米国の安全保障政策の行方 「テロの脅威」は去ったのか?

   

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中央アジア・タジキスタンで7月末に欧米人を狙うテロが発生し、米国人2名を含む4名が亡くなった

9.11同時多発テロ以降、米国の安全保障政策はテログループという非国家主体、もしくは北朝鮮や中国、ロシアなどの国家主体のどちらかに重点を置く形で進められてきた。9.11以降のアフガニスタン戦争、イラク戦争、イスラム国の台頭などの時期には、米国の安全保障政策の最優先事項は如何に在野のテロ集団に対処するかであった。

しかし、イスラム国がシリア・イラクで弱体化するにつれ、その重点は国家主体、すなわち近年の北朝鮮を中心とするアジア・太平洋の安全保障情勢に注がれるようになった。しかし、イスラム国の領土支配喪失に伴って、米国はテロの脅威から開放されたといえるのだろうか。

未だ数万人規模で活動を続けるアルカイダ・イスラム国支持層

昨今、筆者は米国戦略国際問題研究所(CSIS)のテロ対策専門家、Seth G.Jones氏の論考を読んだ。それは今年7月28日に発表された“America’s Counterterrorism Gamble”と題する論考で、北朝鮮や中国など国家主体に焦点を当てた現在の安全保障政策に懸念を示し、テロの脅威への対処を呼びかけるものとなっている。

彼は元々はランド研究所で勤務していたが、どういうわけか最近CSISに移動したようだ。彼の論考を簡単に要約すると、「今日でも米国を標的とする聖戦的なイスラム過激派は各地で活動しており、米国へのテロの脅威は続いている。今テロ対策から離れることは、米国にとって軽率なことである」ということだ。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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