【台湾経済・文化事情】富豪物件の街!?台北

      2017/09/19

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住居のポストにポスティングしていく文化は台湾も同様で、そこには業態を問わず様々な広告が投げ込まれます。

そんな中でもひときわ目を引くのが不動産広告。帰宅すれば必ず差し込まれている不動産のチラシ。そこには何が記されているのでしょうか。この度は「現地広告から見る台北市の不動産事情」を掻い摘んでお話します。

バブル化している台北の不動産

画像に並ぶ台湾の不動産広告を、今回は台北を例にお話しします。広告に記載されている、○○坪 ○○萬の表記は日本と同じく坪数と金額を表しています。それと立地の特徴です(地下鉄や百貨店、それと駐車場の有無など)、残りは部屋数と担当者が多いです。連絡先が営業所ではなく、営業個人の電話番号というのが海外らしいですね。台湾において建築物の築年はあまり考慮されません。これは購入後のリフォームで内装と区画の設計が比較的自由に行えるためです。

今回注目していただきたいのはその価格。現時点(2017年9月)で1NT$=約3.6円ですので、20坪2DKで 2,000万NT$の物件を例にあげると、なんと7,244万円、一坪あたり単価362万円(!!)になります。加えて現地の不動産価格に対するアンテナも敏感で、「どうも地下鉄が開通するらしい」「複合施設が建つ噂がある」との話が流れるや、建築が予想される周辺地域はまたあっという間に高騰します。

しかしながら2DKで7,000万円超のマンションは、一介のサラリーマンが購入するに充分躊躇われる金額です。男性にとって恐ろしいのはここからで、台湾では結婚と同時に住む場所を相手側に用意するのが慣例になっており(福原愛ちゃんの旦那さんもそうでした)、男性は結婚で相手を選ぶと同時に住む場所も確保しなくてはなりません。聞いた瞬間から冷や汗が止まりませんね。(※さすがに現在は賃貸の家庭も多くなりました。)

台湾の平均所得と不動産価格の大きなギャップ

不動産001 _

これは大変な事です。なぜならば台湾国内の大卒平均月給は約9万7千円(求人企業yes調査による)。ボーナスを含めても、年収で150万円程度です。都市部でも金額の上ブレはわずかですので、実質は月額10万円ちょっとというのが現実的な所得です。その上、台湾には住宅補助なる制度は存在しません。持ち家どころか、シェアハウス賃貸で部屋を借りている若年層もちらほら見られます。

これでは文字通り逆立ちしてもマイホームに手が届かず、旦那さんは家が買えずに奥さんから毎晩罵られてしまいます。そこで台湾政府と台湾国民も、不動産取得や物件売買活性化の促進策と投資目的の売買に対する抑制策を、あの手この手を使って考え出します。台湾の各種税率(法人税、相続税、所得税)が日本と比較して全般に低く、共働き世帯が大半を占めるなど、家計貯蓄を推し進める方向に政策と実生活が連動するのには、このような背景もあるのです。

それでも台北市内に家を持つにはまだ至らず、結果として台北市郊外にベッドタウンが形成され、そちらの居住人口が近年増加しています。(2016年時点で台北市の人口が217万人に対し、隣接する新北市は人口397万人)台北市には地下鉄と台湾鉄道があり、ご存知の通りバイクで通勤するサラリーマンも多いため、移動にはさほど苦労しません。ちなみに私の上司は、更に隣の桃園市から通勤していました。(桃園市は人口211万人)

これは台北市に限った話ではなく、台湾の中核都市では何れにおいても見られる傾向です。サラリーマン世帯が増えるに従って、衛星都市部の人口が増え、中心部はビジネス街と元々古くからの居住者、そして学生がメインになっています。

夢のマイホームとは言いますが、台北市中心では本当に夢のまた夢になりつつあるのです。

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川田 尚人 (Naoto Kawada)
立教大学経営学修士(MA)修了後、地元銀行に就職。 その後、日系金融機関台湾法人を経て、現在はアジア地域コーディネーター(主に台湾)として独立。 三度の飯より台湾の高雄が好き。

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