【連載】「一帯一路」の輪郭(3)変化する物流(福島大・朱准教授)

   

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一帯一路による物流の変化、その裏側

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「中国一帯一路網」によれば、2018年8月26日の時点で、中国における48の都市とヨーロッパの40以上の都市が鉄道によって繋がっている。一帯一路構想が立ち上がる前まで、年間で数十便ほどだった中国-ヨーロッパ間の国際定期貨物鉄道「中欧班列」の累計運行便数は10000便に達した。

こうした「中欧班列」急増の背景には、経由国を含めたソフト面での改善がある。

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以前、私は中央アジアの某物流企業へのヒアリング調査を行った。鉄道で中国の貨物がヨーロッパに運ばれるまで、中央アジアなど十数か国を経由するケースもあるという。

第三国を経由すると言っても簡単ではない。例えば国によって線路の幅、トンネルの高さが違う。貨物の大きさの規制、危険品の扱いなど、輸出入におけるルールも異なる。中国では危険品ではなくとも、相手国で危険品とされれば貨物を通すことさえできない。調整すべき内容が山ほどあるのだ。

ケースによっては、一度の輸送で30通以上の書類が必要となり、契約書は数十ページにも及ぶ。国ごとの言語の違いにも対応しなければならず、1カ国語の翻訳だけで数百ドルかかる場合もある。書類を揃えるだけで、多大なコストが発生していた。

一帯一路は、このコストを削減することに成功したと言われている。

中国とドイツなどのヨーロッパ諸国、また経由国を含めた政府間の話し合いが行われ、手続きの簡素化、ルールの統一が行われたのだ。鉄道によって国同士を「繋げる」という側面において、一帯一路は既に一定の役割を果たしている。

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