堅調な成長が続くチェコ経済、ユーロ導入は?

   

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今回はチェコの経済事情を取り上げる。チェコはEUに加盟しているが、ユーロは導入していない(独自通貨のチェココルナを使用)。

しかし、チェコ経済のパフォーマンスは堅調だ。西ヨーロッパとは異なった経済事情を探っていきたい。

堅調な成長・低失業率のチェコ経済

鉄道でも近代化が進む。車両は高速列車Railjet

鉄道でも近代化が進む。車両は高速列車Railjet

チェコはドイツの隣国に位置し、昔から製造業が盛んな国だ。第一次世界大戦から第二次世界大戦の間は世界10本の指に入るほどの工業国だった。

第二次世界大戦後の社会主義時代は停滞を余儀なくされたが、体制転換後は中欧諸国の先頭グループに位置する。2004年にはEU加盟を果たした。

2005年以降、チェコ経済は実質GDP成長率6%台の経済成長を続けていた。しかし、2009年にはリーマンショックの影響などで-4.9%に減速。

その後、マイナス成長を記録した年もあったが、2014年以降はプラス成長が続いている。2016年は2.4%だった。

プラス成長の背景としては国外要因としてはドイツ経済の好調、国内要因としては政治、財政の安定が挙げられる。

2016年の財政赤字の対GDP比は0.6%だった。マーストリヒト条約にある通貨統合のための条件において財政赤字の対GDP比は3%以内なので、チェコの財政の健全さがよくわかるだろう。

また、チェコは失業率が低いことでも知られている。堅実な経済成長と人口の少なさ(約1000万人)と相まって、完全雇用に近い形だ。2017年1月の失業率は3.5%となっている。

このように、チェコの経済パフォーマンスはなかなか良好だといえる。それでは、ユーロの導入はどのように考えているのだろうか。

ユーロ導入に関心がないように見えるチェコ

チェコ・コルナ(1000コルナ)

チェコ・コルナ(1000コルナ)

かつて連邦を組んでいたスロバキアの通貨がユーロであることを考えると、チェコがユーロを導入していないのは意外に思えるかもしれない。

チェコの通貨はチェコ・コルナ(1円=約5円)だ。原則として、チェコ国内ではユーロは使えない。

なぜ、チェコはユーロを導入していないのだろうか。一言で説明すると、多くのチェコ国民がユーロ導入のやる気がないからだ。

基本的に現在のチェコのパフォーマンスを見ると、ユーロ導入の環境は整っている。一方、チェコ・コルナは安定しており、急にユーロを導入する理由も見当たらない。

実際にチェコを歩いてみると、ユーロ導入を耳にすることはあまりない。ユーロ導入に賛成、反対以前にユーロに対して全く関心がないように思える。

チェコは他分野においてもEUと距離を置こうとする国である。「EUには加盟するがユーロは導入しない」この状態が当分は続くのではないだろうか。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。 民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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