【連載】「一帯一路」の輪郭(2)変化する「一帯一路」、現在地とこれから(福島大・朱准教授)

   

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「一帯一路」とは何か。

陸と海における現代版シルクロードとも呼ばれるこの経済圏構想は、2014年11月、中国・習近平国家主席によって提唱され、今やユーラシア大陸にとどまらず世界各地に広がりを見せている。

世界のメディアや研究者らが注目し、様々な言説が飛び交う中、我々は「一帯一路」をどう捉え、そして向き合っていくべきなのか。本連載では各専門家への取材等を通じて、巨大プロジェクト「一帯一路」の様々な側面を切り取ることで、その輪郭・全体像を浮き彫りにしていく。

前回の記事

【連載】「一帯一路」の輪郭(1)歴史的背景と発想(福島大・朱准教授)

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変容する「一帯一路」という概念

(新たな航路の開拓が進む北極海 出典:https://pixabay.com)

 

2014年の提唱以降、「一帯一路」の概念はどのように変貌してきたのか。

結論として、概念としてより広がりを持ち、かつ抽象的になっていると言うべきだろう。

 

当初、「一帯一路」の英訳は「One Belt and One Road (OBOR)」だったが、今では「The Belt and Road Initiative (BRI)」が主流だ。

この呼称の変化は何を意味するのか。

「『One Belt and One Road』は、中国と西側(ヨーロッパ)を結ぶ陸と海の交易網」

当初、中国国内を含めほとんどの研究者はこのように捉えていた。

しかし最近では、東南アジア経由でアメリカに向かう物流、あるいは北極の開発など、これらも全て「一帯一路」に位置付けられている。

つまり、全てが西側に向かうわけではない、東、南、北へと向かう動きであり、1本の線では説明できない状況が生まれている(新たに生まれた物流ルートの数などについては、今後言及したい)。

また矢印の方向のみならず、インフラ投資・物流といった経済面のほか、文化交流を含むソフト面など分野別の拡大という側面も指摘すべき点だ。

今や「一帯一路」は、明確なルートを辿る1つの概念というより、一種の「イニシアティブ」として捉えるべきものへと変貌している。

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