中東欧では中国の存在感がダントツ!―第5回中国・中東欧国家指導者会議から―

   

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日本ではあまり報道されないが、中国は世界中で活発に外交を展開している。それは中欧、東欧も例外ではない。今回は第5回中国・中東欧国家指導者会議を取り上げる。耳慣れないこの会議。いったい、どのような話し合いが行われているのだろうか。

そもそも、第5回中国・中東欧国家指導者会議とは


演説する李克強首相

2016年11月5日、ラトビアの首都、リガで第5回中国・中東欧国家指導者会議が行われた。この会議には中国の李克強首相と中東欧16カ国の首脳が参加した。なお、オブザーバーとしてEU、オーストリア、スイス、ギリシャ、ベラルーシ、欧州復興開発銀行が出席した。

今回の会議のテーマは「コネクティビティ、イノベーション、相互融合、共済」だった。李克強首相はこのテーマに基づいて、以下の4点を指摘した。簡単にまとめると、このようになる。

①インフラ・コネクティビティの強化(中国企業が中東欧の交通インフラ、電力、インターネットの整備に参加することを奨励する)
②金融協力(16+1の金融持株会社の設立)
③エコ経済協力の推進(農産物加工基地などのモデル事業の検討、エコ農業協力の奨励)
④人的・文化的協力の一層の緊密化

会議後に「リガ綱領」を発表して終了した。なお、中国・中東欧国家指導者会議と関連して貿易・経済に関する会議も行われた。

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日本も無関係ではない中国と中東欧諸国との関係

2015年9月、在スロバキア日本大使館に貼られていたポスター

2015年9月、在スロバキア日本大使館に貼られていたポスター

日本で行われる中東欧の多くの観光セミナーでは「親日国」というキーワードが出てくる。確かに日本に好意を持っている中東欧の人々は多い。しかし、現実的にはハード面では確実に中国が存在感を増している。中東欧における中国の存在感の高まりは間接的に日本にも影響しているのだ。

フィナンシャル・タイムズによると、中国の領土侵犯に関して、ギリシャとハンガリーが中国を批難することをためらっている。理由は中国からの投資だ。そのため、EU全体も中国の東アジア、東南アジアにおける一連の行動に対しては及び腰だ。

残念ながら、日本がハード面で中東欧に強い影響力を与えるのは難しい。その代わり、日本には「知的財産」が豊富にある。この事実は中国人も認めている。日本の影響力を落とさないためにも、「知的財産」「ソフトパワー」を使った外交を中東欧においてもっと強化する必要がある。中国も李克強首相が指摘したとおり、中東欧においてソフトパワーの外交に力を入れるだろう。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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