中国、ウクライナ・ロシアからうまく利益を引き出す?

   

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中国と中欧、東欧諸国の関係を見るシリーズも最後になった。最後は紛争で揺れるウクライナと中国の関係を見ていく。ウクライナは中国と友好的な関係にあるロシアと対立している。そのなかで、中国はどのような動きを見せているのか。いくつかの例を見ながら、中国の興味深い動きを考察したい。

ウクライナにとって欠かせない大国、中国


(習近平国家主席)

ウクライナにとって中国は欠かせない大国だ。同時に中国も多くの利益をウクライナから得ている。UKRINFORMによると、習金平国家主席はウクライナの独立26周年を祝う手紙の中で、以下のように述べた。

近年、中国とウクライナの戦略的関係は維持され、順調に発展している。また、両国の協力関係は全ての分野においていくつかの素晴らしい結果をもたらしている。

中国とウクライナは2014年の政変前から積極的に関係を築いてきた。中国は政変前からウクライナの安定化のために多額の融資を行っている。一方、ウクライナも中国に対して国土の5%を農地として貸与した。また、ウクライナは中国に積極的に武器を輸出している。

中国がウクライナを重視する理由は中国の大プロジェクト「一帯一路」計画にある。「一帯一路」計画において、ウクライナはヨーロッパ側のゲートウェイに位置する。そのため、中国はウクライナの港の整備や鉄道への投資を行っている。

当然のことながら、ロシアとの関係が悪化しているウクライナにとっては中国は大切なパートナーだ。特にビジネスの面から、中国との関係を重視しているように見える。

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ロシアとウクライナの関係悪化を横目に

ウクライナのイラスト

ウクライナのイラスト

中国にとって厄介なのがクリミア半島をめぐるロシアとウクライナの対立だ。全体的に見ると、中国とロシアの関係は良好だ。しかし、ロシアによるクリミア半島の「併合」を認めると、中国国内の民族運動に影響する。そのため、中国はクリミア半島をめぐるロシアの動きを「静観」した。つまり、積極的に支持することもなく、積極的に批判することもしなかった。

一方、中国はロシアとの貿易、特に武器取引を積極的に行っている。ロシアは西側諸国から経済制裁を受けているので、武器を中国に大々的に輸出している。このように、中国はロシア、ウクライナの「足元」をよく観察しながら、利益をうまく引き出しているように見える。特に、ウクライナが農地を中国に貸与したケースを見ると、今後、ウクライナが「中国の穀倉地帯」になるかもしれない。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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