都市化する中国で華々しく活躍する日本の「コンビニ」

   

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「コンビニエンスストア」というと皆さんにとってどんなイメージがありますか。私ははじめてコンビニに行ったのは大学二年生の時、大連駅前のローソンです。普通の食料品以外に、お弁当、ソフトクリーム、おでん等も売っています。ところが日本のコンビニでは飲食、生活用品だけではなく、銀行、印刷、様々なチケット販売、さらに住民票までをも取り扱っていることを留学して初めて知りました。中国には「麻雀雖小、五臓俱全(スズメは小さくても、五臓六腑はすべてそなわっている)」ということわざがありますが、コンビニは小さくてもさまざまな機能がそろっています。5年前、すでに上海、北京、瀋陽等の大都市でコンビニが見られましたが、2016年からコンビニ大手は中国向けの海外進出戦略を加速しています。確かに、日本のコンビニ文化が中国都市における生活利便性の向上にインパクトを与える一方で、ローカルコンビニの誕生にも刺激を与えているとも言えます。中国の経済活性化が進んでいる間に、中国における「コンビニ」業態は投資家からの支援が積極的に見込まれています。では、本日は中国の「コンビニ」にまつわるエピソードを一緒に見に行きましょう。

続々と中国に進出する日本の「便利店(ベンリデン)」

(お客様がいっぱい並んでいているコンビニの門前です)

コンビニは中国語で「便利店」(ベンリデン)と呼ばれています。中国では、90年代に初めてコンビニが立ち上げられました。しかし、当時の便利店はまだ日常商品、食品などの単純な「売店」のイメージが強くありました。2005年から中国の都市化及び経済成長に伴い、外資系の便利店が中国市場に進出しはじめ、特に日本ならではのコンビニが進出して以来、中国人の「便利店」に対する概念も変わってきました。

監査法人デロイトの研究報告書によれば、2016年中国におけるコンビニの大手の中で、直営店舗数の一番多いのがファミリーマートで、売上もセブイレブン、ローソンより高いです。特に、中国コンビニ業界の中に、ファミリーマートの店舗数はローカルの便利店より少ないにもかかわらず、約50万元(860万円に相当)の年間売上高で第3位に達しました。セブイレブンとローソンも店舗数が少ないものの、中国の消費者に大歓迎されており、年間収益が高いと言えます。例えば、南京市にあるローソンは開業初日にお客様を多く迎え、当日の売上は中国全土におけるローソンの一日の売上の最高記録を更新しました。

日本国内における「コンビニ」の競争の苦戦に対して、海外の日本コンビニの活躍はなかなか目立っています。

では、なぜ日本のコンビニが中国でこんなに成長できるのでしょうか。

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中国で受け入れられる日本の「コンビニ文化」

まず、広い地域分布戦略によるブランド力にあります。コンビニの成長は都市化及び人口密度と高い相関関係にあります。現在、コンビニの中国での分布はとても偏っていて、ほとんど中国の沿岸部の大都市がその大部分を占めています。日本の三大コンビニが近年内陸に進出するとともに、現地のコンビニの誕生と成長にも刺激を与えています。しかし、日本の三大コンビニと比べて、大部分のローカルコンビニがまだ本部を中心とした周りの都市だけに運営しています。即ち、ローカルコンビニの経営範囲は限られており、ブランド影響力もなかなか広げることができないと言えます。

(中国上海のファミリーマートです)

また、中国人の消費行為に対して、日本のコンビニは地域によってローカライズに取り組んでいます。例えば、現地の食品工場と協力して、中国人の舌に合うお弁当、おにぎりなどの食べ物を開発しています。例えば、北京のセブイレブンのファーストフードの種類は広州とずいぶん違います。また、速いペースの生活をする中国人が利便性を高く求めているので、日本のコンビニがファーストフード、インスタント食品の提供を強めてきました。

更に、日本製品、「おもてなし」のサービスに対する信頼性が高いので、日本のコンビニのほうが利用されることが多いです。中国のローカルコンビニは日本のような外資系コンビニと比べ、まだ始まったばかりなので、経営システムと商品開発で改善できるところがまだまだ沢山あります。まだそれほど行き届いたサービスを提供しにくいものの、日本ならではの経営システムが中国のコンビニにとって勉強すべき点だと思います。ところが、ただひたすらに真似るのではなく、中国ビジネス環境の優勢と合わせて取り上げるのが成功の手がかりだと思います。

中国の未来のコンビニ

(完全無人コンビニBingoBoxです)

コンビニの需要は中国の都市化と密接にかかわっています。沿岸部大都市から始まり、これから経済発展及び若者を中心とするライフスタイルの欧米化により、コンビニが内陸部へ伝播すると見込まれています。最近、中国の中央政府でも地方政府でもすでに支援政策を公開して、外資のコンビニの参入を促す一方、ローカルコンビニへの助成・支援も実施しています。中国では政策での後押しがあり、コンビニへの資本の投資と起業も急増してきました。このような現象は中国語で「風口」(フォンコー)と呼ばれています。

例えば、「風口」の例で代表的なものといえば、中国超大手会社アリババが投資をして作られたコンビニ実店舗「天猫小店(テンマウショウデン)」及び京東商城(JD.com)が取り掛かった「京東便利店(ジンドンベンリデン)」が挙げられます。

 

(最近、JD.comによる取り上げられた無人コンビニの「顔認証システム」です)

中国ではアリババ、京東商城、アマゾンを中心とするeコマース企業が驚くほど激しい競争を繰り広げています。そのため、「オンライン」と「オフライン」を融合して、通販を拡大するのが新しいeコマースの戦略と言われています。コンビニがまさにeコマースの流通にいいチャンスを提供しています。また、最近メディアで盛り上がっていた「ビンゴボックス( BingoBox)」という完全無人コンビニは「万引きゼロ」「スマホ決済のみ」といった点が注目されています。

中国のコンビニは始まったばかりなものの、日本のコンビニを手本として、また膨大な市場需要、資金調達及び情報技術を活用すれば、いつの間にか、きっと中国ならではのコンビニに注目が集まると思います。

本日はここまでにしましょう。寒露の候、麗しい仙台でまた皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

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婷竹
婷竹(テイチク) 1991年生まれ。羊座。O型。中国東北地方瀋陽市出身。東北財経大学卒業。現在東北大学経済学研究科在学中(修士1年生)。趣味は読書、ACG(アニメ・マンガ・ゲーム)音楽を歌うこと。ヴォーカルユニット・Kalafinaの熱狂的ファン。自慢の料理は中華風豚足の煮込み。

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