190回通常国会 衆議院本会議 第16号-国会発言議事録

   

スポンサーリンク

第190回国会 本会議 第16号
平成二十八年三月十五日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  平成二十八年三月十五日
    午後一時開議
 第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(大島理森君) 日程第一、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長岸信夫君。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔岸信夫君登壇〕
○岸信夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案の主な内容は、
 第一に、ニウエに日本国大使館を、また、インドのベンガルールに日本国総領事館をそれぞれ新設すること、
 第二に、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額及び子女教育手当の支給額を改定すること
等であります。
 本案は、去る八日外務委員会に付託され、翌九日岸田外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。十一日、質疑を行い、討論の後、採決を行いました結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、地域再生法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣石破茂君。
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の地方創生をめぐる現状は、若者の雇用環境が改善する一方で、二〇〇六年から上昇傾向にあった合計特殊出生率が九年ぶりに低下に転じ、また、東京一極集中の傾向に歯どめがかからないなど、厳しい状況が続いております。
 このような状況を踏まえ、国においては、まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げられた基本目標や重要業績評価指標、KPIの達成に向けた進捗状況を検証し、政策パッケージ、個別施策の拡充を盛り込んだ、まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一五改訂版を昨年末に閣議決定したところであります。
 地方公共団体においては、地域の実情に応じて地方創生に取り組むための地方版総合戦略の策定が進められており、今後、これに基づく地方創生事業が本格的に実施されていくことになります。
 この法律案は、そのような地方公共団体の自主的、主体的な事業で先導的なものを支援する地方創生推進交付金の交付や、地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対する企業の寄附を促進する地方創生応援税制、中高年齢者が希望に応じて地方や町中に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクティブな生活を送りつつ、必要に応じて医療、介護を受けることのできるコミュニティーづくりを目指す生涯活躍のまち推進のための措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、認定地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置として、次の措置を追加することといたしております。
 第一に、認定地域再生計画に記載されている事業で地方版総合戦略に位置づけられた先導的なものに対して交付するまち・ひと・しごと創生交付金の規定を追加することといたしております。
 第二に、認定地方公共団体に対してまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附をした法人に対する課税の特例を追加することとしております。
 第三に、生涯活躍のまち形成事業計画の作成及びこれに基づく介護保険の事業者の指定等の手続の特例等を追加することとしております。
 また、地域再生の担い手となる地域再生推進法人の指定の際に求められる政令で定める要件を削除することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、地域再生法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに成立いたしますようお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。宮崎岳志君。
    〔宮崎岳志君登壇〕
○宮崎岳志君 冬の寒さ残る上州群馬より上ってまいりました宮崎岳志でございます。
 私は、民主・維新・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました地域再生法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 冒頭、一言申し上げます。
 甘利明前大臣は、昨日で一カ月間の自宅療養を終えられたと存じます。甘利大臣、いらっしゃっていますでしょうか。ちょっと目が悪くてよく見えませんけれども、一部の報道によれば、甘利大臣は、議員宿舎で足腰のトレーニングに励んでいらっしゃるということであります。睡眠障害から回復された以上、速やかに国会における証人喚問に応じ、金銭授受に関する疑惑をみずから晴らされることを求めます。
 安倍総理は、本年一月の施政方針演説の冒頭で、幕末の勘定奉行、小栗上野介忠順の言葉を引用されました。
  一言以て 国を亡ぼすべきもの ありや、
  どうかなろう と云う一言、これなり
  幕府が滅亡したるは この一言なり
 我がふるさと群馬の偉人、小栗上野介忠順の言葉を引用していただいたことには感謝を申し上げます。
 一方で、小栗が薩摩、長州を中心とする新政府軍に反逆の罪をでっち上げられ、裁判どころか取り調べすらないまま惨殺されたことも、長州人たる安倍総理には思い起こしていただきたいのであります。
 物事には多面的な見方があります。長州の見方もあれば、上州の見方もあるのであります。その違いを認めることこそ、地方創生の本質であります。
 その小栗忠順は、現代につながる中央集権制の事実上の立案者だったと言われております。郡県制を提唱したのも小栗上野介だということであります。
 地方創生には小栗以来百五十年の中央集権制の大転換が必要であります。しかし、安倍政権の掲げる地方創生は、小手先の小細工に終始しております。
 地域主権改革は、我が党の綱領にも記された党是であります。安心してください。民進党の綱領案にも入っていますよ。
 我々は、地方創生の理念には共感しつつも、今回の法案については厳しくチェックをさせていただきます。
 まず、廃止された一括交付金について伺います。
 かつて、民主党政権は、地域の自主性を尊重するため、各府省のひもつき補助金を統合し、自治体が自由に配分できる一括交付金を創設しました。都道府県へのアンケートでも、約八割が評価すると回答されておりました。
 しかし、安倍政権は、発足するや否や、これを廃止し、旧態依然、古色蒼然たるひもつき補助金に戻してしまいました。坊主憎けりゃけさまで憎いということでしょうか。
 石破地方創生大臣は、以前、手続が煩雑で使い勝手が悪かったためだというふうに答弁をしておりますが、煩雑だったのは手続ではなく、補助金に群がる業界や団体の利害調整だったんじゃないですか。
 一括交付金を廃止し、ひもつき補助金に戻した理由を改めて伺います。
 新型交付金の地方創生推進交付金について伺います。
 安倍政権は、旧来の補助金を温存したまま、制度のすき間を新型交付金で埋めようとしております。しかし、それは小手先の対症療法であり、総額も一千億円にすぎません。民主党政権下の一括交付金が弊害の根本的除去を目指した外科手術であれば、新型交付金は傷口に張りつけるばんそうこうにすぎないのであります。
 しかも、自治体の計画を国が審査する上から目線の仕組みで、煩雑さ、使い勝手の悪さは一括交付金を上回るものであります。昨年八月、通信社が行ったアンケートにおいても、全国の知事の半分以上が評価できないというふうに回答をしております。
 石破大臣、新型交付金の総額は十分確保されたと思われますか。煩雑で使い勝手が悪くないですか。地方の自由にさせるという気はないんでしょうか。お答えをいただきます。
 新型交付金の補助率は二分の一であり、残りは地方交付税で措置することとされております。しかし、複雑怪奇な地方交付税制度こそが、地方から自主性を奪ってきた元凶ではないでしょうか。
 私は、新聞記者時代、ある市の職員から、地方交付税制度は余りに複雑で、その全体像をわかる人は市役所にも県庁にも一人もおりませんと聞かされたことがあります。
 先日、元総務大臣の片山善博さんにその点をお尋ねしました。すると、片山さんは、私にも全部はわかりません、誰にもわからないんじゃないでしょうかというふうにお答えになったのです。旧自治省の官僚であり、県庁職員、鳥取県知事、総務大臣まで歴任をされた片山さんすら全体像をつかめないような複雑怪奇、奇妙きてれつな仕組みであります。
 その年度に来るお金もあれば、地方債を二十年、十五年かけて償還する際におりてくるお金もあります。時々の財政状況でも変動します。最終的に幾ら来るのか、さっぱりわからないのであります。
 自治体が事業を行うに当たり、実際のコストも費用対効果も算定できないようなものでは、無駄な事業が行われるのは当然であります。まさに全自動無駄製造機であります。
 地方交付税を簡素化し、事業とのひもづけを廃止することこそ地域主権の第一歩です。石破大臣、そして地方交付税を所管する高市総務大臣、交付税制度に切り込む覚悟はありますでしょうか。
 そもそも、全国の地方交付税の総額は最初からほぼ決まっているものであります。どこかがふえれば、どこかが減らされているんです。交付税措置を地方から見れば、自分たちの財布から黙って抜き取られたお金でプレゼントをもらっているようなものではありませんか。
 高市総務大臣、新型交付金の半額を交付税措置するための財源はどこから持ってくるんでしょうか。
 地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税についてお伺いをいたします。
 企業が好きな自治体に寄附をすれば、寄附金額の三割相当額を税額控除され、既存の制度と合わせ、寄附額の六割分の税が軽減されるといいます。寄附を受ける自治体にとってはありがたい話ですが、一方で税収を失う自治体も出てくることは見逃せません。
 今回の仕組みでは、石破大臣の地元鳥取県や私の地元群馬県の小さな町村から首都圏の自治体に税収が移転することも起こり得ます。地方の財政力の弱い自治体にとっては、まさに村の存亡にかかわる一大事であります。
 石破大臣、この減収分はどうやって補填するんでしょうか。それとも放っておくんでしょうか。
 個人版ふるさと納税では、返礼品をめぐる競争が過熱をしております。返礼品リストには今も、焼酎一升瓶三百六十五本、豪華客船で行くにっぽん南国めぐりと韓国八日間の旅、最高級デジタル一眼レフカメラ、和牛一頭分、マグロ丸ごと、観光フェリー貸し切りなど、驚くべき品々が並んでおります。
 個人ですらこれでは、営利を目的とする企業が、寄附をした地方自治体に便宜供与を求めるおそれも高いと言わざるを得ません。
 経済的利益を伴う寄附は今回の制度の対象外とされておりますが、水面下で補助金や税制上の優遇などの便宜を図ることは十分予想されます。また、企業側から自治体に、工場への接続道路を建設してくれとか、社長を名誉村民にしてくれとか、市立大学の名誉博士号をくれとか、そういう要求があるかもしれません。
 石破大臣、これらの便宜供与をどうやって防ぎますか。それとも認めるのでしょうか。
 また、原子力発電所の立地自治体に対し、電力会社等が地元対策として多額の寄附を行ってきたことは広く知られております。
 石破大臣、企業版ふるさと納税制度を活用すれば、これらの寄附も税額控除の対象になり、電力会社が納める税金は軽減されるということでよろしいんですね。
 政府関係機関の地方移転について伺います。
 地方から寄せられた移転要望の多くが却下をされました。その理由を見ると、東京駅から遠くなる、交通が不便、霞が関から遠い、都内には大学が百三十九校あるが群馬には十三校しかないなど、やる気ゼロの理由が並んでおります。東京駅から近ければ地方じゃないんですよ。だったら最初から移転とか言うなとどなりつけたくなるのであります。
 わざわざ地方に提案を求めながら、因縁をつけて追い返すなど、まるでブラック企業の圧迫面接じゃありませんか。中には、移転要望を出したら所管する役所から叱られましたという自治体職員までいるんです。
 地方移転の前半戦である研究・研修機関について、政府は一部移転を含めて五十一件を実行する方針だといいますが、その中身はすかすかの張りぼてであります。
 例えば、全面移転とされた酒類総合研究所東京事務所は、二年前、安倍政権の行政法人改革で廃止等の抜本的見直しが決まっており、廃止されるはずの組織を、移転を口実に温存しただけであります。
 移転先に拠点が設置されるケースすら少なく、大半は連携、共同研究、研修や合宿の実施。これは移転ではありません。移転だと言い張るような人は、国語の勉強からやり直されたらいかがでしょうか。
 五十一件の移転で、地方拠点に配置される常勤職員は、せいぜい合わせて五十人程度とも予想されております。羊頭狗肉、看板倒れ、大山鳴動してネズミ一匹、こんな地方をばかにした話はありません。
 石破大臣、今回の移転で、地方には新たに常勤職員が何人配置されるのでしょうか。
 中央省庁の移転には、さらに大きな抵抗が予想されます。早い段階から、文化庁と消費者庁を除いて移転は困難との報道がされており、はなからまともな検討をしているようには思えません。ただ、馳浩文科大臣や河野太郎行革大臣という個人の個性的なキャラクターを際立たせて話題づくりをしているようにしか見えません。政府全体の決意はどこに見えるんでしょうか。
 石破大臣、政府は月内に、移転する省庁名の具体名を盛り込んだ基本方針を明らかにするとしていますが、中身のあるものが本当に出せるのでしょうか。馳文科大臣、河野大臣、ふたをあけたら骨抜きということはないですよね。
 生涯活躍のまち制度、日本版CCRCについてお聞きします。
 日本版CCRC構想は、元気な高齢者の地方移転を促進し、健康でアクティブな生活を送りつつ、必要に応じて医療、介護を受けられる生涯活躍のまちを全国各地につくろうというものであります。
 私の住む前橋市も、前橋版CCRC構想を打ち出しておりますが、それら全国各地の自治体が、活性化や人口減対策の切り札として期待をしております。
 一方、今法案に盛り込まれた地方にとってのメリットは手続の簡素化のみであり、新型交付金を利用しやすいということを踏まえても、具体性は感じられません。
 石破大臣、生涯活躍のまち普及に向けて、ほかに何をされるんでしょうか。
 最後に申し上げます。
 冒頭申し上げました小栗上野介の言葉、一言もって国を滅ぼすものありやは、実は小栗一流のパロディーであり、元ネタは論語にあります。そこでは、孔子と魯の定公が会話をしております。魯の定公は、一言にして国を滅ぼすもの、これありやと孔子に問いかけるわけでありますが、孔子はそれに答えてこう言います。私の言葉に誰も逆らわないのが楽しいという言葉があります、もし君主が間違ったことを言っても逆らう者がなければ、これこそ一言で国を滅ぼす言葉であります。
 もし、安倍政権が、イエスマンばかりを集め、逆らう者を許さず、正当な批判に耳を傾けないならば、地方創生の失敗のみならず、国の滅亡をも招くことになりましょう。
 安倍総理と石破大臣以下閣僚諸君が、この孔子の言葉を胸に刻み、耳ざわりな意見も虚心坦懐に聞き入れ、耳に痛い批判も反省材料として生かされることを期待いたします。
 与党の皆様の絶大なる不規則発言に感謝を申し上げ、そして、民進党を真の国民政党として育て上げることをお約束申し上げまして、私の質問を終わります。
 皆様、ありがとうございました。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 宮崎議員から九問頂戴をいたしました。
 まず、一括交付金を廃止し、議員のお言葉を使えば、ひもつき補助金に戻した理由についてのお尋ねを頂戴したものであります。
 民主党政権時代に、地域の自主的な選択に基づく事業の実施を目指し、各省庁の投資補助金等の一部を一括化し、都道府県、指定都市を対象とする地域自主戦略交付金を創設したものと承知をしております。
 これにつきましては、運用される中で、対象事業が従来の補助金に限定されていること、事業規模の年度間の変動や地域間の偏在を考慮すると交付対象を一般市町村に拡大することが困難であったこと、手続の煩雑さといったさまざまな問題点がアンケート等を通じて地方公共団体から指摘されておりましたことから、平成二十五年度に廃止をし、各省庁の交付金等に移行いたしたものであります。
 その際、地方からの御意見も踏まえ、移行先の各省庁において、事業別に細分化されていた整備計画をより大きな政策目的別にまとめることや、事務手続を簡素化するなどの運用改善を行ったところであります。
 このように、地方の御意見を踏まえ、真に地方にとって効果が高く、使い勝手のよい施策の仕組みづくりを推進することが重要である、かように考えておる次第であります。
 地方創生推進交付金についてであります。
 本交付金は、地方からの御要望を踏まえ、平成二十八年度予算編成プロセスにおいて、関係府省の協力を得て、新たに国費一千億円、事業費ベース二千億円規模の予算を確保したものであります。
 地方六団体からも、昨年十二月二十四日、「地方が強い決意と覚悟を持って地方創生をスタートできる額が確保されたことを評価する。」との共同声明が発出されており、十分な予算額が確保されたと考えております。
 また、この交付金は、成果目標を達成するために、効果の高い事業を対象とするものではありますが、地方創生全般の中でどの分野に重点を置くかといった選択や、どのような手法で実施するかといった事業構築を、地方公共団体の自主性、主体性に委ねている点で、使い勝手のよい仕組みとなっております。
 これにより、地方版総合戦略に基づく地方公共団体の自主的、主体的で先導的な取り組みを支援し、目に見える地方創生を推進いたしてまいります。
 地方創生推進交付金の地方負担分について、地方交付税措置についてのお尋ねをいただきました。
 交付税制度全体につきましては、所管外でありますのでお答えは差し控えます。所管の地方創生交付金についてお答えをさせていただきます。
 本交付金の地方負担分につきましては、地方公共団体における地方創生の取り組みを着実に推進していくため、適切に地方財政措置を講ずることとしております。
 なお、地方創生推進交付金の交付対象事業には、全てKPI、キー・パフォーマンス・インディケーターの設定とPDCAサイクルの整備を求めることといたしており、対象事業の効果検証の仕組みは備わっておるものであります。
 続いて、地方創生応援税制による減収についてのお尋ねをいただきました。
 地方創生応援税制は、地方交付税の不交付団体である東京都、三大都市圏の既成市街地などに所在する不交付団体である市区町村を対象外とするなど、主として財政力が弱く人口減少が著しい地方公共団体を支援することを狙いといたしております。
 全国の地方公共団体が本制度を活用することにより、財政力の弱い地方圏の小規模団体について税収が減ることも起こり得ますが、企業の本社は大都市に集中して立地しておりますことから、主として大都市圏における減収が大きくなることと想定をいたしております。
 本税制による控除額は、法人住民税及び法人事業税の税額の二割を限度としており、また、減収額は地方交付税の基準財政収入額に反映されますことから、交付税の交付団体にあっては、自団体に所在する企業がほかの地方公共団体の地方創生事業に寄附をしたとしても大きな減収にならないよう措置をいたしておるものであります。
 続いて、地方創生応援税制の見返りについてのお尋ねがございました。
 地方創生応援税制は、志のある企業に寄附という形で地方創生プロジェクトを応援していただくための措置でありますので、企業が寄附の見返りを要求するという認識には立っておりませんが、お尋ねの補助金や税制上の優遇などの便宜、自社工場への接続道路の建設などにつきましては、企業に対する経済的な利益と考えられ、こうした寄附の代償として経済的な利益を供与する行為は不適切と考えておりますので、内閣府令においてこうした行為を禁ずる規定を置くことといたしております。
 また、寄附をした企業の社長に対し、名誉村民の身分や市立大学の名誉博士号を授与するといったことにつきましては、寄附の代償として経済的利益の供与を伴わないものであれば、当該地方公共団体の判断に委ねていいのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、各地方公共団体におきましては、寄附に対する見返りではなく、地方創生プロジェクトそのものを、企業に寄附していただけるような魅力ある内容にすることについて努力をしていただき、競い合っていただきたいと考えておるものでございます。
 続いて、原発立地自治体への寄附についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 地方創生応援税制は、地方版総合戦略に位置づけられた事業であって、地方公共団体が雇用の創出、移住、結婚、出産、子育て支援などを目指して行う事業を対象とするものであります。その地方版総合戦略の策定に当たっては、産官学金労言や地方議会で十分な御議論を経て施策が盛り込まれるものと認識をいたしております。
 したがいまして、御指摘のような、電力会社などが従来から地元対策として行ってきた寄附による事業は、おのずと地方版総合戦略にはのってこないものと考えておる次第でございます。
 続いて、研究・研修機関の地方移転についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 政府関係機関の地方移転の取り組みは、地方の自主的な創意工夫を前提に、それぞれの地域資源や産業事情等を踏まえ、地方における仕事と人の好循環の促進を目的とするものであります。
 これまで、政府関係機関の地方移転について、有識者の御意見を伺いながら検討を進めてきたところでありますが、有識者の方からは、研究機関については、今回の取り組みで機械的に何人移動するかということのみならず、地方創生の観点からは地域イノベーションの波及効果が重要であるとの御意見をいただいておるところであります。
 現在、こうした有識者の御意見も踏まえつつ、提案道府県、関係府省庁との間で移転の具体的な内容について検討、調整を行っておるところでありますため、現時点において、その規模についてお答えをすることは困難であります。
 今月中に政府関係機関移転基本方針を決定し、冒頭申し上げたように、仕事と人の好循環の促進のための取り組みの具体化を進めてまいるものであります。
 続きまして、中央省庁の地方移転についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 政府関係機関の地方移転につきましては、有識者会議において御意見を承りながら、公平性、透明性のあるプロセスのもとで検討を行っておるものであります。
 このうち、中央省庁につきましては、危機管理業務、外交関係業務、国会対応業務については十分な配慮が必要である一方、地方を対象とする施策、事業の執行業務やそれと密接に関係する企画立案業務は現場に近いところで実施されることが効果的、効率的であるとの考え方について、有識者の御理解をいただいておるところであります。
 馳大臣、河野大臣のお名前を挙げられましたが、担当大臣は、高い知見と見識に基づき検討を進めているものと認識をいたしております。それぞれの分野に通暁した大臣であります。したがいまして、話題づくりとの御指摘は全く当たりません。
 国と地方の双方にとってよい結論に導いていけるよう、有識者の御意見を踏まえ、担当大臣と連携し、速やかに検討を進め、今月中に、まち・ひと・しごと創生本部において政府関係機関移転基本方針を決定いたします。
 生涯活躍のまちについてのお尋ねを頂戴いたしました。
 生涯活躍のまち構想は、中高年齢者が希望に応じて地方や町中に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクティブ、活動的な生活を送り、必要な医療、介護を受けることができるコミュニティーづくりを目指す新しい取り組みであり、それぞれの地方公共団体において、創意工夫により、生涯活躍のまちの具体化を図っていただきたいと考えております。
 こうした地方公共団体の取り組みを支援いたしますため、今般の改正法案において、地方公共団体が策定する地域再生計画に生涯活躍のまち形成事業を位置づけた上で、事業者による手続の簡素化を行うことといたしております。
 これとあわせて、政府といたしましては、財政支援として、先駆的な取り組みに対する地方創生推進交付金を用意しておりますほか、情報支援として、「「生涯活躍のまち」構想に関する手引き」を昨年十二月に作成し、お示しいたすとともに、人的支援として、関係府省から成ります生涯活躍のまち形成支援チームを三月十一日に発足させ、事業の普及、横展開を図るため、事業の具体化に向けた取り組みを支援する体制を整備したところであります。
 今後、このようなさまざまな取り組みを通じ、地方公共団体の構想の実現に向けて支援をいたしてまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 宮崎岳志議員からは、まず、地方交付税についてお尋ねがございました。
 地方団体の実際の事業量に応じた交付税措置につきましては、地方団体の自主的、主体的な財政運営を図る観点から、これまで順次廃止、縮減を行っており、喫緊の政策課題に対するもの等に限定をしております。
 また、国の基準づけが弱い行政分野の経費につきましては、人口と面積を基本とした簡素な算定方式を導入するなど、簡素化に取り組んできております。
 今後とも、引き続き、地方交付税の機能を適切に働かせることにより、地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に算定を行ってまいります。
 次に、新型交付金の地方財政措置についてお尋ねがありました。
 地方財政計画は、国として地方団体が標準的な行政水準を確保できるよう地方財源を保障すること、国の予算に計上された施策や事業を盛り込んで、これらが着実に実施できるようにしていることなどの役割を持つものでございます。
 このような地方財政計画の役割のもと、地方財政計画の歳出において、国の一般歳出の計上の動向などを適切に反映させ、その上で所要の一般財源総額を確保することとしています。
 地方創生推進交付金の地方負担につきましても、所要額を地方財政計画に計上し、適切に財源を確保しています。
 これらも踏まえまして、平成二十八年度地方財政対策においても、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保したものであり、地方が自由に使える一般財源総額をしっかり確保できたものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣馳浩君登壇〕
○国務大臣(馳浩君) 宮崎議員から、文化庁の地方移転についてお尋ねがありました。
 今月中を予定している基本方針の決定に向けて、文化庁の移転については、現在、政府において最終的な検討を行っているところです。
 具体的には、まず、京都への移転が国全体の文化行政にどのようなよい効果を生み出すことができるか、京都側が我が国の文化行政にどのような貢献をしていただけるのか、地方創生の観点から、文化庁の機能強化や果たすべき役割はどういうものかについて議論しております。
 また、議院内閣制のもとでの国会に対する説明責任や、法案の準備、予算折衝、各国大使館との連携、文化芸術団体との日ごろの連携等の機能を果たすのに必要な、東京に残しておくべき機能は何かということも検討しているところであります。
 文化庁の京都移転は、これらの総合的な観点から判断する必要があると考えております。(拍手)
    〔国務大臣河野太郎君登壇〕
○国務大臣(河野太郎君) 宮崎岳志議員にお答えいたします。
 消費者庁の徳島県への移転提案に係る検討についてお尋ねがありました。
 消費者庁の徳島県への移転の提案については、その課題の検証を行うため、おとといから十七日まで、消費者庁長官を含む職員十名が徳島県において試行的に滞在して業務を行い、課題を確認しているところです。
 試行的な滞在の報告は改めて受ける予定ですが、消費者庁長官や職員には、最終日十七日までしっかりと試行をやってもらいたいと考えています。
 その上で、夏には第二弾として、もう少し大規模、長目の試行を実施したいと考えています。
 今回の試行も含めたさまざまな試行を行いながら、消費者庁の機能の確保や向上が図れるかといった観点から、どのような課題があるか、また、課題をどうクリアできるかについて検証してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 中川康洋君。
    〔中川康洋君登壇〕
○中川康洋君 公明党の中川康洋でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、関係大臣に質問いたします。(拍手)
 先般公表されました二〇一五年国勢調査の速報値によれば、日本が人口減少社会に突入したことが事実として明らかになりました。一方で、そうした状況にあっても、東京圏の人口は五年間で約五十万人ふえており、いまだ東京一極集中の流れがとまっていないことも明確になりました。
 人口減少社会にいかに立ち向かっていくのか、これは、国と地方が一体となって取り組むべき政治の最重要課題です。
 一昨年十二月に閣議決定したまち・ひと・しごと創生長期ビジョンにあるとおり、人口減少問題の克服、具体的には、人口減少の歯どめ及び東京一極集中の是正に向けた取り組みは待ったなしです。
 冒頭、今般の速報値の結果に対する受けとめ、そして、地方創生に対する決意について、石破地方創生担当大臣に伺います。
 安倍総理は、一昨年の地方創生への取り組みに続き、昨年秋には一億総活躍社会の実現を掲げられました。
 公明党は、家庭で、職場で、そして地域で、一人一人が輝き、活躍、自己実現できる社会をつくる、それが一億総活躍社会の実現であると捉えています。
 であるならば、地方創生の流れと一億総活躍社会の実現とは、そのアプローチの仕方は違えども、本来目指すべき政策の目標、目的は、同じところに行き着くのではないかと私は考えます。
 特に、我が国の構造的な問題である少子高齢化の流れに歯どめをかけるためにも、両者は本来ばらばらに存在しているのではなく、お互いがそれぞれのよさを発揮しながら、密接不可分の関係として有機的に機能していくことが重要であると考えます。
 地域ごとの特性に応じた自治体の主体的な取り組みを支援するための地方創生を担当する石破大臣、そして、一億総活躍社会を担当する加藤担当大臣が、それぞれの持ち場で最大限の成果が発揮されるよう期待いたしますが、この両者の役割のあり方と関係性についてどのようにお考えか、石破、加藤両大臣の答弁を求めます。
 特に、この地方創生の推進に当たっては、交付金活用の対象事業の一つとして、自治体自身が既存事業の隘路を発見し、それを打開するための取り組みが示されております。
 一億総活躍社会が掲げる希望出生率一・八など新三本の矢が、これら各自治体が展開する既存事業の隘路打開のための取り組みに対して、具体的にどのような効果を及ぼしていくとお考えか、石破大臣の御所見を伺います。
 まち・ひと・しごと創生交付金について伺います。
 政府は、平成二十七年度補正予算において地方創生加速化交付金を、また、平成二十八年度予算案において地方創生推進交付金を、それぞれ一千億円計上いたしました。この交付金については、かねてより我が党も、その実現と額の確保を強く求めてきたところであり、今般の制度化も含め、高く評価いたします。地方六団体からも、地方が強い決意と覚悟を持って地方創生をスタートできる額が確保されたと高い評価が示されております。
 そこで、今後大事になってくるのは、この交付金が今後も、地方が安心して事業展開が図られるような安定的、継続的な交付金となり得るかどうかということであります。
 今般、これら交付金が、まち・ひと・しごと創生交付金として法律上制度化されますが、今後も地方が地方創生の計画を安心して立案し、今後の事業の予見可能性を立てやすくするためにも、少なくとも、まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一五の計画期間である平成三十一年度までの予算規模について、明確な額ないしはボリュームを明示すべきではないかと考えます。石破大臣の明快な答弁を求めます。
 一方で、まち・ひと・しごと創生事業費については、平成二十七年度地方財政計画に続き、平成二十八年度でも同じ一兆円が確保されたことは、公明党として高く評価したいと思います。
 その上で、この創生事業費については、地方六団体からの要望にもあるとおり、今後も地方創生の実現に向け、地方が息の長い取り組みを継続的かつ主体的に進めていくため、引き続き同程度の財源が確保されるべきであると考えますが、いかがでしょうか。高市総務大臣の御答弁を願います。
 また、地方創生推進交付金は、国費二分の一で、残り二分の一を地方に負担を求めていますが、この点、具体的にどのように措置されようと考えているのか、石破大臣の答弁を求めます。
 次に、地方創生応援税制について伺います。
 いわゆる企業版ふるさと納税は、地方自治体が行う地方創生プロジェクトに対する企業の寄附に対して税制上の優遇措置を講ずるものですが、これは、地方創生のための自治体の取り組みを寄附によって支援したいという志のある企業があって初めてこの制度の趣旨が生きてくるものです。よって、制度の意義、目的について、国、地方を挙げて積極的に企業にPRしていくことが重要です。
 特に、企業から見て、同制度の活用が、CSR、企業の社会的責任を社会にアピールできることなどの効果があるという視点は、実効ある制度としていく上で重要なファクターになってくるのではないでしょうか。石破大臣の見解を伺います。
 最後に、生涯活躍のまち構想について伺います。
 今回の地域再生法改正の目玉の一つが、この生涯活躍のまちの制度化であることは間違いありません。しかし、その改正内容を見ると、例えば職業安定法、老人福祉法、介護保険法など、関係する法律の事務手続の緩和措置にとどまっております。
 中高年齢者の移住促進など、地方自治体における生涯活躍のまち制度の導入を促進するには、実施の効果を見つつ、そのインセンティブとなる税制上の特例措置や財政上の特例措置を追加していくなど、さらなる制度の拡充を検討していくべきであると考えます。石破大臣の答弁を求めます。
 地方への新しい人の流れをつくる生涯活躍のまちの推進に当たっては、高齢者が重度な要介護状態になっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包括的に確保される体制である地域包括ケアシステムとの関係が重要となってきます。
 この両者の関係については、生涯活躍のまち構想最終報告でも、両者は対立矛盾するものではなく、むしろ連携し相乗効果を高めることが望ましいとしており、生涯活躍のまちの基本コンセプトとしても、地域包括ケアとの連携が掲げられております。
 政府として、地域包括ケアシステムにおける生涯活躍のまちの位置づけをどのように考え、両者の連携を具体的にどう図っていくのか、塩崎厚生労働大臣の答弁を求めます。
 いよいよ地方創生は、本年、事業推進への本格的段階に入りました。地方創生の成否が問われる重要な局面であります。
 私ども公明党は、党是である常に現場を大切にする姿勢と党のネットワークを最大限活用しながら、今後も、人が生きる地方創生の実現に向け、果敢に挑戦していくことをお約束申し上げ、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 中川議員より七問いただきました。
 まず、二〇一五年国勢調査の速報値の受けとめと、地方創生に対する決意についてであります。
 今般公表されました平成二十七年国勢調査人口速報集計結果では、我が国の人口は、前回の平成二十二年調査から約九十五万人減少し、大正九年の調査開始以来初めての減少となりました。
 また、多くの地域で人口は減少いたします一方において、一都三県の人口は五十万人以上増加しており、日本全体の人口減少と東京圏への一極集中の傾向が顕著にあらわれたものと認識をいたしております。
 このまままいりますと、西暦二一〇〇年には日本人は半分以下になるのでありまして、二百年後には日本人は十分の一になるのでありまして、三百年後には三十分の一になるというふうにも予測をされておるところであります。
 東京圏への人口流出に歯どめをかけますため、現在御審議をいただいております地域再生法改正案に、地方の自主的、先駆的な取り組みを支援する地方創生推進交付金、地方創生プロジェクトに対する企業の寄附を促進する地方創生応援税制、高齢者が多世代と交流しながら活躍できる生涯活躍のまち推進のための措置を盛り込んでおります。
 知恵は現場にこそある、力の逐次投入ではなく総力で臨む、なぜできないかを述べるのではなく、どうすればできるのかを考え実行する、そのような思いのもと、地方創生の深化に引き続いて取り組んでまいります。
 一億総活躍担当大臣との役割分担についてでありますが、総理が表明されておりますとおり、我が国の構造的な問題である少子高齢化に真っ正面から挑み、強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障の新三本の矢の実現を目的とする、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現は、安倍内閣における大きな目標であります。
 地方は少子高齢化や過疎化の最前線であり、地方創生は、一億総活躍の目標実現において最も緊急度が高い取り組みの一つであると認識をいたしておるところであります。
 このため、地方創生担当大臣として、加藤一億担当大臣と緊密に連携をとりながら、地方創生に向けた取り組みを推進してまいりますことにより、一億総活躍社会の実現に取り組んでまいります。
 地方公共団体の隘路打開の取り組みについてであります。
 希望を生み出す強い経済、希望出生率一・八の実現などの子育て支援、そして安心につながる社会保障の新三本の矢によります、一億総活躍社会実現に向けた取り組みが全国的に効果を及ぼしてまいりますためには、国における取り組みとともに、地方公共団体における取り組みが重要であると考えております。
 そのため、各地方公共団体が、一億総活躍社会実現に向けた各種の政策実現に向けて、先駆的な取り組みや既存事業の隘路を打開する取り組みを行います場合には、地方創生の交付金におきましても積極的にこれを支援いたしてまいります。
 交付金の予算規模についてでありますが、地方創生の取り組みを推進していきますためには、国としても、地方公共団体によるそれぞれの地方版総合戦略に基づく取り組みを安定的、継続的に支援していくことが重要であると考えております。
 御指摘の地方創生の交付金は、平成二十八年度の当初予算で初めて計上されるものでありまして、安定的な制度といたしますため、地域再生法に基づく交付金として位置づけたいと考えております。
 今後、本法律改正案の国会での御審議を経て成立をさせていただきました後に、地方公共団体からの申請を受け付けてまいります。
 平成二十九年度以降の具体的な予算につきましては、今後の予算編成過程で議論いたしてまいりますが、地方公共団体の取り組み状況等を踏まえ、地方創生の取り組みが安定的、継続的に推進してまいりますよう、議員の御指摘も踏まえて、前向きに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
 地方創生推進交付金の地方負担分についてであります。
 地方創生推進交付金の地方負担につきましては、まち・ひと・しごと創生事業費とは別に、適切に地方財政措置を講ずることといたしております。
 具体的には、ソフト事業につきましては地方交付税措置を、ハード事業につきましては地方債措置を講ずることとし、交付金の地方負担分について適切に対応いたしてまいります。
 続きまして、地方創生応援税制についてのお尋ねでありました。
 地方創生は、人口減少に歯どめをかける国家的な取り組みであり、国、地方公共団体はもちろん、企業にも大きな期待が寄せられておるところであります。
 企業が地方創生の取り組みに対し資金面で支援をすることは、議員御指摘の、企業の社会的責任、すなわちCSR、コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティーを果たしていることをアピールするという面で、企業にとって大きなメリットがあると考えておるところであります。
 担当大臣として私も、経済界との意見交換や地方出張などさまざまな機会を通じまして、本制度の周知に努めておるところであります。本税制の仕組みやメリットをわかりやすく解説したポスター、ホームページ等を作成するなどいたしまして、本税制のPRを積極的に行い、本税制が積極的に活用されるよう努めてまいります。
 引き続きまして、公明党の皆様方の御教示を賜りたいと存じております。
 生涯活躍のまちについてのお尋ねでありました。
 宮崎議員にもお答えをいたしましたが、生涯活躍のまち構想は、中高年齢者が希望に応じて地方や町中に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクティブな生活を送り、必要な医療、介護を受けることができるコミュニティーづくりを目指す新しい取り組みであります。それぞれの地方公共団体において、創意工夫により、生涯活躍のまちの具体化を図っていただきたいと考えております。
 こうした地方公共団体の取り組みを支援いたしますため、今般の改正法案におきまして、地方公共団体が策定する地域再生計画に生涯活躍のまち形成事業を位置づけました上で、事業者による手続の簡素化を行うことといたしております。
 これとあわせまして、政府といたしましては、手引の作成などの情報支援、関係府省から成ります生涯活躍のまち形成支援チームによる人的支援、既存の税制、財政上の措置に加え、地方創生推進交付金によります先駆的な取り組みに対する財政支援などの支援を行うことといたしております。
 制度の拡充を含めたさらなる支援策につきましては、構想の具体化の過程で、生涯活躍のまち形成支援チーム等の場におきまして課題や隘路を明らかにし、関係省庁とも連携して対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕
○国務大臣(加藤勝信君) 中川康洋議員から、地方創生担当大臣との関係についてお尋ねがございました。
 デフレ脱却が見えてきた今こそ、少子高齢化という日本の構造的課題に真正面から挑み、一億総活躍社会の実現を目指してまいります。
 少子高齢化やそれに伴う過疎化などの問題は、地方において深刻さを増しており、一億総活躍社会の実現に向けた取り組みには地方創生に関するものも含まれているところであります。
 その中で、地方創生担当大臣は、主に地域ごとの特性に応じた自治体の取り組みを支援する役割を担っていただいていると承知をしております。
 一方、私の方は、主に新三本の矢による三つの具体的目標、すなわち、戦後最大のGDP六百兆円、希望出生率一・八、介護離職ゼロの実現に向け、一人一人の希望の実現を阻む国民共通の課題を克服することが期待されているものと承知しております。
 一億総活躍国民会議には、地方創生担当の石破大臣にも御参加いただいており、双方の取り組みが最大限効果的に推進されるよう、今後とも密接に連携してまいります。(拍手)
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 中川康洋議員にお答えを申し上げます。
 地域包括ケアシステムと生涯活躍のまちの連携につきましてお尋ねがございました。
 両者は対立矛盾するものではありません。生涯活躍のまちは、希望する中高年齢者が健康時から移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療や介護が必要なときには継続的なケアが受けられるコミュニティーづくりを目指すものであり、地域包括ケアシステムの目指す方向に沿ったものと考えております。
 生涯活躍のまちづくりを進めるに当たっては、例えば、要支援者などに対して市町村が構築する地域の通いの場において移住した方と地元住民の方が交流するなど、地域包括ケアシステムと生涯活躍のまちづくりの取り組みが連携するよう、政府全体で市町村の取り組みを支援してまいります。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 中川康洋議員からは、まち・ひと・しごと創生事業費についてお尋ねがございました。
 平成二十八年度地方財政対策において、地方団体が自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組むことができるよう、平成二十七年度に創設したまち・ひと・しごと創生事業費について、前年度同額の一兆円を確保しました。
 地方創生は、実際に取り組みを始めてからその成果が生じるまでに一定の期間が必要であり、息の長い取り組みが必要です。このため、まち・ひと・しごと創生事業費については、期間は、少なくとも、まち・ひと・しごと創生総合戦略の期間である五年間は継続し、規模は一兆円程度の額を維持できるよう努めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 谷畑孝君。
    〔谷畑孝君登壇〕
○谷畑孝君 おおさか維新の会の谷畑孝でございます。
 おおさか維新の会を代表いたしまして、地域再生法の改正法案について質問をさせていただきます。(拍手)
 今、我が国で急速に進む人口減少と地域の衰退を食いとめるためには、少々の予算のつけかえや小手先の制度変更ではできないと思うわけであります。おおさか維新の会は、国と地方の関係を根本的に変えることが必要と考え、そのための憲法改正を主張しておるところであります。
 それでは、以上のような観点から質問をさせていただきます。
 まず、地方創生推進交付金についてであります。
 一昨年八月、政府がこの交付金の創設を言い始めたときは、初年度二千億円、五年で一兆円の想定でございました。昨年度補正予算での金額は一千七百億円でございました。来年度予算概算要求で一千億円に削減をしたので、全国知事会の会長も全国市長会の会長も反発をいたしました。そこで、政府が今年度の補正予算で交付金一千億円を積み増しした結果、地方六団体は機嫌を直し、これを評価するコメントを出しました。いかにも場当たり的と見えます。
 たった一年半前の想定から二転三転しているようでは、五年先を見据えた予算の確保は難しいのではないか、麻生財務大臣にお伺いいたします。
 来年度交付金一千億円の財源はどのように捻出されたのか、今後も安定的に確保できる財源なのか、今後は当初想定の二千億円程度になるのか、交付金の経済効果はどう見積もられているのか、お伺いをいたします。
 次に、地方拠点強化税制、企業版ふるさと納税及び生涯活躍のまち構想についてお伺いをいたします。
 これらの制度の目的は東京一極集中の現状を変えるということですが、それぞれの制度で、適用される地域が異なります。
 地方拠点強化税制では、東京から地方に企業の本社等が移転をすると税制上の優遇措置が得られますが、前の国会での我が党の反対にもかかわらず、大阪、神戸、京都、名古屋等は対象外となっています。次に、企業版ふるさと納税ですが、この制度を利用できないのは、先ほどの対象外地域のうち、不交付団体ということになっております。したがって、現在は、東京都、東京二十三区、東京圏の十八市町のみが対象外となります。そして、生涯活躍のまち構想では、地域的な制度は特になく、東京二十三区でも利用できます。
 東京一極集中を是正して地域再生を進めるという同じ目的を持った制度で、制度の恩恵を受ける地域が全く異なるのはおかしくないのでしょうか。人や企業を全体としてどう動かしたいのか、その考え方が見えません。
 三つの制度はどのような関係にあるのか、あわせて、この制度が東京一極集中を是正するに当たってどのような効果が見込まれるのか、また、地域再生にどのようにつながるのか、石破地方創生担当大臣にお伺いをいたします。
 以上、今回の地域再生法の改正は、予算措置の見通しが不透明で、新しいいろいろな制度は全体の方向性が不明確で、地域再生の哲学が国民に見えないのではないでしょうかという観点で質問いたしました。
○議長(大島理森君) 谷畑君、時間が来ております。
○谷畑孝君(続) はい、済みません。
 これに対し、おおさか維新の会は単純明快です。
 東京一極集中を改め、まずは大阪を副首都と位置づける、国から地方に交付金を配るのをやめ、消費税の税収を地方に渡して自治体を財政的に自立させる、そして、地域再生のための制度は条例で自由に決められるよう地方自治体の権限を憲法に定める、これがおおさか維新の会の考えであります。
 国民の皆さんの御理解をお願いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 地方創生事業についてお尋ねがあっております。
 地方創生は大変重要な課題であるとの政府の考え方は、これまで一貫いたしております。そのもとで、毎年の予算編成過程において、地方創生の取り組み状況や課題などを踏まえつつ、必要な財政上の支援を行っているところであります。
 御指摘の地方創生推進交付金につきましても、創設時に五年間の総額を決定したわけではなく、二十六年度補正予算、二十七年度補正予算及び二十八年度予算において、必要に応じ、切れ目のない支援を講じているところであり、地方財政計画上のまち・ひと・しごと創生事業費とあわせて、十分な支援を行っているものと考えております。
 地方創生推進交付金の財源などについてのお尋ねもあっております。
 地方創生推進交付金の財源につきましては、関係府省において、裁量的経費を合理化、効率化、また、地方創生関連予算に重点化するとともに、既存の交付金を再編することなどで手当てをされたものであります。
 今後につきましては、当該交付金が複数年度にわたる事業についても支援可能な制度とされていることや、厳しい財政事情なども踏まえつつ、二十九年度以降の予算編成過程において検討してまいります。
 また、経済効果に関しては、全ての事業ごとに定量的に見積もることは困難でありますが、地方の先駆的な取り組みを後押しすることなどにより、地方における安定した雇用創出、地方への新しい人の流れ、町の活性化など、地方創生の深化につながるものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 各制度の対象地域についてのお尋ねであります。
 地域再生法改正案に基づく各制度は、東京一極集中を是正し、地方における安定した雇用を創出する、地方への新しい人の流れをつくるといった地方創生の目標を達成するため、各地域がそれぞれの実情を踏まえて行う自主的、自立的な取り組みを支援するものであります。
 御指摘のうち、地方拠点強化税制は、地域に企業を呼び込み、地方での安定した良質な雇用の創出を目的とするものでありますが、既に人口や産業が集中している地域への企業の移転が促進されるといった問題が生ずるおそれがある地域については対象外といたしておるものであります。
 また、地方創生応援税制につきましては、地方創生事業を実施する地方公共団体に民間企業の資金を呼び込むことを目的とするものでありますため、自主財源による事業執行が可能な地方交付税の不交付団体を対象外とすることを基本といたしております。
 さらに、生涯活躍のまちにつきましては、地方への人の流れをつくるとともに、中高年齢者の住みかえ先となる魅力的なコミュニティーづくりを支援するもので、地方への移住だけでなく、都市内での住みかえなども想定していることから、多様な地域を対象としているものでございます。
 このように、各制度におきましては、それぞれ制度の特色を最大限生かすことができるよう地域を設定しているものでございます。
 以上であります。(拍手)
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       財務大臣    麻生 太郎君
       総務大臣    高市 早苗君
       外務大臣    岸田 文雄君
       文部科学大臣  馳   浩君
       厚生労働大臣  塩崎 恭久君
       国務大臣    石破  茂君
       国務大臣    加藤 勝信君
       国務大臣    河野 太郎君
 出席副大臣
       内閣府副大臣  福岡 資麿君

 - 国会議事録, 本会議, 第190回通常国会, 衆議院 , , , ,