国際テロ情報の収集・分析の重要性~邦人保護、企業の危機管理という視点から考える~

      2018/06/25

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長年、筆者は国際テロ情勢をウォッチングしてきた。現在は、学術と実務を両輪で結ぶため、学術的なテロ研究と実務的なテロ対策を横断的に取り組むことを仕事としている。それを仕事にし始めてから既に6年以上の月日が流れるが、その間にもイスラム国(IS)の台頭、ISの地域支部の台頭、ISというブランドの拡散、ISの領域支配の喪失など国際的なテロ情勢は流動的に変化してきた。そして、領域を支配するISがほぼ崩壊した今日においては、ISのテロ組織への回帰、アルカイダ勢力の動向など“ポストIS中枢の国際テロ情勢”に専門家の焦点は移っているように感じられる。

止むことのない暴力的過激主義とその支持者たち

SITEウェブサイト

当然のことながら、今後の国際テロ情勢がどう展開されていくかを予測することは簡単ではない。しかし、1つ言えることがある。それはISやアルカイダなどイスラム教という宗教を利用した暴力的な過激主義というものは、IS中枢の支配領域が崩壊したからといって終焉するものではなく、その暴力的過激主義とそれに染まる過激主義者は依然として世界各地に存在しているということだ。今日でも、例えばイスラム過激派の動向を監視する米国の組織「サイトインテリジェンス(SITE)」のホームページを見ても、IS系組織やその支持者による欧米やロシアなどを標的としたテロを呼び掛ける声明は毎日のように発信されている。よって、その脅威としての過激思想に世界各地のどのような組織や個人が染まっているかという動向を追っていくことは、邦人保護、また企業の危機管理という視点から人命を守るという意味で重要なことだろう。

では、具体的にどのような対策が有益なのか。もちろんその手段は多くあるだろうが、筆者としては情報の収集・分析の重要性を指摘したい。なぜなら、日本のテレビや新聞、外務省のホームページなどからは十分に得られない重要なインテリジェンスが多くあり、それらインテリジェンスを収集・分析することで各地のテロ情勢の行方をある程度予測することができるからだ。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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