国際社会における国連安保理の機能性

   

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冷戦の終結、超大国米国の台頭、テロとの戦い、中国の台頭と米国一極構造の衰退など、国際政治は時間の経過とともに変化してきた。その中で、国連はどのような役割を果たしてきたのだろうか。周知のとおり、国連は戦後の1945年に戦勝国を中心に設立された国際組織で、国際社会の平和と安全に寄与することを最大の目的とするが、その中でも中核的な役割を担う安全保障理事会は、常に国際政治の厳しい現実に直面し、たびたび「安保理は機能していない」という指摘がなされてきた。

イラク戦争、米国の単独行動主義と国連

フセイン家の長男・次男の潜伏拠点を強襲する第20合同任務部隊のデルタフォース

フセイン家の長男・次男の潜伏拠点を強襲する第20合同任務部隊のデルタフォース

近年で国連安保理の機能性が疑問視されるようになったきっかけは、2003年のイラク戦争だ。この時、当時のブッシュ大統領はイラクのサダム・フセイン大統領が大量破壊兵器を秘密裏に持っているとの大義名分でイラクへの軍事攻撃に踏み切ったが、結果論、その発見には至らなかった。その後、米国を待っていたのはイラクの治安悪化と米国を疲弊させることとなるテロとの戦いだった。これが、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の台頭に繋がることとなった。
このイラク戦争において、米国は有効な安保理決議もないまま英国とともに単独で攻撃を開始したことから、国際社会からは米国に対する非難だけでなく、安保理の機能性を疑問視する声が高まった。“安保理は機能しない”、“名前だけの国連”などといった批判が日本国内でも多く聞かれた。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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