190回通常国会 衆議院本会議 第14号-国会発言議事録

   

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第190回国会 本会議 第14号
平成二十八年三月八日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成二十八年三月八日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(中島克仁君外八名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(大島理森君) この際、御紹介申し上げます。
 ただいまオーレミク・トンメセン・ノルウェー王国国会議長御一行が外交官傍聴席にお見えになっておりますので、諸君とともに心から歓迎申し上げます。
    〔起立、拍手〕
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 次に、御紹介申し上げます。
 ただいまハンナ・ビルナ・クリスチャンスドッティル・アイスランド共和国国会議員団団長御一行が外交官傍聴席にお見えになっておりますので、諸君とともに心から歓迎申し上げます。
    〔起立、拍手〕
     ――――◇―――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(中島克仁君外八名提出)の趣旨説明
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び中島克仁君外八名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案について、順次趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣塩崎恭久君。
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子高齢化の進展に伴い労働力人口が減少する中で、高齢者、女性等の就業促進や雇用継続等を図り、国民一人一人が活躍できる社会づくりを進めることが我が国の重要な課題となっております。
 こうした状況を踏まえ、高齢者が安心して働き続けられる環境の整備及び高齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保を行うとともに、子育てや介護と仕事が両立しやすい就業環境の整備等を行うため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、高齢者の雇用が進展している状況を踏まえ、失業中のセーフティーネットを確保するため、六十五歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とするとともに、就業促進手当の引き上げその他の就職促進給付の拡充を行うこととしております。
 第二に、着実に改善が進んでいる現下の雇用情勢、雇用保険財政の状況を踏まえ、失業等給付に係る保険料率を引き下げることとしております。
 第三に、高齢者の希望に応じた多様な就業機会を確保するため、都道府県知事が指定する業種等について、シルバー人材センター等が行う有料の職業紹介事業及び労働者派遣事業に関し、業務の範囲を拡張することとするとともに、地方公共団体は、高年齢者の就業機会確保に係る計画を、地域の関係者から成る協議会の協議を経て策定することができることとしております。
 第四に、妊娠、出産、育児休業・介護休業の取得等を理由とする上司、同僚による就業環境を害する行為を防止するため、事業主に雇用管理上の措置を義務づけることとしております。
 第五に、男女ともに働きながら子育てができる環境を整備するため、有期契約労働者に係る育児休業の取得要件の緩和や、育児休業の対象となる子の範囲を拡大することとしております。
 第六に、介護を理由とする離転職を防止するため、介護休業を三回を上限として分割して取得できるようにするほか、介護休暇の一日未満の単位での取得を可能とし、労働者が請求した場合は、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならないこととするなど、介護のための柔軟な働き方を支援する制度を強化するとともに、介護休業給付の給付率を引き上げることとしております。
 最後に、この法律案は、平成二十九年一月一日から施行することとしておりますが、失業等給付に係る保険料率の引き下げ等については平成二十八年四月一日、介護休業給付の給付率の引き上げについては平成二十八年八月一日から施行すること等としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 提出者中島克仁君。
    〔中島克仁君登壇〕
○中島克仁君 ただいま議題となりました介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 まず、本法案の提案理由について御説明をいたします。
 介護・障害福祉従事者は、重要な役割を担っているにもかかわらず、その賃金は他の業種と比較して著しく低い水準にあります。厚生労働省の調査でも、月額で十万円程度も低い水準にあるのが現状です。
 このため、賃金を引き上げることができるよう介護報酬のプラス改定が求められてきましたが、あろうことか、安倍政権は平成二十七年四月から介護報酬を二・二七%も引き下げてしまいました。それによって介護事業者に深刻な影響が出ており、介護分野の人手不足は深刻の度を増しております。著しい人手不足によって、サービスの休止や事業所の廃止に追い込まれる事例も多く出てきております。
 また、安倍政権は、一億総活躍社会、その実現のために介護離職ゼロを掲げておきながら、平成二十七年度補正予算、二十八年度予算を見ても、介護職員の処遇改善に真剣に取り組む姿勢が見られません。このままでは、介護人材の不足に拍車がかかり、二〇二〇年代初頭までに約二十五万人の介護人材を確保することなど、夢のまた夢となりましょう。ましてや、介護離職ゼロなど、絵そらごとにすぎません。
 さらに、政府は、要介護一、二の方の生活援助を介護保険から除外し、自己負担とすること等を検討しておりますが、要介護一、二の方々の多くが、生活援助サービスを受けることで在宅介護を何とか維持しているのが現状です。もし本当にこのようなことになれば、家族が介護することがふえ、介護離職ゼロとは真逆の、介護離職増加計画となってしまいます。
 参議院選挙対策とも言える介護離職ゼロを掲げ、一方で、こそこそと介護離職増加計画を検討するとは、支離滅裂、政府が全く介護現場の実情に向き合っていない証拠であります。
 要支援一、二の方々の総合事業への移行も、来年の本格移行を前に、昨年の四月から一部の自治体で始まっております。対応に苦慮している自治体もまだまだたくさんあります。
 要支援一、二切りによる影響も定かでないうちに、今度は要介護一、二切りを検討することを、到底許すことはできません。
 以上、申し上げた実情、政府の姿勢に鑑みれば、本法案で提案する介護・障害福祉従事者の処遇改善がまず最優先であり、党派を超えて、政治が一丸となって取り組まなければならない喫緊の課題であることは明らかであります。
 本法案は、安倍政権の介護離職ゼロに対する、介護職離職ゼロ法案です。
 次に、本法案の概要を御説明いたします。
 第一に、都道府県知事は、賃金を改善するための措置を講ずる介護・障害福祉事業者等に対し、その申請に基づき、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金または介護・障害福祉従事者等処遇改善特別助成金のいずれかを支給することとしております。
 この介護・障害福祉従事者処遇改善助成金による賃金改善の対象は、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬における処遇改善加算の対象職種とし、助成金の支給により、平均して一人当たり月額一万円の賃金引き上げがなされることを見込んでおります。
 また、介護・障害福祉従事者等処遇改善特別助成金による賃金改善の対象は、処遇改善加算の対象職種にとどまらず、全ての職種とし、助成金の支給により、平均して一人当たり月額六千円の賃金引き上げがなされることを見込んでおります。
 第二に、国は、都道府県に対し、助成金の費用の全額及び事務の執行に要する費用を交付することとしております。
 第三に、この法律は、制度について見直しが行われ、すぐれた人材の確保に支障がなくなったときには廃止することとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本法案の提案理由及び内容の概要であります。
 平成二十六年には、野党六党が介護・障害福祉従事者の処遇改善を図るための法案を提出した後、与党の皆さんの御理解をいただき、全会一致で介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案を成立させることができたという経緯があります。
 本法案につきましても、党派を超えて、全ての議員の皆様方からの御賛同をいただけるものと確信をしております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上です。(拍手)
     ――――◇―――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(中島克仁君外八名提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。岡本充功君。
    〔岡本充功君登壇〕
○岡本充功君 民主党の岡本充功です。
 私は、民主・維新・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案に対し質問を行います。(拍手)
 政府は、提出法案に、施行がかなり先の政策も目いっぱい詰め込んでおきながら、雇用保険料率を四月一日から引き下げる必要があるため、年度内に成立させてほしいと言っています。国会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。なぜ、雇用保険財政にかかわる規定と、直接関係のないマタニティーハラスメント対策といった就業環境整備にかかわる政策を束ねて一括審議ができるのか、その理由をお尋ねいたします。
 雇用保険料を財源にする労働移動支援助成金をめぐる問題が明らかになりました。先日、この助成金制度によって退職を余儀なくされた方とお会いしました。いまだに次の仕事が決まらず、家族にも退職した事実を告げられない日々を語られていました。
 安倍政権は、労働移動支援助成金の予算を約七十倍にもふやし、要件緩和、制度拡充をする一方で、雇用調整助成金は平成二十八年度予算案までに大幅減額し、十分の一以下に減額しています。なぜ要件緩和と予算の大幅増額を行ったのか。塩崎大臣の発案ですか。それとも、官邸で開催されている会議からの発案ですか。発端を含め、御説明を求めます。また、雇用調整助成金ではなくこの制度を利用するメリットを、労働者側、使用者側のそれぞれの視点からお答えください。
 再就職ができなければ単なるリストラであり、労働移動にはなりません。しかし、再就職先に支払われる受入れ人材育成支援奨励金は、平成二十六年度予算二百十六億一千四百万円に対して執行は百六十二万円、平成二十七年度は二百六十五億一千六百五十四万円に対して執行は一千八百三十七万円にとどまっています。予算に対しての執行率はわずか〇・〇一%程度。二年連続でこんな執行率の低い事業が厚生労働省にはほかにはあるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。こんなに再就職ができていない、その理由も問います。
 平成二十六年度の労働移動支援助成金を受けて退職をされた方三千三百四名のうち、期間の定めのないフルタイム労働者になっている方、六カ月以上の有期雇用契約、六カ月未満の有期雇用契約、パートタイム、派遣労働者はそれぞれ何人になっていますか。平成二十八年二月末時点でお答えください。また、平成二十七年度のこの制度の利用者についても、平成二十八年二月末日時点での再就職状況を、先ほどの平成二十六年度の方と同様の分類で回答を求めます。
 民間人材ビジネス会社が、この制度を利用して、企業に退職勧奨を行うことを提案しています。このようなリストラ提案型営業は、民間人材ビジネス会社の仕事として適正なものなのでしょうか。見解を求めます。
 さらに、本助成金の支給対象となった方について、自由な意思決定ができないような退職強要に当たるような事例がなかったのか、同様の再就職支援業務を委託している十三社の人材ビジネス会社の事例についても徹底した調査を行うべきです。調査をするのか、また、退職強要があった場合にどのような対応をとるのか、救済措置をとることも検討するのか、大臣の答弁を求めます。
 厚生労働省の資料によりますと、平成二十七年十二月末日時点で六百一人の方が就職できていない、このような状況です。雇用保険も切れ、給与もなく、どのように年を越したのか。安倍政権が進めるこの制度がなければ失業しなかった方ばかりです。国策により退職を余儀なくされた皆さんへのメッセージを厚労大臣に求めます。
 本改正案には、育児休業制度の見直しに関する規定が盛り込まれています。給付率を引き上げるとはいえ、育児休業給付金の上限を撤廃しない理由を問います。上限を撤廃すると、その波及効果も含め雇用保険財政への影響は幾らになると試算をしていますか。そもそも上限撤廃で波及効果があると考えているのか、見解を問います。
 雇用保険は、健康保険と異なり、保険料には上限がありません。低所得者対策の意味から、低所得者に手厚いという理念だとの説明もありますが、その理念は健康保険も同じです。なぜ、雇用保険の保険料は負担が青天井で、給付金額には天井を設けるのか、健康保険との違いを含め、お答えください。また同様に、失業給付金の上限をなぜ設けているのか、その金額の根拠はどのような経緯で決まっているのか、上限撤廃時の保険財政への影響も含め、答弁を求めます。
 雇用保険は特別会計です。特別会計である理由は何ですか。特別会計であることに鑑みれば、例えば、起業することを雇用の機会の確保と捉えて支援することはできないはずです。特別会計で支出ができる範囲を明確にお答え願います。
 雇用保険の保険料についてお尋ねします。
 適用事業所でありながら未加入の事業所は何事業所で、何人の方が入れずにいるのか、答弁を求めます。
 また、昨年度、厚労省の調査に基づき、雇用保険に加入できた労働者の人数は何人ですか。労働者は人数であり、金額ではありません。保険料ではなく、人数での答弁を求めます。
 本改正案には、介護休業を三回に分割して取得できるようにすることが盛り込まれています。なぜ三回としたのか、理由を伺います。被介護者の状況により柔軟に対応できるよう、分割できる回数をさらにふやすことを検討すべきと考えますが、厚労大臣の見解を求めます。
 また、介護休業を取得できる被介護者の介護の必要度についても伺います。
 労働者の介護休業取得を制限しているとも言われる、二週間以上の期間にわたり常時介護が必要とする状態の程度を緩和すべきと考えますが、厚労大臣の見解を求めます。
 また、連合の調査によれば、介護休業の法定日数に満足していると答える方は少なく、介護休業期間の総日数をふやすことなどを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、改正法施行前に既に介護休業を取得している方の取得日数は、施行後にリセットされないと聞いています。このような制度改正で、施行前の権利取得がリセットされない、もしくはリセットされるもの、こういったものの事例があるのか、答弁を求めます。
 子供の介護についても伺います。
 高齢者と比較をして、子供の介護は長期にわたる蓋然性が高いと考えます。こうした方々への対応は、改正法案で導入される短時間勤務などだけで十分か、その特殊性に鑑み、取得可能日数や障害福祉施策の充実などとあわせて別途検討する必要があるのではないか、見解を伺います。
 本改正案には、マタニティーハラスメント対策として、マタハラ防止のための措置が盛り込まれています。周知徹底だけではなし得なかったマタハラ防止をこの改正案でどのように担保するのか、国際女性デーの本日、これまでとは違う明確な答弁を求めます。
 介護人材不足は深刻です。昨年の介護報酬マイナス改定が及ぼしている現場への影響をどう捉えているのか、厚労大臣並びに法案提出者に伺います。
 恐らく、厚労大臣は、昨年四月の介護報酬改定で処遇改善加算を拡充したと答弁されるかと思いますが、そうであれば、介護人材不足が解消しているとお考えですか。解消していないと考えるならば、ただいま議題となっている法案の趣旨に賛同されますか。賛同されない場合は、さらなる処遇改善は不要との立場でしょうか。答弁を求めます。
 続いて、法案提出者に伺います。
 提出法案の助成金を、介護職員の処遇改善のみならず、金額は低くなるものの他の職員の処遇改善にも使えるようにした理由をお尋ねします。
 また、政府は、外国人の介護人材で人材確保を進めようとしていますが、こうした政府案との違いは何ですか。
 また、介護人材の疲弊の解消に向けたさらなる取り組みが検討される必要があると考えますが、見解をお尋ねいたします。
 政府の社会保障審議会の介護保険部会では、軽度者への支援のあり方が論点として提示されており、要介護度の低い方への介護サービスが縮小されることが危惧されます。
 軽度者への支援が介護保険から切り離されることがあり得るのか。具体的に決まったわけではないのは承知していますが、論点として議論される可能性があるのか、答弁を求めます。
 次に、保育の充実について伺います。
 先日の予算委員会で、安倍総理は、保育所に入れない嘆きの投稿について、匿名であるがゆえに議論することすら拒絶をされました。国民の嘆きに耳をかさない姿勢は大変残念なことです。
 実際に、待機児童数は増加に転じています。社会保障と税の一体改革では、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実のために充てる財源のうち、〇・三兆円超についてはいまだに確保のめどが立っていません。待機児童解消がいつ達成できる見込みなのかとあわせて、財源不足への対処について説明を求めます。
 この予算が確保されなければ、保育士の処遇改善は既に行われたもので打ちどめとなり、予定をされているプラス二%の処遇改善はできないのか、答弁を求めます。
 処遇改善がされなければ、保育士が確保できず、希望出生率一・八の実現はありません。まさか、介護福祉士と同様に外国人を受け入れ、准保育士の活用を検討することはあり得るのか、答弁を求めます。
 今月から自民党では外国人労働者の受け入れを検討する会を立ち上げるとの報道もありました。まだ働ける高齢者、子育てや介護をしながら仕事を続けたい方々の力を結集し、この労働力人口減少を乗り越える覚悟が自民党にはないようです。こうした皆さんの力を結集することが一億総活躍であり、外国人の活躍を求める七十億総活躍ではないはずです。外国人労働者の受け入れを検討することについて、担当大臣の見解を伺います。
 総合合算制度は、制度単位ではなく、家計全体をトータルに捉えて、医療、介護、保育、障害福祉に関する負担の合計額に上限をかける制度です。総合合算制度の見送りは、子育てや介護と仕事が両立しやすい就業環境の整備という本改正案の趣旨や一億総活躍社会の理念と矛盾するのではないでしょうか。答弁を求めます。
 最後に、働きながら介護や子育てをされている方々を含む、さまざまな環境下でも働き続けることができる社会、それぞれの能力を生かした雇用の場がある社会を目指していくべきことを訴え、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 岡本充功議員にお答えを申し上げます。
 まず、本改正法案における複数の法律改正の一括化についてのお尋ねがございました。
 本改正法案は、女性や高齢者の方などに対し、その希望に応じた就業の促進や離職防止を図るための環境整備を行うという同一の趣旨、目的の改正項目を一括で改正することとしたものです。
 なお、同一の趣旨、目的で複数の法律を一括で改正する場合に、一括化した法律案の中で異なる施行日を設けることは例外的なものではございません。
 労働移動支援助成金の拡充の経緯、メリット、執行率等についてのお尋ねがございました。
 労働移動支援助成金は、平成二十五年の日本再興戦略において雇用維持型政策から労働移動支援型政策へ転換することが打ち出されたことを受けて、抜本的拡充が図られました。
 本助成金は、リストラによって離職を余儀なくされた方にとっては再就職に向けた支援を受けることが可能となり、事業主にとってはみずからが行う再就職援助の支援を受けることができるというメリットがございます。
 また、二十六年度に設けられた受入れ人材育成支援奨励金の現時点での実績が厚生労働省の他の事業に比べて低いのは、受け入れた方に対して一定期間の訓練を行った後に支給申請が行われるものであるため、初年度の支給実績が出るまで時間を要すること等の理由によるものと考えております。
 労働移動支援助成金の対象労働者の就職状況等についてのお尋ねがございました。
 平成二十六年度に労働移動支援助成金の支給対象となった方の再就職先での雇用形態については、二十六年度末で、例えば、フルタイム労働者が七一・九%などとなっています。平成二十八年二月末日時点における状況や平成二十七年度の支給対象者の状況については、現在、雇用保険の被保険者資格の取得の際の届け出内容などにより確認をしているところでございます。
 平成二十六年度に労働移動支援助成金の支給対象となった方については、御指摘のように、平成二十七年十二月末時点で六百一人が再就職していないと考えられるところですが、そうした方については、最寄りのハローワークにおいて、一刻も早く再就職ができるよう全力で支援をしてまいります。
 労働移動支援助成金に関する民間人材ビジネス会社の関与や、それに対する今後の対応についてのお尋ねがございました。
 再就職支援を行う職業紹介事業者がみずから退職者をつくり出すようなことはその事業の趣旨に反するものであり、働く方に対して自由な意思決定を妨げるような退職強要を実施することは適切ではないこと、企業に対して積極的に退職勧奨の実施を提案することも好ましくないこと等の通知を発出することを検討しております。
 また、御指摘のリストラを行う企業から離職して当該助成金の対象として再就職支援を受けた方へのヒアリングを行うとともに、他の民間人材ビジネス会社が関与したものも含め、当該助成金の対象となり再就職支援を受けた方に対するアンケート調査を行うことにより、退職強要に当たる事案の有無を把握することを検討しております。
 いずれにしても、まずは実態把握に努め、今後のさらなる対応について、個別労働紛争解決制度の活用も含め、引き続き検討してまいります。
 雇用保険の給付の上限額についてのお尋ねがございました。
 雇用保険の給付については、再就職時賃金と比べ高くなり、受給中の再就職意欲を阻害しないよう、労働政策審議会の意見を踏まえて、労働者の賃金分布の上位一二・五%の水準で基本手当等の上限額を設定しております。
 給付の上限額を撤廃した場合の財政影響を算出することは、必要なデータを集計することがシステム上できないため、困難ではありますが、上限額の撤廃については、こうした制度の趣旨に鑑みると慎重な議論が必要と考えております。
 なお、健康保険においては、全ての加入者の給付水準が基本的に同じである中で、負担と受益とのバランスを図る観点から、被保険者の保険料負担に一定の限度を設けており、両制度の取り扱いを一概に比較することは適切ではないと考えております。
 雇用保険の特別会計で支出できる範囲等についてのお尋ねがございました。
 労働保険特別会計雇用勘定は、雇用保険制度における受益と負担の関係の明確化等のために特別に区分して経理するため、特別会計に関する法律に基づき設置しているものでございます。
 労働保険特別会計雇用勘定で行う雇用保険二事業は、被保険者等の失業の予防や雇用機会の増大等に資する雇用対策を行うものであり、このような趣旨にかなう事業に限定して実施しています。御指摘の支援についても、起業に伴い中高年齢者の雇用の創出に資する場合の助成の対象とすることとしております。
 雇用保険の適用についてのお尋ねがございました。
 雇用保険は労災保険と一体で手続を行っており、労働者を一人でも雇用すれば、事業主は事業所ごとに加入する義務があります。
 他の行政機関等の保有する情報とも突合するなどして、平成二十六年度末時点で約十三万事業所を未加入と推計し、同年度の実地調査等の結果、新たに約五万事業所の未加入を解消しました。
 事業所全体の賃金総額に基づいて労働保険料を算定しており、雇用保険に新たに加入することとなった方の数は集計をしておりません。
 今後とも、労働保険制度の適切な運用のため、加入指導及び調査に取り組んでまいります。
 介護休業の分割回数と取得要件についてのお尋ねがございました。
 介護休業の分割回数については、介護のために一週間以上連続して仕事を休んだ経験のある労働者について、仕事を休んだ回数が三回までで約九割を占めること、また、介護開始時期、中間期、終わりの時期にそれぞれ対応するという観点を踏まえつつ、事業主の雇用管理の負担も考慮し、法律上の最低基準としては三回を上限としたものでございます。
 また、取得要件である常時介護を要する状態については、通達でその基準を示していますが、労働政策審議会において、緩和する方向で見直しを行うべきと指摘をされておりまして、今後、事業主及び労働者から見たわかりやすさという観点も踏まえ、緩和する方向で見直しを行う考えでございます。
 介護休業期間についてのお尋ねがございました。
 介護休業については、介護を経験した労働者が一週間を超えて連続して休んだ日数は二週間以内が七五%と、比較的短期の休業をし、職場復帰をしているケースが多いことなどから、期間延長ではなく、分割を認めることとしたものでございます。
 改正法施行前に介護休業を取得した日数が九十三日に満たない場合、残日数について分割取得できますが、改めて九十三日の休業を認めることは、施行日の前後で介護休業を取得できる日数に差が生じ、適当ではないと考えております。
 介護休業の取得回数制限を緩和し、要介護状態ごとに一回の介護休業を認めた平成十六年改正でも、施行日前に取得済みの介護休業が既に九十三日に達している場合、再度の介護休業は認められていません。また、他の制度においても、改正前に権利を行使し終わった場合、権利行使の方法が変わったことにより、改正後に改めて権利を与えたケースは、現時点では把握をしておらないところでございます。
 子供の介護についてのお尋ねがございました。
 介護の必要なお子さんについても、育児・介護休業法に基づく介護休業の分割や、新設した所定外労働の免除等を利用できます。
 障害のあるお子さんやその家族に対する支援については、障害福祉施策を含めて検討することが重要と考えており、今国会に、障害児へのサービスの充実等を内容とする障害者総合支援法等の改正法案を提出しました。
 今後も、引き続き、これらの政策を総動員し、高齢者の方の介護だけではなく、障害をお持ちのお子さんを介護する労働者の方々が不本意に離職することのない社会づくりに向けて全力で取り組んでまいります。
 いわゆるマタニティーハラスメント防止措置についてのお尋ねがございました。
 妊娠、出産、育児休業等を理由とする事業主による解雇や降格などの不利益取り扱いは既に法律で禁止されておりますが、それに加えて、近年、上司、同僚からの嫌がらせなども問題となっております。
 そのため、今般の改正法案では、妊娠、出産、育児休業等をした労働者が就業を継続することが困難とならないよう、上司、同僚からの嫌がらせなどを防止する措置を事業主に義務づけることとしております。
 こうした措置の確実な履行確保等を通じ、今後も、妊娠、出産、育児休業等を経ても継続就業しやすい環境の整備に全力で取り組んでまいります。
 介護報酬改定、介護人材及び処遇改善についてのお尋ねがございました。
 平成二十七年度介護報酬改定では、処遇改善加算を拡充し、中重度の要介護者等を受け入れる場合に加算するなど、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬となるようにし、介護報酬改定後も請求事業所数は増加をしており、安定的に介護サービスが提供されているものと考えています。また、介護人材については、現場で不足感が生じていると認識しており、外国人の活用ではなく、引き続き国内人材の確保を充実強化してまいります。
 議員立法に関することは国会で御判断いただくものです。処遇改善を含め、介護人材の確保については、処遇改善の進捗状況等を踏まえ、必要な財源を確保しつつ、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。
 軽度者への支援の見直しについてのお尋ねがございました。
 軽度者に対する生活援助サービス等のあり方については、昨年末に経済財政諮問会議において取りまとめられた経済・財政再生計画の改革工程表において検討事項とされており、こうした点も含め、社会保障審議会介護保険部会において、次期介護保険制度改正に向けた検討を開始したところです。
 高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐといった介護保険の理念に沿って、軽度の要介護の生活を支える観点から、しっかり検討を行ってまいります。
 待機児童解消、保育士の処遇改善の財源確保、外国人の活用についてのお尋ねがございました。
 待機児童については、待機児童解消加速化プランに基づく整備目標を四十万人から五十万人に上積みし、平成二十九年度末までの解消を目指しています。
 保育士の処遇改善二%相当分を含む〇・三兆円の質の向上メニューについては、その実現に向け、必要な財源を確保しながら取り組んでまいります。
 保育所における保育は、外国人の活用ではなく、今後も専門的な知識と技術を持つ保育士が中心となって担うことが重要と考えており、必要な保育人材の確保対策を講じてまいります。
 総合合算制度の見送りについてお尋ねがございました。
 総合合算制度は、税制抜本改革法で、消費税率引き上げに伴う低所得者対策の選択肢の一つとして位置づけられていましたが、軽減税率の導入を決定したことに伴い、実施しないこととなったと承知をしております。
 所得の低い方の医療や介護の保険料については、既に消費税増収分を活用して軽減措置を拡充しているほか、平成二十八年度からは、保育料について、第二子半額、第三子以降の無償化の範囲を拡大することとしており、御指摘のような矛盾はないと考えているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕
○国務大臣(加藤勝信君) 岡本充功議員より、一億総活躍社会、外国人労働者の受け入れについてお尋ねがございました。
 一億総活躍社会の実現に向けて、若者もお年寄りも、女性も男性も、難病や障害のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが活躍できる社会をつくってまいります。このため、高齢者が安心して働き続けられる環境の整備や、仕事と家庭の両立ができる環境づくりを進めてまいります。
 こうした観点に立って、介護離職ゼロや希望出生率一・八を一億総活躍社会の実現のため重要な政策の柱と位置づけ、介護施設等や保育サービスの整備とあわせ、必要な人材の確保について、就業促進や離職の防止などに取り組んでいくこととしております。
 外国人労働者の受け入れについては、我が国の経済社会の活性化の観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の就業を積極的に推進する一方で、外国人労働者の受け入れの範囲拡大については、我が国の労働市場及び国民生活全体に与える影響に鑑み、我が国のあるべき将来像とあわせ、中長期的観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ、検討、議論していくべきものと考えております。
 以上です。(拍手)
    〔初鹿明博君登壇〕
○初鹿明博君 岡本充功議員からの質問にお答えをいたします。
 介護・障害福祉従事者以外の介護・障害福祉事業者等の従業者の処遇改善にも使えるようにした理由についてお尋ねがありました。
 この法律案の目的は、ホームヘルパー、福祉施設介護員等の専ら介護・障害福祉サービスに従事する介護・障害福祉従事者の処遇を改善し、人材を確保することであります。
 しかしながら、これらの方々の処遇改善のみを対象とすると、同じ事業所で働く他の職員の方々の処遇改善は事業者の負担で行う必要があることから、現在行われている処遇改善加算は事業者の余力やバランス等の観点から利用しにくいとの声も事業者から上がっていると承知しております。
 また、煩雑な申請手続を行う事務職員が処遇改善加算の対象となっていないことで、職員の不満にもつながっているとの事業者の声もあります。
 そこで、この法律案では、こうした事業者の実情に配慮し、介護・障害福祉従事者に支給できる介護・障害福祉従事者処遇改善助成金とは別に、同程度の財源で、金額は低くなりますが、より要件が緩やかで、その他の職員の賃金の引き上げにも利用できる介護・障害福祉従事者等処遇改善特別助成金を設け、事業者の実情に応じ選択できるようにしたものであります。
 なお、事業者の声に基づき、政令で定める申請手続の簡素化についてもあわせて求めているところであります。
 政府は外国人の介護人材で人材確保を進めようとしているが、こうした政府案との違いは何かとのお尋ねがありました。
 介護人材の不足を外国人労働者の受け入れで解消しようとするのは、余りにも短絡的な考えです。また、外国人技能実習制度によって人材不足を解消しようとすることについては、制度本来の目的を踏まえた慎重な検討が必要であると考えます。
 介護職員には、介護サービス利用者やその家族との意思疎通を図ることは当然のことながら、同僚や関係者との正確な連絡、相談が必要となり、一定以上の日本語能力が求められます。それに加え、介護を行う上での知識、技術を習得する必要があります。そのため、来日した外国人の方が介護現場で戦力になるためには相当な努力と時間がかかり、即座に人材不足の解決にならないことを念頭に置くべきです。
 また、外国人労働者を介護現場に受け入れることについては、介護サービスの質の低下や介護職員の処遇の低下を招くとの懸念が指摘されており、安易に受け入れを進めるのではなく、介護現場のみならず、日本の雇用環境、社会保障、地域社会に与える影響など、多角的な視点で慎重に検討していくべきだと考えております。
 外国人労働者の受け入れよりも、今、介護現場で働いている方々の処遇を改善し、介護の現場で働き続けられるようにしていくことを優先すべきだと考えます。(拍手)
    〔井坂信彦君登壇〕
○井坂信彦君 昨年の介護報酬改定の介護現場への影響について答弁いたします。
 介護・障害福祉従事者は、重要な役割を担っているにもかかわらず、その賃金はほかの業種と比較して著しく低い水準にあります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、全産業の平均賃金が月額約三十三万三千円であるのに対し、ホームヘルパーは月額約二十二万五千円、福祉施設介護員は月額約二十二万三千円にとどまり、月額で十万円程度も低い水準にあるのが現状です。
 賃金は、自由経済の中で決定されるのが通常ですが、介護報酬や障害福祉サービス報酬は公定価格であるため、その賃金決定には市場メカニズムが働きません。したがって、本件こそ政治の力で解決すべきであり、賃金を引き上げることができるよう、介護報酬のプラス改定が求められてきましたが、平成二十七年四月から、介護報酬は二・二七%も引き下げられてしまいました。
 我々は、それによって介護事業者に深刻な影響が出ていると考えており、具体的な数字もこの見方を裏づけております。
 例えば、独立行政法人福祉医療機構が特別養護老人ホームを対象に行ったアンケート調査によれば、約七割の事業者が、介護報酬のマイナス改定によって前年度と比べ収益が減ったと回答しております。また、処遇改善加算で基本報酬のマイナスをどの程度補えるかについては、補えないと考えている事業者が六五・五%を占めております。
 このようなデータを見れば、拡充、定着してきた処遇改善加算が役に立たないほど、介護報酬の大幅なマイナス改定のダメージが大きいことは、一目瞭然であると思われます。
 次に、介護人材の疲弊の解消に向けたさらなる取り組みについて答弁いたします。
 平成二十六年度の介護労働実態調査では、労働条件等の不満として、身体的負担が大きいことを挙げる人が三〇・四%、精神的にきついことを挙げる人が二七・四%に上っています。介護は、身体的、精神的に負担がかかる仕事です。
 介護人材の疲弊を解消するためには、介護労働におけるロボット技術の活用支援やストレス軽減のための施策の推進などにより、労働環境を改善することは当然必要です。
 しかし、同じ調査では、労働条件等の不満として、人手が足りないことを挙げる人が四八・三%、仕事の内容の割に賃金が低いことを挙げる人が四二・三%と、身体的、精神的負担を大きく上回っています。人手不足、賃金が低いことが、身体的、精神的負担に拍車をかけているのではないかと推測されます。
 本法案のように、介護職員の賃金を引き上げて介護分野の人手不足を解消することが、介護職員の疲弊を解消するための抜本的な解決策であると考えます。
 さらなる取り組みとして必要なことは、次の報酬改定で、本法案で提案する処遇改善を反映させ、介護・障害福祉従事者の処遇改善の基盤をより強固なものにすることであると考えています。
 この問題は、党派を超えて解決すべき日本の課題です。本会議場にてこのような機会をいただきましたことを与野党の全ての皆様に心より感謝申し上げまして、私の答弁といたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 堀内照文君。
    〔堀内照文君登壇〕
○堀内照文君 日本共産党の堀内照文です。
 私は、日本共産党を代表して、議題となりました両案について質問をいたします。(拍手)
 雇用保険法等改正案は、雇用保険法、高年齢者雇用安定法、育児・介護休業法など六本もの法律の改定を一括で行うものです。一つずつの法案が広範な労働者の働き方に直接影響を与えるものであって、一括して審議に付すべきではありません。それぞれの法案について十分な審議を行うことを求めて、質問に入ります。
 まず、雇用保険法についてお聞きします。
 二〇〇八年のリーマン・ショック以降、年越し派遣村に象徴された雇用破壊を受け、派遣労働者や契約社員などを雇用保険の対象とするなどの改正を行ってきました。
 しかし、一方で、たび重なる給付水準の引き下げ、離職理由による受給資格要件の制限などによって、完全失業者が二百万人を超えているにもかかわらず、基本手当の受給者は約四十一万人にすぎません。全体の二割しかカバーできていないのです。
 完全失業者の三割以上が一年以上の失業者です。にもかかわらず、受給資格者の約六割が九十日しか受給できません。基本手当で離職前賃金を大きく下回っているのが実態です。大臣は、この現状をどう認識されているのですか。
 雇用保険法は、第一条において、必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にすることを制度の目的としています。この現状で法律の目的を果たしていると言えるのですか。お答えください。
 今の実態がとても生活と雇用の安定を図るものとは言えないからこそ、前回法改正の際に附帯決議で、生活安定機能を充実させるための基本手当の改善について検討を行うこととしたのであります。これは、今回の労政審の議題にもなりましたが、結論は先送りにされました。
 なぜ基本手当の改善を行わないのですか。基本手当の給付水準の引き上げ、給付制限期間の廃止に踏み込むべきです。
 法案は、基本給付には手をつけない一方で、就職促進給付は拡充して、早期再就職を促すとしています。再就職のためには、賃金などの労働条件、仕事の適正などを熟慮できる十分な求職活動期間の確保が欠かせません。
 現に、ことし一月の有効求人倍率は、正社員に限れば〇・八倍であり、正社員就職は狭き門です。早期再就職だけを促進すれば、低所得、不安定な仕事でもいいから就職せよということになってしまうのではありませんか。答弁を求めます。
 法案は、六十五歳以降に新たに雇用された者についても雇用保険を適用するとしています。ところが、給付については、一回限りの一時金である高年齢求職者給付金のみとしています。この給付金は、最大でも五十日分の支給にすぎません。六十五歳の誕生日前に離職した一般被保険者が九十日から二百四十日の基本給付を受けられるのに、六十五歳を過ぎればなぜ五十日で切ってしまうのですか。明確な説明を求めます。
 保険料は同様に徴収しながら、給付は年齢で差をつけるものであり、到底認められません。雇用労働者と位置づける以上、六十五歳以上の失業給付も一般被保険者と同じ給付基準とすべきではありませんか。
 雇用保険法には、失業給付に対する国庫負担が明記をされています。憲法の生存権、勤労権を保障するために、政府も責任を負うことが義務づけられているからです。にもかかわらず、昨年の財政制度等審議会の建議において国庫負担の停止が公然と言及されていることは看過できません。
 国庫負担を堅持するつもりがあるのですか。国庫負担は、少なくとも本則の四分の一に戻すべきではありませんか。答弁を求めます。
 次に、高年齢者雇用安定法についてお尋ねします。
 法案は、生きがい就労と位置づけているシルバー人材センターの派遣、職業紹介について、おおむね月十日または週二十時間以内の業務に限定するという規制を緩和し、週四十時間まで働くことを可能にしようとしています。
 なぜこのような規制緩和が必要なのですか。
 意欲を持って積極的に就労する高齢者がいる一方で、低年金や無年金、年金支給開始年齢の引き上げなど、経済的理由から、健康不安を感じながらも就労する高齢者は少なくありません。高齢者が安心して働き続けられる社会をつくるためには、社会保障を拡充し、老後の生活を保障した上で、働く意欲と条件のある方に、労働条件や労働安全衛生を確保して雇用機会を提供するものでなければなりません。
 ところが、既にシルバー派遣の現場では、収益を目的としないため比較的割安で利用できますという売り文句での営業まで行われています。
 この規制緩和について、省令で、競合する事業者の利益を不当に害することがなく、他の労働者の就業機会に著しい影響を与えることがない場合に限るよう定めるとしていますが、どのような指標によって判断するのですか。
 そもそも、シルバー事業は生きがい就労であるがために、最低賃金以下での就労や業務上の労働災害に対する労災保険の未適用などの問題が指摘され続けてきました。国として、こうした実態の調査をすべきです。
 今回の緩和によって、週二十時間を超える安価なシルバー派遣が拡大し、低賃金で劣悪な労働条件の雇用が広がることは明らかです。労働法制が適用されない生きがい就労、請負と、労働法制が適用される派遣とが同一センター内に混在し、何が違法で何が適正な就労であるかが今まで以上に曖昧になりかねません。このような規制緩和はやめるべきです。
 育児・介護休業法についてお聞きします。
 法案は、介護休業給付の給付率を引き上げ、介護休業を三回に分割して取得できるようにします。給付率の引き上げは、我が党も求めてきたことであり評価できますが、通算の介護休業期間は九十三日のままとなっています。
 平均的な在宅介護期間は三十カ月と長期に及び、特別養護老人ホームへの入所待ちは五十二万人にふえ続け、介護離職者は毎年十万人に上るなど、介護の実態は深刻です。介護離職ゼロを掲げるのであれば、介護休業期間を拡大するとともに、少なくとも、期間内の取得回数に制限を設けず、一日単位、時間単位での取得を可能にするべきではありませんか。大臣の答弁を求めます。
 また、子供が病気のときの看護休暇の取得について、年五日にとどまる取得日数の拡大や時間単位での取得を可能にすべきです。
 第一子の妊娠、出産を契機とする女性労働者の離職は改善していません。女性労働者の六割近くを占める非正規労働者の育休取得は極めて低い水準にとどまっており、この改善が急務です。
 今回の改定によって、どれだけの有期契約労働者が育休を取得できるようになるのですか。お答えください。
 最後に、野党五党提案の介護の人材確保に関する特措法について伺います。
 貧困な介護の現状を解決し、求められる介護の受け皿をつくるためにも、介護人材の確保が欠かせません。そのためにも、介護労働者の処遇改善はかなめをなす問題です。
 今回の法案が介護労働者の処遇改善へどのような役割を果たすと考えるのか、提案者に伺って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 堀内照文議員にお答えを申し上げます。
 失業者に占める雇用保険受給者の割合等の雇用保険の現状認識についてのお尋ねがございました。
 完全失業者の中には、新たに仕事を探し始めた方、そもそも雇用保険の対象とならない方も含まれているなど、雇用保険受給者数等との単純な比較は困難だと考えております。
 また、基本手当は、安易な離職を促したり早期再就職を阻害することのないよう、再就職時の賃金水準も勘案し、離職前賃金の一定割合を支給することとしております。
 今後とも、基本手当等の支給を通じて、求職活動期間中の生活の保障を図るとともに、ハローワークにおける計画的な就職支援などを通じて雇用の安定を図り、雇用保険法の目的を果たすよう努めてまいります。
 基本手当のあり方と早期再就職促進についてのお尋ねがございました。
 基本手当については、労働政策審議会において労使双方から意見があり、引き続き検討すべきとされたため、今後これに沿って検討してまいります。
 早期再就職の促進については、就職時期が早いほど再就職時の賃金が高くなる傾向が見られ、低所得、不安定な仕事への就職というような傾向は確認できません。
 ハローワークにおける担当制によるきめ細かな職業相談などを通じて、求職者が望む仕事にできるだけ早くついていただけるよう取り組んでまいります。
 六十五歳以上の方への雇用保険の給付についてのお尋ねがございました。
 六十五歳以降に離職をされた場合には、他の年齢層と比べて求職活動が多様であること等から、一時金として高年齢求職者給付金を支給することとしており、その水準は、基本手当と異なり年金との併給がされること、受給のために必要な被保険者期間が他の年齢層より短いこと、一時金として一度に全額支給され、定期的な失業認定が不要であること等を踏まえて、最大五十日分の給付としています。
 このように、基本手当と異なる給付でありますが、高年齢者の実態に応じた給付内容となっていると考えております。
 失業等給付に対する国庫負担についてのお尋ねがございました。
 雇用保険の国庫負担は、失業が政府の経済政策、雇用政策と関係が深く、政府もその責任の一端を担うべきとの考え方によるものでございます。
 国庫負担の当面のあり方については、昨年末に経済財政諮問会議において取りまとめられた経済・財政再生計画の改革工程表において、積立金や雇用保険料の水準、経済雇用情勢の動向、雇用保険法附則第十五条の規定、国庫が果たすべき役割等を勘案し、二〇一八年度末までに関係審議会等において検討し、結論を得て、検討の結果に基づいて必要な措置を講ずることとされており、その方針にのっとって検討してまいります。
 シルバー人材センターの要件緩和の必要性等についてのお尋ねがございました。
 今般の改正は、少子高齢化が進む中で、高齢者がその能力や希望に応じて働き続けることができるよう、シルバー人材センターの就業時間の規制を緩和し、会員である高齢者に多様な就業機会を提供することを可能とするものでございます。
 要件緩和に当たっては、地域の事業者の利益や働く方の就業機会等に悪影響がないよう、省令で定める基準に基づき、都道府県において総合的に判断していただくこととしております。その判断を行う際の具体的な指標としては、地域の高齢化の状況や緩和しようとする業種等の求人の充足率などを想定しております。
 シルバー人材センターで働く方の実態等についてのお尋ねがございました。
 シルバー人材センターにおいて請負で働く高齢者が受け取る配分金については、最低賃金を下回ることのないよう指導を行うとともに、就業中の傷害等の補償を行う傷害保険等に加入していただいており、不適切な事例には個別で対応をしております。
 また、今回の要件緩和は、労働基準法等の適用がある派遣と職業紹介に限り行うものです。
 さらに、シルバー人材センターが取り扱う派遣と請負の区分に関する基準など、適正就業のためのガイドラインを作成、周知することとしており、緩和後の実施状況については、都道府県と連携のもと把握し、働く方の保護を損なうことのない適正な就業環境を確保してまいります。
 介護休業の期間と取得単位についてのお尋ねがございました。
 介護休業は、労働者みずからが介護に専念するために利用することを想定しているものではなく、介護を要する家族を支える体制を構築するために一定期間利用することを想定した制度でございます。
 また、介護を経験した労働者が一週間以上連続して休んだ日数は、二週間以内が七五%、回数は、三回までが約九〇%を占めております。
 このため、今回の改正案では、休業期間の延長、取得回数に制限を設けること、一日単位や時間単位での取得も認めることとした対応ではなく、事業主の雇用管理の負担も考慮し、最低基準として三回まで分割取得できるようにしました。
 介護離職ゼロの実現に向けては、在宅・施設サービスの整備量の上積みを行うとともに、介護休業の分割取得に加え、介護終了までの残業免除などを講ずることとしており、仕事と介護の両立が進むよう取り組んでまいります。
 子の看護休暇についてお尋ねがございました。
 子の看護休暇の取得日数については、休暇を取得した際の業務分担の変更等に関する事業主の負担も踏まえ、年五日としているものでございます。
 また、時間単位での取得については、労働政策審議会の議論も踏まえ、これを認めた場合の事業主の負担に鑑み、今回は半日単位での取得を認めることとしたものでございます。
 休暇の日数や取得できる単位は、いずれも法律上の最低基準であることから、企業においてこれを上回る取り組みが行われるよう働きかけてまいります。
 有期契約労働者の育児休業取得についてのお尋ねがございました。
 今回の法案では、有期契約労働者の育児休業取得要件を緩和することとしております。
 これにより育児休業が取得できるようになる有期契約労働者の数について、詳細な推計は困難ですが、あらあら試算をすると、将来的には、育児休業等を理由とする上司、同僚などによる不利益取り扱いの防止措置義務の新設などの効果もあり、約六万人増となることを見込んでおります。
 有期契約労働者の育児休業の取得促進に取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔高橋千鶴子君登壇〕
○高橋千鶴子君 堀内議員から、介護労働者の処遇改善に今回の法律案が果たす役割についてお尋ねがありました。
 毎年十万人もが家族の介護のために離職する現状は、社会の損失であります。収入をなくし、社会的生活からも閉ざされる中で、深刻な事件が後を絶ちません。
 求められるのは、受け皿と担い手をふやすこと、軽度者外しなどをやめ、公的介護保険を再構築することです。
 公益財団法人介護労働安定センターの平成二十六年度調査によれば、介護の仕事を選んだ理由のトップは、働きがいのある仕事だと思ったから、これが五二・六%でもあるのに、一六%以上の離職率、慢性的な人手不足に陥っています。
 人の生き死ににもかかわる尊厳ある仕事なのに、一人夜勤や分刻みの介護に追われ、その上、他の業種と比べて月額十万円程度も低い賃金水準にとどまっています。介護・障害福祉従事者の処遇改善は喫緊の課題であります。
 介護サービスも障害福祉サービスも公定価格であり、本来は、報酬改定において抜本的な処遇改善を行うべきです。しかしながら、昨年の介護報酬改定において二・二七%もの引き下げがされ、事業者に深刻な影響が出ています。
 今回の法律案は、このような状況の中で、介護・障害福祉従事者の処遇を改善するための緊急的な対策として御提案しているものであり、これにより、介護・障害福祉のすぐれた人材を確保し、介護サービス、障害福祉サービスの基盤を立て直す、そのために必要な一歩であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 浦野靖人君。
    〔浦野靖人君登壇〕
○浦野靖人君 おおさか維新の会の浦野靖人です。
 我が党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案につき質問をさせていただきます。(拍手)
 今回の法案では、育児休業と介護休業、男女雇用機会均等、高齢者雇用、雇用保険料といった多くの論点が法律案に盛り込まれています。
 本日は、国際女性デーでもあります。女性、そして高齢者が、性別や年齢によって不合理な扱いを受けることなく、自分たちの希望する働き方ができるようにするべきであると考えております。これは、少子高齢化と人口減少という現実に対応するためだけではなく、誰もが就労の機会を平等に与えられる公正な社会の実現のためにも必要なことであります。また、我が党は、労働行政においても行政改革を徹底すべきであると考えております。
 以上のような観点から、まず、仕事と育児の両立支援制度の見直し、及び、仕事と介護の両立支援制度の見直しについてお伺いいたします。
 男女雇用機会均等法の施行から三十年近くがたち、女性の働く環境についてさまざまな制度が用意されてきました。今回、マタニティーハラスメントを防止する措置が追加されること自体は歓迎いたします。また、介護について、介護休業の分割取得や介護休暇の取得を半日単位で認めるなど、制度の面では、ある程度きめ細やかな内容となっていると考えます。
 問題は、せっかくつくられた制度が実際に職場で使われるかどうかであります。有休も産休も育休も介護休暇も、制度としては立派なものができても、長時間労働が当たり前の職場ではなかなか利用されません。我が国の働き方そのものを変えていかなければ、マタハラも介護離職も、根絶は難しいでしょう。
 育児や介護を仕事と両立させるためには、我が国でいまだに続いている生産性の低い長時間労働を是正することが特に必要なのではないでしょうか。厚生労働大臣の御認識をお伺いいたします。
 あわせまして、今回の改正案は長時間労働の是正に役立つのか、あるいは、労働法制全体の中で、その他の制度改正によって対処すべき問題なのか、厚生労働大臣の御認識をお伺いいたします。
 次に、六十五歳以上の人を雇用保険の適用対象とする改正についてです。
 国民の健康寿命が、男性で七十一歳、女性で七十四歳を超えている現在、六十五歳以上の人々の雇用環境も大きく変わっています。この年代での雇用者数、完全失業者数、新規求職者数、就職件数とも、この二十年間でそれぞれ数倍にふえております。少子高齢化社会で、働きたい高齢者について、通常の労働者と同様のセーフティーネットを準備していくのは当然のことです。
 ここでお伺いするのは、政府が高齢者の労働と公的年金との関係をどう考えているのかであります。
 年金受給者が働き続けると、在職老齢年金制度によって、年金の一部または全部が停止される可能性があります。これにより、高齢者の就労のインセンティブが妨げられないような制度設計が必要と考えますが、厚生労働大臣の認識をお伺いいたします。
 また、年金受給年齢の引き上げの問題と今回の改正との関係について、政府はどのように整理されているのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 あわせまして、今回の改正で高齢者が就労することで、年金財政にどのような影響が及ぶと考えているのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 最後に、雇用保険料率の改正についてお伺いいたします。
 今回、失業給付に係る雇用保険料率について、現行の一・〇%から〇・八%に引き下げる改正が行われます。労働保険特別会計の雇用勘定での積立金残高が、六兆円を超えて過去最高になったためとのことです。
 財政の無駄は徹底して削減していくべきですし、国民負担を軽減する方法として、雇用保険料率引き下げは妥当なものとして、率直に評価をいたします。
 ただ、この勘定での積立金は、リーマン・ショックの起きた平成二十年度以降も一貫して五兆円を超えていたのですから、むしろ遅きに失したくらいであり、労働保険特別会計のさらなる効率化を考えるべきです。
 そこで、お伺いいたしますが、失業等給付費への国庫負担、つまり、一般会計から労保特会の雇用勘定への繰り入れを減らすことも検討すべきではないでしょうか。
 昨年、財務省の財政制度等審議会は、一般会計は極めて厳しい財政状況にあるため、雇用勘定への国庫負担を一旦停止すべきだと、二度にわたって提言をしました。
 かつて言われたとおり、一般会計という母屋でおかゆをすすり、特別会計という離れですき焼きを食べているという例え話そのものの状態が続いていると考えますが、厚生労働大臣の御認識をお伺いいたします。
 我が党が結党時に掲げた基本方針に、国民全体に開かれた社会を実現し、教育と就労の機会の平等を保障するとの項目があります。
 性別や年齢によらず、あらゆる国民が生き生きと働けるように、我が国の働き方そのものを変え、国民が自由で多様なライフスタイルを選べるような、労働制度全体の改革を目指してまいります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 浦野靖人議員にお答えを申し上げます。
 まず、仕事と育児、介護の両立に向けた長時間労働の是正についてのお尋ねがございました。
 仕事と育児や介護の両立を図るためには、長時間労働の是正は重要な課題だと考えております。このため、長時間残業に関する監督指導の徹底、労働基準法の改正による、企業に対する休暇指定の義務づけや、中小企業における時間外労働への割り増し賃金率の引き上げなどに取り組んでまいります。
 また、今回の法案では、介護のための所定外労働の免除制度の創設など、育児、介護を行う労働者が、長時間労働をすることなく、仕事と育児、介護を両立できる制度の充実を図ることとしております。
 このように、長時間労働の是正を図ることを通じて、育児、介護を行いながらも働き続けられる職場環境の整備に取り組んでまいります。
 高齢者の就労と公的年金との関係についてお尋ねがございました。
 今後、本格的な高齢社会を迎えるに当たって、社会や経済の活力を維持し、また、年金制度の持続可能性を高める上で、元気で意欲のある高齢者が働き続けられる社会の構築が重要でございます。
 年金については、社会保障制度改革プログラム法において、高齢期における職業生活の多様性に応じ、一人一人の状況を踏まえた年金受給のあり方を検討することとされております。
 今回の雇用保険法の改正は、年金受給開始年齢の見直しを念頭に置いたものではなく、意欲と能力に応じて高齢者が働き続けることを促進するものであり、年金制度の考え方にも整合的です。
 いずれにせよ、このプログラム法に示された課題については、在職老齢年金制度や年金受給開始年齢のあり方を含め、引き続き検討してまいります。
 なお、この場合において、保険料の上限を固定した現行制度のもとでは、何歳から受給する仕組みにしても、長期的な給付総額は基本的に変わらないことから、受給開始年齢の問題については、年金財政の観点というより、一人一人の人生における就労期間と引退期間のバランスなどの観点から検討すべきものであるとの社会保障制度改革国民会議での議論等も踏まえて検討していく必要があると考えています。
 また、平成二十六年の年金の財政検証においては、日本経済が再生し、高齢者や女性の労働参加が進めば、現行の年金制度のもと、将来的に所得代替率五〇%を確保できることが確認されており、今回の雇用保険法の改正はこれに資するものであると考えております。
 失業等給付費への国庫負担についてのお尋ねがございました。
 雇用保険の国庫負担は、失業が政府の経済政策、雇用政策と関係が深く、政府もその責任の一端を担うべきとの考え方によるものでございます。
 現在の国庫負担の割合は、平成十九年の雇用保険法改正により、本来の割合である原則二五%から、暫定的に、その五五%である一三・七五%に引き下げられております。
 国庫負担の当面のあり方については、昨年末に経済財政諮問会議において取りまとめられた経済・財政再生計画の改革工程表において、積立金や雇用保険料の水準、経済雇用情勢の動向、雇用保険法附則第十五条の規定、国庫が果たすべき役割等を勘案し、二〇一八年度末までに関係審議会等において検討し、結論を得て、検討の結果に基づいて必要な措置を講ずることとされており、この方針にのっとって検討してまいります。
 以上でございます。(拍手)
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       厚生労働大臣     塩崎 恭久君
       国務大臣       加藤 勝信君
 出席副大臣
       厚生労働副大臣  とかしきなおみ君

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