【連載】ロシアの実像を探る (6)ロシアにおける「平等主義」前編 [茅野 渉]

   

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ロシアの民に通底する、特有の「平等主義」とは

(対ドイツ戦勝記念日(5月9日)に行われる軍事パレードの様子 出典:https://pixabay.com)

 

ロシア人の気質に就いてもう一つだけ述べておきましょう。

それは、「平等主義」とも呼べる彼らの態様です。

「平等主義」とは、やや荒っぽいくくり方になりますが、一つの集団で誰かをより強い者、より優れた者と認めて、その者に指揮権、リーダーシップを預託することがなかなかできない人たち、ということです。

これは意外に思われるかもしれません。

ロシアといえば赤の広場で繰り広げられる軍隊の行進が象徴しているように、強力な統制の下で上の命令は絶対を旨とする国、あるいはそのような国民、というイメージが普通ではないかと思います。

しかし、実際にロシアの組織と付き合ってみると、その組織の長が述べる方針とその部下の方針運用とが乖離してしまっていることはしょっちゅうで、それに付き合わされるこちらは大いに苦労させられるものです。

上と話をつけても、実務の下に回って詳細を、となると話が全く伝わっていないか、もしくは伝わっているのだろうが下は下の考えで、というケースが多々あります。

下が「オレはオレ」ということになれば、これは厳しい言葉でいえば面従腹背に他なりません。

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絶対服従を旨とする米英社会と、ロシア社会との違い

(出典:https://pixabay.com)

 

米国は民主主義国家といわれますが、米軍や米国企業での「ボス」の意味合いは日本やロシアとはかなり違うようです。

上の命令は半ば絶対で、反抗すれば営倉入りか即解雇という例も出ます。

彼らにとっては、それが組織として当たり前のことのようです。

組織内での上下関係での厳しさの差は、その組織なり社会なりが一種の「戦闘集団」を目指しているのかどうかで生じるものではないか、と思うものです。

米英のような国々は、社会の根本が外敵と常に戦うことを想定して成り立っているように見えます。

国家であれば外国、テロリスト、企業なら商売敵との戦いです。

憲法に明文化されていなくても国家が自衛権を持つことは自明の理、という解釈は、国家が外敵に対する戦闘集団であるべき、という常識に繋がっていることが前提になれば、容易にその趣旨が理解できます。

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