北朝鮮大使館に宿泊施設があった? 旧東ドイツの話題から

   

スポンサーリンク

何かと世界を騒がしている社会主義国家、北朝鮮。北朝鮮と中東欧との結びつきは強い。冷戦時代、中東欧諸国と北朝鮮は同じ社会主義陣営に所属していた。現在、北朝鮮と中東欧諸国との関係はどうなっているのだろうか。一回目は北朝鮮とドイツとの関係を見ていく。

同じ分断国家だった、東ドイツと北朝鮮


金日成国家主席

1990年の「ドイツ統一」まで、北朝鮮と東ドイツ(ドイツ民主共和国)は同じ社会主義陣営に属する分断国家だった。1960年代前半に、北朝鮮は中国との関係を優先したので、東ドイツとの関係は冷え切った。しかし、中国の「文化大革命」により、北朝鮮はソビエト連邦との関係改善に舵を切った。それに伴い、北朝鮮と東ドイツとの関係も改善した。北朝鮮と東ドイツとの関係は北朝鮮の対ソ政策に大きく左右された。それでも、全体的に北朝鮮と東ドイツとの関係は良好であった。一方、北朝鮮と西ドイツには国交は存在しなかった。

スポンサーリンク

立派な北朝鮮大使館で発生した珍事


シティホステルと北朝鮮大使館

当然のことながら、旧東ベルリンには北朝鮮の大使館があり、現在でも北朝鮮は在ドイツ北朝鮮大使館として使い続けている。今年の5月、北朝鮮大使館で「珍事」が発生した。

産経新聞によると、5月6日までに、北朝鮮大使館は敷地内にあるホテルの業者に対し、契約解除を通告した。もともと、北朝鮮大使館の敷地内には2つの建物があり、このうちの1棟を業者に貸していた。業者は北朝鮮大使館と契約する形で「シティホステル」という名で営業していた。

「シティホステル」は料金が格安のため人気があり、毎月約470万円の家賃収入を北朝鮮は得ていた。ドイツ政府はこの取引を国連安保理が決議した制裁に「違反」していると判断。北朝鮮に対し、ホテルの閉鎖を要求した。しかも、北朝鮮大使館はこの家賃収入に関して、ドイツに対して正しく納税していなかった。

北朝鮮大使館がホテルと契約したのは2004年のことだった。東側陣営の崩壊や相次ぐ制裁により、是が非でも外貨収入を獲得したかった姿勢がわかる。ホテルの営業禁止は北朝鮮にとって、かなりの痛手であろう。

なお、現在でも「シティホステル」は営業を続けている。現在、業者側は北朝鮮大使館に賃料を払っていない。ホームページも開設されており、オンラインで簡単に予約できる。部屋は個室(1人部屋・2人部屋)とドミトリー(4人部屋~8人部屋)がある。もちろん、ホステルの目の前には北朝鮮大使館がある。興味がある方は宿泊されてはいかがだろうか。

スポンサーリンク
1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

 - 社会ニュース, 経済ニュース , ,