『IS衰退』は世界に平和をもたらすのか―最新統計で読み解くテロの現在

   

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シリア アレッポ

イスラム過激派組織イスラム国(IS)の領域支配の崩壊。それに伴い、世界各地のテロ事件数と犠牲者数の減少が見込まれる中、実際にはどのような変化が生じたのだろうか。

今年もメリーランド大学のテロ研究機関「START」から最新のテロ統計が公表された。この研究機関は2005年に設立されたテロ情勢、テロ対策を専門的に行う機関で、米国の国土安全保障省とも密接な関係にある。世界中のテロ研究者、実務者で知らない人はいない機関だ。また、米国務省は毎年テロ年次報告書を公表しているが、使用している統計はこのSTARTのものだ。

今回は同機関が発表した2017年の国際テロ事件に関する統計レポートから、今後の国際テロ情勢を読み解くポイントをいくつか挙げていきたい。

テロ事件数・犠牲者数は世界的に減少 ISの縮小が関係か

まず、私たちが体感しているように、世界全体で見るとテロは減少している。2017年に世界各地で発生したテロ事件は合計1万900件で、犠牲者が2万6445人となり、前年比でそれぞれ20%、24%減少した。テロ事件数・犠牲者数はとも3年連続で減少傾向にある。この減少には、シリア、イラクにおけるISの支配領域の縮小と崩壊や、それに伴うISのSNSやネット上での発信活動の減少が関係していると思われる。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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