北朝鮮国籍の人はヨーロッパでは働けない?

   

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北朝鮮にとって貴重な外貨収入が外国で働く北朝鮮労働者の賃金だ。意外なことに、中欧・東欧では多くの北朝鮮労働者が働いている。しかし、中欧・東欧で働く北朝鮮労働者への風当たりが強くなっている。今回は北朝鮮労働者の実態を紹介したい。

そもそも外国で働く北朝鮮労働者とは?


外国で働く北朝鮮労働者 
そもそも、海外で働く北朝鮮の労働者はどれくらいなのだろうか。2016年、韓国の李政勲北朝鮮人権国際協力大使は海外で働く北朝鮮労働者は約10万人、収入は年4億ドル~5億ドルと発表した。
北朝鮮労働者は世界各地で働いている。韓国の中央日報によると、北朝鮮労働者はロシア、中国、東南アジア諸国(マレーシア、ミャンマー)、中東(クウェート、オマーンなど)、アフリカ(アンゴラ、赤道ギニアなど)、ヨーロッパ(ポーランドなど)にいる。仕事場は建設現場や鉱山など、重労働が求められるところが多い。

ところで「外国で働けるのだから、北朝鮮本国よりも楽なのでは」そのように思われるかもしれない。しかし、外国で働く北朝鮮労働者は「奴隷状態」で働かされているのだ。北朝鮮労働者は外国の会社から給料をもらっても、給料の90%は国が吸い取る。労働者は現地通貨で支払われることになっており、労働者に残るお金は月15,000円前後だ。また、北朝鮮労働者は危険な環境下で長時間労働を強いられている。このように、外国であっても国が労働者を搾取する北朝鮮のシステムは変わらないのだ。

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次々と北朝鮮労働者の受け入れを中止する中欧・東欧

ルーマニア チャウシェスク大統領。ルーマニア人は「彼は北朝鮮の影響を受けた」と話していた。

ルーマニア チャウシェスク大統領。ルーマニア人は「彼は北朝鮮の影響を受けた」と話していた。

中欧・東欧諸国は社会主義国だったので、北朝鮮からの労働者を受け入れてきた。しかし、北朝鮮の核・ミサイル開発、北朝鮮労働者への人権侵害により、次々と受け入れを中止している。ソウル聯合ニュースによると、ブルガリア、チェコ、ルーマニアが北朝鮮労働者受け入れの中止を発表した。2017年9月現在、EU加盟国で北朝鮮労働者を受けいているのはポーランドだけだ。おそらく、ポーランドも他の中欧・東欧諸国と同じように、北朝鮮労働者の受け入れを中止するだろう。

中欧・東欧と北朝鮮は物理的距離は離れているが、北朝鮮に対する中欧・東欧の人々の関心は案外高い。人々はヨーロッパのテレビ番組が制作した北朝鮮に関するドキュメンタリーを見て、北朝鮮の生活ぶりを学んでいる。彼ら自身の苦悩を背景に、北朝鮮国民に同情を示している。中欧・東欧においては北朝鮮への風当たりはよりきつくなるだろう。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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