南北、米朝首脳会談が迫る北朝鮮情勢 〜今後の考えられる4つのシナリオ〜 

      2018/04/30

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南北首脳会談が近づく4月21日、北朝鮮は核実験とICBM(大陸間弾道ミサイル)実験の停止、また北東部豊渓里にある核実験場を閉鎖することを発表した。これを受け、米国のトランプ大統領は世界にとって良いニュースで大きな前進だと評価するコメントを発表している。

しかし、日本や米国が求めるのは、検証可能で透明性のある、不可逆的かつ完全な非核化であり、それに言及していない北朝鮮との間では核心的なところで未だに溝があるのが現実だろう。今月下旬から南北首脳会談、そして史上初の米朝首脳会談が予定されている(同会談が本当に実施されるかは未だに未知数であるが)。このような中、北朝鮮を巡る情勢はどのように動いていくのだろうか。今週の論考では、現時点で考えられるシナリオをいくつか提示してみたい。

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   シナリオ1 北朝鮮が日米の求める非核化に応じる

このシナリオを望ましくないと思う人はいないだろう。仮に、南北首脳会談と米朝首脳会談を通じて、核・ミサイル実験の停止だけでなく、北朝鮮が日米の求めに十分に応じるならば、金正恩氏としては経済制裁を解除してもらうだけでなく、多額の支援を得られることになるだろう。金正恩氏が並進路線から脱却し、経済最優先の政策を採るならば、このシナリオは悪くはないのかも知れない。しかし、北朝鮮の背後には中国が存在する。米朝の政治的、経済的な接近が中国の関与なしに進むことは北京としては避けたいシナリオだ。また、核・ミサイル能力を保持したまま米朝首脳会談にまでこぎ着けた金正恩氏にとっては、核・ミサイル能力を簡単に手放すことはほぼないように感じられる。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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