9.11同時多発テロから17年-世界はどう変わったか?

      2018/09/19

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9.11 テロ

(www.loc.gov)

9.11同時多発テロから17年、あの衝撃的な映像を今でも鮮明に覚えている人は多いことだろう。あのテロ事件の当時、筆者はちょうど大学の1年生で、近所の友人宅でお酒を飲んでいたのをよく覚えている。日本時間夜9時過ぎだった、酔いも深まる中、NHKをつけていたテレビの向こうで、旅客機が高層ビルに突っ込んだのだ。最初、友人がゲームを付けっぱなしだったのかと疑ったが、紛れもない事実で、これが国際政治を大きく変える大事件となった。

対テロ戦争の始まりと疲弊する米国

9.11同時多発テロ事件は、建国史上初めて米本土が外的から攻撃を受けた初めてのケースとなった(旧日本軍による真珠湾攻撃は除く)。当時のブッシュ大統領は、「”War on Terror”(テロとの戦い)」として、同事件を実行した国際テロ組織アルカイダと、それを匿う当時のタリバン政権への攻撃を開始した。対テロ戦争開始後、2001年末までにタリバン政権は崩壊し、多くのアルカイダメンバーが殺害、もしくは拘束された。軍事力を考えれば、米軍がタリバンやアルカイダを圧倒するのは予測に難しくないが、対テロ戦争の最初のころは、圧倒的な米軍の能力を改めて示すものとなった。

しかし、2003年のイラク戦争を契機とするテロとの戦いでは、サダム・フセイン政権を短期間のうちに崩壊させた一方、テロとの戦いにおける軍事力の限界が強く浮き彫りとなった。2011年12月の完全撤退まで、米軍は8年9ヶ月に渡ってイラクに駐留したが、その間にイラクのアルカイダ(AQI)などによるテロや襲撃によって、2000人以上もの米軍関係者が亡くなった。米軍はイラクに最大17万人規模を駐留させ、2007年あたりをピークにAQIを組織的に弱体化させることに成功したが、その後、アラブの春やイラクの宗派対立も相まって、結果としてイスラム国(IS)の台頭を許すこととなった。

2014年にISがイラク北部のモスルを掌握した際、イラク軍はISの攻勢を止めることができず、一部の兵士は武器を捨てて逃げたとも言われている。それを考えると、イラクにおける米国のテロとの戦いとは一体何だったのか。改めてその意義や役割を考えざるを得ない。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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