ラマダン(断食月)におけるテロ事件の推移

   

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ただ今、ロシアでサッカーワールドカップが開催されている。6月25日現在、日本は1勝1分けと善戦しており、日本国内でも非常に盛り上がりを見せている。また今回のワールドカップではテロの脅威が強く懸念されているが、現在のところ幸いにもテロ事件は報告されていない。

そして、近年のテロ情勢で最も懸念されているイスラム教のラマダン(断食月)も今月15日に終わった。ラマダンの時期といえば、近年イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が関連するテロ事件が各国で相次ぎ、世界で大きな問題となっている。しかし、今年のラマダンではその開始あたりにインドネシアで複数のテロ事件があったものの、近年においては最もテロ事件が少なかったのではないかと筆者は感じている。

弱くなったIS中枢、依然として生き残るIS忠誠組織

SITEウェブサイト

そのような中、先週興味深い情報を入手した。それは、世界中のイスラム過激派の動向を監視する米国の組織「サイトインテリジェンス(SITE)」が、ラマダンにおけるISのテロ事件の推移を統計にしたもので、おそらく現時点で日本のメディアは扱っていないものだろう。

それによると、2018年のラマダンにおいて発生したIS関連のテロ事件は世界で251件確認され、2017年の519件からほぼ半減した。特にシリア・イラクにおけるIS中枢のテロ事件数は大幅に減少し、イラクでは2017年の314件から140件(うち自爆テロは36件から2件)、シリアでは140件から28件(うち自爆テロは21件から2件)と少なくなった。このことからは、領域支配を喪失したISの組織力も当然のように弱体化し、全盛期と比較して劇的に衰退したということができる。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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