気候変動は国際安全保障に如何なる影響を与えるのか?

   

スポンサーリンク

昨今、酷暑と大雨・洪水が日本列島を悩ませている。筆者自身も岡山・倉敷の生まれだけに、今まで経験したことのない大規模な被害を地元が被っているのを見ると、心が痛む。しかし、このような異常気象、地球温暖化をグローバルな安全保障の観点から考えると、それは単に救援、復興というだけの話では収まらない。

安保理で議論される地球温暖化と平和の問題

気候変動の影響で縮小が続くチャド湖

気候変動の影響で縮小が続くチャド湖

国連の安全保障理事会は7月11日、地球温暖化が世界の安全と平和に及ぼす影響と対策を話し合う討論会を開催した。そこでは、ナイジェリア・チャド湖の枯渇とイスラム過激派組織ボコハラムの台頭、イラクの気温上昇と水資源の減少などが議論され、紛争やテロを防ぐために水資源の確保と農業技術の向上が喫緊の課題だという意見で参加国が一致した。

ナイジェリアのチャド湖では、地球温暖化によって湖が枯渇したことで水量が減少し、漁業で生計を立てていた漁師が職を失い、ボコハラムにリクルートされ戦闘員になるケースが見られた。またイラクのバグダッドでは、この20年で気温が1.5度上昇し、イスラム国(IS)が給水施設を破壊するなどしたことから、貴重な水資源が減少している。

今日において気温上昇と紛争・テロの関連性を具体的に示した研究成果はほぼ発表されていないが、筆者は気候変動はテロや紛争を引き起こす重要なリスク要因だと考えている。

スポンサーリンク
和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

1 2

 - アジア・世界ニュース