難民に揺れるハンガリー、難民拒絶で不成立の国民投票

   

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ここ数年、ハンガリーの主要テーマとなっているのが、中東からの難民への対応だ。オルバーン首相は難民問題に対して強硬な姿勢をとり続けている。それに対して、人々はどのように考えているのか。今回は国民投票を取り上げ、ハンガリー人の考えを見ていく。

賛成多数にも関わらず不成立な国民投票


オルバーン首相

ハンガリーのオルバーン首相は強硬な「反移民」の政治家として世界に知れ渡っている。ハンガリーでは2015年から、中東からの難民が大量に流入した。オルバーン首相はセルビアとの国境にフェンスを設置。難民の流入を阻止するために、あらゆる策を講じてきた。その一環が、2016年10月に行われた国民投票だ。

この国民投票はEUが加盟国に難民受け入れ数を配分する政策への是非を問うものだった。BBCによると、EUの政策により、ハンガリーはヨーロッパ域内の難民16万人のうち、約1,300人を受け入れなければならない。「反移民」を標榜するオルバーン首相にとっては、とても受け入れられないプランだ。そこで、国民投票をすることで、EUにアピールする狙いがあった。

10月2日、国民投票が行われ、、EU案に対して投票総数の98%が「反対」に投票した。しかし、投票率は43%に終わり、国民投票が成立する投票率50%を下回った。その結果、国民投票は「不成立」に終わった。しかし、オルバーン首相は勝利宣言をし、強硬な姿勢を崩さなかった。一方、EU側もハンガリーに対して譲歩の姿勢を示していない。

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難民受け入れに賛成するハンガリー人もいる

 ハンガリー・セルビア国境にあるフェンス 

ハンガリー・セルビア国境にあるフェンス 

日本のニュースを見ていると、全てのハンガリー人が難民の受け入れに反対しているように見えるが、そうではない。現に、2015年秋に会ったハンガリー人は難民受け入れに賛成し、オルバーン政権の姿勢を強く批判していた。

ただし、ハンガリーをはじめ、中東欧諸国における難民・移民に対する姿勢は人によって大きく異なる。また、国民投票が不成立になった背景にはオルバーン政権の強引な政治に対する反感も考えられる。

国民投票は不成立に終わったが、オルバーン政権は全く弱体化していない。むしろ、難民に対する強硬姿勢は続いている。一方、今年に入り日本とのワーキングホリデーが始まった。「来てほしい人」と「来て欲しくない人」を明確に分ける政策はハンガリーだけでなく、中東欧諸国の基本的なスタンスなのだろう。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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