新しい行政改革のキーワード『RPA』熊本県宇城市による挑戦

   

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RPA(Robotic Process Automation)とは、私たちのあらゆる作業を自動化してくれるIT技術ソフトウェアのことを指す。これを活用すれば、普段仕事で行う、メールの送受信や、データ入力といった、単調だが時間のかかる作業をすべてロボットに任せることができる画期的なものである。これを使えば、様々な業務が効率化される上に、人件費も抑えられるようになるという。

RPAで向上する地方自治体の業務の質

RPAを業務に導入した熊本県宇城市は、年間22,654時間(職員11.8人分)の作業時間の効率化ができるようになった。同市職員の天川竜治氏と中山健太氏は「この空いた時間で、これまでできなかった住民のためのより高い質のサービスや政策の策定などの時間が割けるようになった」とRPA導入が自治体サービスの向上につながると自信を見せていた。

こうした先進的な取り組みを宇城市が行っていることについて、天川氏は「これまでの行政改革は国の設計通りに行っていればよかった。しかし、これからの業務改革は、地方自治体から国に提案をしていかないといけない」という。安倍政権の下で、地方創生が叫ばれて4年になるが、地方の力で活性化させるためには、限られた人員がしっかり考え政策をつくることが重要となってくる。そうした中で、RPAは一つの解決策であると天川氏は主張する。

これまでの行政改革がもたらしたマンパワーの不足

熊本地震では宇城市も大きな被害を受けた

そもそも、これまでの地方自治体における行政改革は、一貫して「ムダの削減」に注力していた。全国の地方自治体は、社会福祉や人口減少などの直面する中で、それまで行われてきた行政のサービスを民間に委託し、人件費と設備費用の削減に努力をしてきた。それら一連の行政改革によって、地方自治体は、財政の面において一定程度の成果を得られた。

ところが、現在の地方自治体の多くは、限られた人材だけで普段の業務を回すだけで精いっぱいの状況に陥った。このような状況になると地方自治体は住民のためにより高度な政策を策定する余裕がなくなる。

同様の状況に陥っていた熊本県宇城市に大きな危機感を与えたのは、熊本県を襲った2016年の震災だ。日常業務に加えての災害復興業務への対応は、確実なマンパワーの不足を宇城市行政に実感させた。職員に取ったアンケート調査では、震災発生から1か月の間、昼夜問わず対応を問われた宇城市職員の内、約3割の職員が精神的不調や肉体的不調に苦しんだという。

これまでの行政改革は、確かに財政面で地方自治体を助けた部分はあったものの、いざというときに地方自治体の機能を麻痺させるほどに、あらゆる「ムダ」をそぎ落としていた。

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