新世代が近代マレーシアの父・マハティールを政治の表舞台に呼び戻す

      2018/05/21

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選挙戦勝利を喜ぶマハティール氏(中央) (出典:マハティール氏facebookより)

5月9日に投開票が行われたマレーシア連邦下院選において、92歳になったマハティール・モハマド氏率いる連合政党・希望連盟が、ナジブ・ラザク氏率いる与党連合・統一マレー国民組織 (UMNO)に勝利をした。現地のメディアでは、「新世代の津波」がマレーシア独立以降60年に及んだ与党連合の国民戦線の支配を終わらせた、と報じられた。

政権を打倒する強い目的意識の根源

ナジブ氏と彼の周囲については、政府系投資ファンド「1MDB」を通じた数百億円の絡む汚職事件が、国内で今もなお波紋を広げている。一部政府機関は、このファンドへの調査に乗り出し、その結果、ナジブ氏は窮地に立たされた。しかしながら、当のナジブ政権は、自ら行政改革と政府の透明性向上を推進する強い姿勢を示せなかった。今回勝利した野党連合・希望連盟側には、そのような汚職を撲滅し、ナジブ政府を打倒するという強い目的意識をアピールしていた。

新しい世代がマハティール派を支持

ナジブ政権をこれまで支持してきた人々は、政権から利益享受を得ていた一部の60歳以上の人々であった。ナジブ氏は、これらの一部の人々に利益が過大に集中するような政策を主導してきた。それに加えて、ここ数年のナジブ政権に関わる政治的混乱は、他のマレーシア人の中で政権に対する不信感を極限まで増大させた。特に50代以下の世代が共有した不信感こそが、今回の野党連合・希望連盟の勝利にとって最も重要な要因となった。実は、今回野党連合を率いたマハティール氏も、かつてはナジブ氏と同じ統一マレー国民組織に所属していたが、ナジブ政権の横暴を目にして離党した。そして、今回結果として、マハティール氏は、ナジブ政権に対抗する主要なグループのリーダーとなり、政権交代を成し遂げた。

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Putthida Kijdumnern
東北大学文学研究科博士課程(研究生)日本政府奨学金奨学生。中国、浙江大学公共管理学院修士課程修了(2017)。タイ、タマサット大学政治学部卒業(2015)。現在、東南アジアの華僑について文化と政治の観点から研究をしている。

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