊藤大貴氏(いとう・ひろたか、39)の3人が立候補した。

(掲載は立候補届け出順)

★横浜市長選挙:30日(日) 投開票速報を随時更新★

【開票速報・結果】横浜市長選挙(市長選) 2017

 

自民・公明が現職推薦、民進は自主投票、共産・自由は新人の伊藤氏を自主的支援

現職の林氏は、自民・公明の推薦を受けており、神奈川2区選出の菅義偉官房長官(自民党衆院議員、7期)が後ろ盾とされる。

林氏が初当選した2009年の市長選では、旧民主党が同氏を推薦したが、今回、民進党は自主投票に回った。

その理由について、他紙は、

民進党県連は、伊藤氏と林氏から推薦依頼を受けていたが、党内には林氏を推す旧民主党系と、伊藤氏を推す旧維新系の議員がおり、分裂回避のために両氏の推薦を見送り、自主投票を決めている。

(6/21 産経ニュース「【横浜市長選】主要3候補予定者出揃う」より)

と報じている。

実際、現職・林氏の街頭演説に民進党参院議員・牧山ひろえ氏(神奈川県選挙区)が顔を見せる一方で、民進党代表代行・江田憲司氏(衆院議員、神奈川8区)が新人・伊藤氏の支援に回る。

共産党は、元市議の新人・伊藤氏を自主的に支援する。

共産党県委員会は7日、無所属で立候補を表明している元横浜市議の伊藤大貴(ひろたか)氏(39)を自主的に支援すると発表した。伊藤氏から正式な形で推薦などの支援要請はなかったが、カジノ誘致反対と中学校給食の実現で一致できると判断した。

(7/8 毎日新聞「横浜市長選 共産が伊藤氏を自主的に支援 /神奈川」より)

と報じられており、党幹部が横浜入りし伊藤氏への支持を訴える。

また自由党県連も、

「中学校給食実現とカジノより横浜らしい再開発を表明していることに賛同した」

(7/13 毎日新聞「横浜市長選 自由党が伊藤氏を自主的支援発表 /神奈川」より)

と、共産党と同じく、伊藤氏を自主的に支援する。

一方、元民主党衆院議員の新人・長島氏は、政党からの支援は受けていない。

スポンサーリンク

争点はカジノ誘致?学校給食? 各候補の主張を見ていく

今回の選挙での主な争点としては、

■ IR( カジノを含めた統合型リゾート)誘致の是非

■ 中学校給食の実現

が挙げられる。

各候補の主張を見ていく。

【 IR( カジノを含めた統合型リゾート)誘致 】

(出典:Twitter)

(出典:Twitter)

 

横浜市が最有力候補とも言われているカジノ誘致。

これについて現職の林氏は、昨年の段階では「税収確保のために必要」と述べるなど誘致に前向きな姿勢を見せていたが、今年に入ってからトーンダウン。

「ギャンブル依存症などの懸念事項は重要。やるからには健全なものを目指す信念だ」

(1/12 東京新聞「カジノ「健全なもの目指す」 林・横浜市長 新春インタビュー」より)

「ギャンブル依存症対策は考えるべきだが、(誘致を)判断するに至っていない」

(6/7 産経ニュース「横浜市長選 林文子氏3選出馬表明 自民党市連が推薦」より)

「反対も賛成もいるこの段階で、誘致するしないという議論は妥当なのか。まだ時間をかけていこうということ」

(7/9 東京新聞 「横浜市長選 告示控え 立候補予定者が公開討論会」より)

などと言及しているが、16日(告示日)の第一声では、

林さんは「横浜市の成長のためには、一つの政策ではない。全てがつながっている」と、カジノ誘致の是非などを争点にする動きをけん制。「基礎自治体の行政は一つ一つの積み重ねが大事だ」と強調した。

(7/17 東京新聞「横浜市長選、候補者の第一声(届け出順) カジノ誘致 子育て…論戦スタート」より)

と報じられるなど、IR誘致の是非に対して明言を避けた。

これに対し、新人の長島、伊藤両氏は、明確に誘致反対を主張する。

伊藤氏は、自身の公式HP上で

「カジノを誘致せず、山下ふ頭を新たな横浜市の魅力づくりの拠点に(海外諸都市の港湾機能の転換を参考に)」

と反対の意思を明らかにしているほか、

長島氏は第一声で、

「NO!!カジノ」と書かれた看板を掲げた選挙カーの上に立ち「この市長選は横浜にカジノが必要かどうかの住民投票だ」

(7/17 東京新聞「横浜市長選、候補者の第一声(届け出順) カジノ誘致 子育て…論戦スタート」より)

と述べている。

カジノ誘致の是非については、争点化を避けたい現職、争点化を狙う両新人、という構図がうかがえる。

 

【 中学校給食の実現 】

(出典:Twitter)

(出典:Twitter)

 

横浜市の市立中学校では、昼食は家庭の弁当を基本とし、全国の政令市で唯一、給食を提供してない。

しかしこれには多くの批判が集まり、今年1月から全市で予約制の配達弁当「ハマ弁」がスタートした。

しかし、この「ハマ弁」については

4月の利用率(喫食率)がわずか1・1%にとどまっている

(5/28 朝日新聞 「学校へ配達「ハマ弁」、利用率1% 中学給食ない横浜市」より)

と報じられているとおり、ほとんど浸透していない実態がある。

林氏は、今回の市長選における公約で、

・ハマ弁を一層進化させ、中学校での「横浜スタイルのハマ弁給食」を実現

・保護者の負担を軽減し、実質的に給食並 みの負担とする (1食当たり 470 円を 300 円台に軽減)

などと、「ハマ弁」の継続を主張する一方、

・給食設備新設は不要・・・各中学校への給食設備新設には莫大な資金を税金 で負担しなければならないが、その負担が不要

・昼食の用意が難しいご家庭にはハマ弁を無償で提供

と、中学校給食の提供には否定的な態度をとる。

 

一方、長島、伊藤両氏は、学校給食の実現を掲げる。

長島氏は、今年1月11日の出馬表明の際、

「働く父母のために待機児童解消を目指すなら、中学給食をやらないのは矛盾」として、中学校給食の実現を掲げた。

(1/12 日本経済新聞「カジノ誘致、争点に 横浜市長選 長島・元衆院議員が出馬表明 」より)

と報じられている。

 

また、伊藤氏は、16日の第一声で、

・「この市長選は二つの争点がある。カジノに頼らないまちづくりと中学校給食の実現だ」と訴えた。

・中学校給食を実施していない現市政に対して「いかに市長が教育そのものに関心を持っていないかの表れだ」と批判した。

((7/17 東京新聞「横浜市長選、候補者の第一声(届け出順) カジノ誘致 子育て…論戦スタート」より)

と報じられているとおり、カジノ誘致反対と同様、中学給食の実現を政策の柱に据える。

 

 

新人の伊藤氏は、実質的な野党統一候補 民進党幹部はどう動く?

 

以上のように、IR誘致への是非では現職が明言を避ける中、両新人が誘致反対。

また、中学校給食の実現については、現職が否定的なスタンスを取る一方、両新人は積極的だ。

しかし、両新人の主張が重なっている面もあり、有権者にとっては分かりにくい構図となっている。

長島、伊藤両新人について、

ある共産市議は「野党共闘のためには候補の一本化が必要だ」と話す

(6/21 東京新聞 「横浜市長選 伊藤大市議が出馬表明 民進、足並みそろわず」より)

との報道もあり、伊藤氏を支援する野党にしてみれば、候補を一本化して告示日を迎えたかったというのが本音だろう。

 

政党で見れば、現職の林氏は、自民・公明、そして連合神奈川が推薦。

共産、自由、「市民連合」など複数の市民団体は、新人の伊藤氏を支援。

民進党は自主投票。

このうち、伊藤氏の選挙第一声(7/16)について、共産党機関紙が、

共産党の田村智子副委員長・参院議員は「カジノ反対の審判を伊藤さんへの一票で示しましょう。自民党政治を横浜から変えるため全力で頑張ります」と話しました。

民進党の江田憲司代表代行・衆院議員は「カジノの利権をあさり甘い汁を吸おうとする政治家に、選挙でレッドカードを突き付けよう」と述べました。

自由党の樋高剛県連代表は「子どもの成長に投資をするか、バクチに投資をするかの選択だ」と呼びかけました。

「市民連合」呼びかけ人の高田健氏は「立場や意見の違いを超えて、政党・市民が応援に集まっていることに力強い希望を感じます」と語りました。

(7/17 しんぶん赤旗 「横浜市長選 伊藤候補が第一声 カジノ反対・中学校給食実現を 市民・政党代表訴え 田村副委員長が応援」より)

と報じており、伊藤氏は、実質的な野党統一候補であると言えよう。

 

今回と同じような構図で戦われた選挙としては、昨年10月16日に執行された新潟県知事選挙が挙げられる。

新潟県知事選挙では、柏崎刈羽原発再稼働の是非が大きな争点となり、野党が支援した米山隆一氏が当選。

前評判を覆す結果となり、米山氏を支援した野党からは「本気の共闘で自公に勝利した」という声も聞かれたが、

選挙が進むうち、「自主投票」を決めた民進党幹部らが続々と新潟入りし、米山氏の応援に回ったことも印象深い。

 

現状では、民進党代議士が林氏、伊藤氏をバラバラに支援するが、今後、蓮舫代表をはじめとする民進党幹部が動く可能性はあるのだろうか。

選挙戦が進み、争点が明確化されて民意が二分されるような状況になれば、あるいは。

民進党幹部が、野党と市民の共闘による選挙をたたかう伊藤氏の支援に回れば、新潟県知事選挙とほぼ同じ構図ができあがる。

 

全国の基礎自治体の中で、最多の約370万人もの人口を誇る横浜市。

そのリーダーを決める選挙は、7月30日(日)に投票を迎える。

関連記事

【開票速報・結果】横浜市長選挙(市長選) 2017

林文子(はやしふみこ)-横浜市長選挙候補者

長島一由(ながしまかずよし)-横浜市長選挙候補者

伊藤大貴(いとうひろたか)-横浜市長選挙候補者

 

より多くの皆さんにご覧いただき、より厳しくコンテンツを磨いていくために、ぜひクリックをお願いします。
ブログランキング用バナー
スポンサーリンク

 - ヘッドライン, 注目選挙, 神奈川県内選挙, 関東地方選挙 ,