【連載】「一帯一路」の輪郭(3)変化する物流(福島大・朱准教授)

   

スポンサーリンク

今後、中国に問われるもの

https://pixabay.com

 

 

中国は今、世界各地で港湾、高速鉄道、高速道路など大規模なインフラ整備を進めている。しかし、それらが本当に「強い」のかどうか、さらには今後、国際的な競争力を持つことができるかは未知数だ。繰り返すが、物流の世界において「大きい=強い」という考えは絶対ではない。

例えば、海外に新たな港湾を整備したとして、そもそも運ぶべき荷物があるのか。その拠点まで、どこからどうやって荷物を輸送するのか。荷役(荷物の積み下ろし、積み込み)は効率的にできるのか。荷物の出入りを管理する体制を構築できるのか。物流の世界では、これらが全て問われる。このシステム全体がスムーズに動かなければ、物流の拠点とはなり得ない。

物流の世界はシビアだ。一度の失敗で、全ての信頼を失う恐れがある。海上輸送で使う海運会社・航路・港湾を決めるのは「Forwarder」(注)の仕事だ。彼らは安く、安全で、信頼できる選択肢を荷主に提案する。荷主もそれを求めている。つまり、中国企業(荷主)でさえ、必ずしも中国の海運会社や港湾を使うとは限らない。これが物流の現実だ。

(注)「Forwarder」:自らは輸送手段を持たず、船舶・航空機・鉄道・トラックなどを利用し、荷主と直接契約して貨物輸送を行う事業者。

 

朱 永浩(ずう よんほ)

福島大学准教授、博士(商学)。専門はアジア経済論、中国経済論。最近では、北東アジア地域経済協力および「一帯一路」の研究に注力し、東南アジアにも調査の旅に出る。著書に、『中国東北経済の展開-北東アジアの新時代』(日本評論社、2013年、単著)、『アジア共同体構想と地域協力の展開』(文眞堂、2018年、編著)などがある。

スポンサーリンク

https://www.levada.ru/2016/04/07/mezhdunarodnye-otnosheniya-2/

1 2 3 4 5

 - アジアのニュース, アジア・世界ニュース, 東北からの発信, 知の発信 , , , ,