190回通常国会 衆議院本会議 第12号-国会発言議事録

   

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第190回国会 本会議 第12号
平成二十八年二月十八日(木曜日)
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  平成二十八年二月十八日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 高市総務大臣の平成二十八年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時二分開議
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
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 国務大臣の発言(平成二十八年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(大島理森君) この際、平成二十八年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する等の法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣高市早苗君。
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十八年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する等の法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十八年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しましては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、地方創生や地方の重点課題に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取り組みと基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
 以上の方針のもとに、平成二十八年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ四千八百八十三億円増の八十五兆七千五百九十三億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ二千二百六十一億円減の一兆七千七百九十九億円などとなっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済情勢等を踏まえ、経済の好循環の確立に向けた法人税改革の一環として、法人事業税の所得割の税率の引き下げと外形標準課税の拡大等を行うとともに、地方創生の推進に向け、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るための法人住民税法人税割の税率を引き下げ、地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止等を行います。
 また、自動車取得税の廃止、自動車税及び軽自動車税における自動車の環境性能に応じて税率が決定される環境性能割の導入、一定の遊休農地等の保有に係る課税の強化及び軽減等を行うほか、個人住民税の徴収引継特例の対象拡大等の納税環境の整備、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方交付税の総額について、平成二十八年度分の通常収支に係る地方交付税の総額を平成二十七年度とほぼ同額の十六兆七千三億円確保するとともに、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしております。
 さらに、平成二十八年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千四百七十八億円を確保し、総額四千八百二億円とするとともに、普通交付税と特別交付税の割合の維持、地方債の協議不要対象団体の要件の緩和等を行うこととしております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
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 国務大臣の発言(平成二十八年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(大島理森君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。原田憲治君。
    〔原田憲治君登壇〕
○原田憲治君 自由民主党の原田憲治でございます。
 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました平成二十八年度地方財政計画並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する等の法律案について、安倍総理及び高市総務大臣に質問をさせていただきます。(拍手)
 我が国の景気は、アベノミクス効果で緩やかな回復基調が続いております。地域経済においても、第二次安倍内閣発足以降、各地域における有効求人倍率が上昇するとともに、一人当たりの賃金や就業者数が改善しており、経済の好循環に向けた動きは地方へと波及しつつあります。今後、そうした経済の好循環を地方においてしっかりと実現していく必要があります。
 また、平成二十八年度においては、本年度に引き続き、まち・ひと・しごと創生の取り組みを推進していく必要があります。我が国の人口減少は歯どめがかかっておらず、東京圏への人口流入も続いているなど、状況は厳しさを増しており、来年度は、各地方公共団体が策定した地方版総合戦略に基づき、具体的な事業を本格的に推進することが求められているところであります。
 こうしたことから、平成二十八年度においては、地方創生の取り組みに係る環境を整備し、ローカル・アベノミクスの浸透を図る観点から、地方公共団体が自由に使える財源である地方税、地方交付税といった地方一般財源の総額を確保することが重要と考えます。
 また、ことしは東日本大震災の発災から五年に当たり、平成二十八年度は復興・創生期間初年度に当たります。震災からの復興をしっかりと進めていく観点も大変重要でございます。
 そこで、高市総務大臣にお尋ねをいたします。
 平成二十八年度の地方財政対策においては、前年度を〇・一兆円上回る一般財源総額が確保され、震災復興特別交付税は四千八百二億円が確保されているとのことでありますが、高市総務大臣御自身は今回の地方財政対策をどう評価されておられますのでしょうか。お尋ねをいたします。
 次に、地方法人課税の偏在是正についてお伺いをいたします。
 安倍政権の大きな方針である地方創生を進めるためには、地方公共団体が安定的な財政運営を行うことができる地方税体系を構築する必要があります。安倍総理も施政方針の中で、地方法人課税の偏在是正を行い、過疎に直面する地方でも財源をしっかり確保する旨を表明されておられますが、改めて、地方法人課税の偏在是正を今回の法案に盛り込むこととした趣旨と地方創生に向けた決意を総理にお伺いいたします。
 次に、法人事業税の外形標準課税の拡大についてお伺いいたします。
 デフレ脱却・経済再生をより確実なものにしていくため、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向型の構造に変えていく法人税改革を進めていくことは極めて重要であります。
 今回の改正においては、平成二十八年度から法人事業税の所得割の税率を引き下げるとともに、外形標準課税を法人事業税の八分の三から八分の五に拡大することとされております。国税の改正と合わせると、我が国の法人実効税率は一気に二〇%台へと引き下げられることとなり、国際的に遜色のない水準に達することとなります。
 また、地方税においては、行政サービスの対価を広く公平に分かち合うという応益課税の考え方を根本に置いていることを踏まえれば、外形標準課税を拡大することは地方税制にとって大きな意義を有するものと考えますが、外形標準課税の拡大の意義について、高市総務大臣はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 次に、車体課税の見直しについてお尋ねをいたします。
 今回の法案には、消費税率が一〇%に引き上げられる平成二十九年四月に自動車取得税を廃止するとともに、自動車税と軽自動車税にそれぞれ環境性能割を導入する車体課税の抜本的な見直しが盛り込まれております。
 消費税率一〇%段階の車体課税の見直しについては、三党合意を経て平成二十四年に成立した税制抜本改革法において、「国及び地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から、見直しを行う。」とされたことを踏まえ、地方財政への影響や、自動車をめぐるさまざまな環境等を踏まえた議論が、その後の累次の税制改正の過程等において交わされてきたところであります。平成二十八年度税制改正において結論を得るに至ったことは、地方税制にとっても重要な意義を有するものと考えます。
 今回の改正により、自動車税と軽自動車税に環境性能割を導入することとした意義について、地方税制を所管する高市総務大臣としてはどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
 安倍内閣は、政権発足以降、経済再生、財政健全化の両立と、被災地復興という課題に取り組んでまいりました。この三つの難題に果敢に立ち向かい、加速化させるとともに、地方創生に向けた環境整備を推し進めていかなければなりません。我々与党といたしましても、日々の暮らしに安心と活力が両立し、どこに住んでも将来に希望を持てる日本をつくるために全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原田憲治議員にお答えをいたします。
 地方法人課税の偏在是正と地方創生についてお尋ねがありました。
 アベノミクスによって、来年度の地方税収は、政権交代前から五兆円以上増加し、過去最高となりました。
 この果実を全国津々浦々にお届けするため、消費税率引き上げ時に、法人住民税の交付税原資化を一層進め、都市に偏りがちな税収の再分配を行うことで、過疎に直面する地方でも財源をしっかりと確保するとともに、より安定的で偏在性の少ない地方税体系の構築を進めてまいります。
 また、地方公共団体が自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組めるよう、各府省が縦割りを排し、一体となって地方の取り組みを支援し、地方創生の動きを加速してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 原田憲治議員からは、まず、平成二十八年度の地方財政対策の評価についてお尋ねがございました。
 地方団体が、みずからの発想と創意工夫により、地方創生等の重要課題に取り組みつつ、安定的に財政運営を行っていくためには、地方が自由に使える財源をしっかりと確保することが重要です。
 今回の地方財政対策においては、まず、通常収支分については、まち・ひと・しごと創生事業費について、前年度同額の一兆円を計上するとともに、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しました。
 あわせて、地方交付税について、前年度とほぼ同程度となる十六・七兆円を確保しつつ、臨時財政対策債の発行額を〇・七兆円減と大幅に抑制し、地方の一般財源の質を改善し、地方財政の健全化を進めました。
 また、東日本大震災分については、震災復興特別交付税について、被災団体の実情も伺いながら、国予算における直轄・補助事業の地方負担額やこれまでの実績見込みなどをもとに積算した上で四千八百二億円を計上したものでございます。被災団体が復旧復興事業を行うための十分な額を確保できたと考えております。
 今回の地方財政対策については、地方六団体からも評価をいただいており、国の財政も大変厳しい中にあって、できる限りの対応ができたものと考えております。
 次に、法人事業税の外形標準課税についてお尋ねがございました。
 今般の法人税改革は、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から行うものです。
 また、我が国におきましては、一部の企業に税負担が偏っているとの御指摘もありますことから、広く負担を分かち合う構造としていくことも必要です。
 今回の改正において、この法人税改革の一環として、大法人向けの法人事業税の所得割の税率引き下げと外形標準課税の拡大を行うこととしております。これは、法人事業税の応益性の強化や、税収が安定的で偏在性の少ない地方税体系の構築に資する大きな意義を有するものと考えております。
 最後に、環境性能割の導入の意義についてお尋ねがございました。
 この地方税法等改正法案においては、自動車税及び軽自動車税に、自動車の環境性能に応じて税率が決定される環境性能割を導入することとしております。
 この税制は、環境性能がすぐれた自動車の普及等により、自動車による環境負荷の低減を図るとともに、地方の安定的な財源確保にも資するものであります。
 また、今回の見直しによりまして、登録車については自動車税に、軽自動車については軽自動車税に、それぞれ税目が一本化されるとともに、市町村税である軽自動車税に環境性能割が位置づけられ、市町村の自主財源の強化につながるものと考えております。(拍手)
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○議長(大島理森君) 近藤昭一君。
    〔近藤昭一君登壇〕
○近藤昭一君 民主・維新・無所属クラブの近藤昭一でございます。
 私は、民主・維新・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、平成二十八年度地方財政計画につきまして質問いたします。(拍手)
 まず、地方財政計画について伺います。
 地方税収は、リーマン・ショックを底として回復基調を継続していますが、地方交付税を含めたトータルな財政状況を見ると、財源不足が続いております。昨年は地方交付税の税目変更等も行われましたが、財源不足が解消されるには至っておりません。
 政府においては、地方交付税総額のおおむねの水準維持と、臨時財政対策債の発行額の削減、特会借入金の償還状況をもって、地財対策に胸を張る気配がありますが、地域経済と住民福祉を支える予算である地方財政計画は、歳入歳出をもって十分とは言えません。
 そして、株価の下落と円高の進行、そして実質賃金の低落傾向の継続など、アベノミクスの失敗があらわれつつありますが、安倍総理は、ことし、来年以降の地方財政の姿、地方税収と交付税収の展望をどのように持ち、約千七百の自治体と住民に何を約束されるのか、所見を問います。
 次に、消費税率の引き上げと低所得者対策について伺います。
 地方消費税と地方交付税において、軽減税率の採用によって、社会保障の安定と充実のための地方財源の確保が大きく揺らいでいくことは論をまちません。
 国がやることは政府・与党が決めると言うなら、地方に対して中央政府はどのような責任を果たすのでしょうか。軽減税率分一兆円を高額所得者により有利な軽減税率に使うということは、地方財政、住民福祉への責任放棄です。
 高校授業料の無償化において、必ずしも高額所得者と言えない所得階層を給付対象から除外し、消費税に関しては青天井で優遇する、さらに言えば、地方創生、まち・ひと・しごとなどと言いながら、地方税源を削り込むことは容認できません。
 総理、軽減税率の導入に伴う地方財源の補填策について、具体的にこの場でお示しください。
 住民税などが過年度課税であるのは地方財源の安定確保のためであり、国税収入は一年かけて財源を探すと言いわけをしても、地方財政には通用いたしません。安倍総理に、今この場で代替財源を示すよう強く求めます。
 さらに、地方自治と地域活性化に関する基本的認識についてお伺いいたします。
 安倍政権では、地方創生の名のもとに、まち・ひと・しごと総合戦略を策定し、東京一極集中を是正し、活力ある日本社会の維持を目指すとしています。しかし、地域の活性化の手法としての現状の地方創生総合戦略には大きな懸念を持たざるを得ません。
 国が定めた総合戦略を勘案して、努力義務とされた地方創生総合戦略を地方につくらせる国主導のやり方は、半ば強要され、その戦略の枠組みも、国の目標をもとに当てはめる集権的な手法となっており、しかも、政策を推進する財源は極めて少額かつ計画性が確保されていません。
 このような姿勢と施策では、地方発の自主的な取り組みが十分に発揮されることはできません。そして、現在も東京一極集中の流れはとまっていません。
 住民基本台帳人口移動報告の平成二十七年結果では、東京圏の転入超過数は約十一万九千人であり、東京圏の転入超過は二十年連続となっています。
 政府は、地方への移住促進も声高に叫んでいますが、東京一極集中是正の一環としている中央省庁の地方移転でさえ、消費者庁と文化庁の一部移転をも官僚側が抵抗しており、他の機関については連携の強化などでお茶が濁されようとしているではありませんか。
 現状を見る限り、安倍政権の地方創生は、アベノミクス同様に、かけ声倒れに終わると言わざるを得ません。
 安倍総理は、地方創生施策の現状をどのように捉え、地方創生が進まない根本原因をどのように考え、政府の方針と施策をどのように転換しようとしているのか、明快な答弁を求めます。
 次に、地方税法の改正について幾つかお聞きします。
 まず、地方法人課税の偏在是正についてであります。
 地方法人特別税を平成二十九年度より廃止し、法人事業税額の一部を市町村に交付する法人事業税交付金を創設し、また、法人住民税について、法人税割の税率を引き下げ、その相当分を地方法人税の引き上げにより、法人住民税のさらなる交付税原資化を進めるとしています。
 二つ、大きな問題があります。
 第一は、これで地方税収の偏在性が解消されるのか。
 これは、地方税収の多い団体から少ない団体に税収を移すという意味にすぎず、地方税源が充実するわけでも、税収の偏在が解消するものでもありません。
 このような、地方団体同士の税収を調整することで小手先の偏在是正を行うのではなく、地方税源総体としての安定確保と税源の抜本是正に踏み込んで改革を行う必要があるのではないかと考えますが、今回の法人住民税の交付税原資化による偏在是正措置で十分とお考えなのか、今後、国と地方の税源配分の抜本的な見直しを含めたさらなる偏在是正の取り組みを進めるお考えがあるのか、安倍総理にお聞きいたします。
 第二に、今回の改正では、一部の団体の税収が大きく落ち込むことになります。それらの団体からは大きな反発の声が上がっていることを政府の皆さんは御承知なのでしょうか。マクロでは差し引きの影響はないといっても、大きく減収となる個別自治体で見ると、財政運営上、極めて大きな影響が生じるものと思われます。地方財政は、個々の団体の財源対策をきめ細かく見ていく丁寧な配慮が必要であります。
 高市総務大臣は、記者会見で、地方交付税の交付団体には地方交付税として必要財源が措置されるので財政の支障が生じるものではないし、地方債を起こす特例も設ける、不交付団体は超過財源があるから財政運営に特段の支障が生ずるとは考えていない旨の御発言をされていますが、実態を確認されているのでしょうか。
 愛知県のある地方団体においては、税収が百億円減少するという試算も出されています。その地方団体では、国の推進する平成の大合併を英断してから十年、財政の健全化に努めてきても、不交付団体では合併交付税の延長特例も除外されるため、法人住民税の国税化は十年前には予見不可能だったわけであります。個々の地方団体で対応できる範囲を超えた理不尽なダブルパンチと言わざるを得ませんが、高市大臣の御所見を求めます。
 今回、影響の大きな自治体は産業立地に努力した団体が多いという点で共通し、全国から就職された方が急激に高齢化する特有の財政需要に対応しなければなりません。国の政策で翻弄される地方団体からは、自治体特有の事情を考慮した制度設計を求める大きな声が届いています。
 高市総務大臣にお尋ねいたします。
 総務省として、個別の団体にいつ、どのように説明し、事前に理解と納得を得たのか、また、不交付団体だから財政運営に特段の支障が生ずると考えていないとこの場で言えるのか、はっきりお答えをいただきたいと考えます。
 また、法人事業税額の一部を市町村に交付したり地方債を起こす特例を設けるといった、地方法人課税の偏在是正に伴い減収となる地方団体の激変緩和策について、さらなる財政措置を求める声が上がっています。そうした声にどのように応えていくのか、今後の地方への減収の激変緩和に向けた支援のあり方について、あわせてお聞きいたします。
 次に、農地保有に係る課税の強化と軽減についてお聞きいたします。
 今回の改正案では、農地法に基づく農業委員会による協議の勧告を受けた遊休農地について、正常売買価格に乗じられている割合を乗じないことによる課税強化と、所有する全農地に農地中間管理事業のための設置期間十年以上の賃借権等を新たに設定したものについて、固定資産税の課税標準の特例措置を講じることによる課税軽減を行う仕組みを導入しようとしています。
 この遊休農地に関する課税強化については、もともと収益性が低いなど、通常の農地より価値の低い資産でもあるものが多く、それに絞ってペナルティー的に課税することには疑問があります。
 そこで、安倍政権の農政政策の中で、今回の課税強化の狙うところについて、また、このような政策誘導を行ってまで農地保有に関する見直しを行うことについて、どのような効果を将来的に考えているのか、安倍総理にお聞きいたします。
 我々は、今後の地方財政に禍根を残さぬよう、国会で慎重かつ十分に審議し、その審議内容、政府見解等をよく吟味していくことを表明し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 近藤昭一議員にお答えいたします。
 今後の地方財政についてお尋ねがありました。
 今回の地方財政対策においては、地方団体が安定的な財政運営を行えるよう、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しました。
 同時に、アベノミクスにより来年度の地方税が増収となる中で、地方交付税について、前年度とほぼ同程度となる十六・七兆円を確保しつつ、財源不足を大きく減少させ、これによって臨時財政対策債の発行額を〇・七兆円減と大幅に抑制し、地方の一般財源の質も改善しました。
 今後とも、歳入面では、アベノミクスの成果を全国津々浦々に届けることにより、地方税収等のさらなる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで財務体質の強化を図ってまいります。
 地方団体が必要な行政サービスの提供と安定的な財政運営を行えるよう、引き続き、地方財政計画において適切に歳入歳出を計上し、地方が自由に使える財源の確保に取り組んでまいります。
 軽減税率制度の導入に伴う地方の財源についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率制度の導入に当たっては、軽減税率制度を創設する規定を盛り込んだ税制改正法案において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するとの観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずること等が規定されています。
 この法案の趣旨に沿って、国と地方の安定的な社会保障財源の確保の観点も踏まえ、政府・与党で歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいります。
 地方創生についてお尋ねがありました。
 地方創生は、晩婚化、晩産化や東京一極集中の傾向があるため、このままでは地方が消滅していくという危機感を持って、人口減少の克服と地域活性化を一体として実現することを目指す、これまでにない取り組みです。
 今般の取り組みは、地方の自主性、主体性を尊重しており、強要でも中央集権的でもありません。地方発の自主的な取り組みを、自由度の高い新型交付金や企業版ふるさと納税制度などの財政面に加え、情報面、人材面で支援してまいります。
 特に、東京一極集中是正の観点から、仕事と人の好循環を確立するため、地方における若い世代にとって魅力ある仕事の創出、企業の本社機能移転、政府関係機関移転を進めてまいります。
 これらを初めとしたあらゆる施策を連携させ、民間の力も大いに生かしながら、地方創生の動きを加速化してまいります。
 地方法人課税の偏在是正についてお尋ねがありました。
 アベノミクスによって、来年度の地方税収は、政権交代前から五兆円以上増加し、過去最高となりました。
 この果実を全国津々浦々にお届けするため、消費税率引き上げ時に、法人住民税の交付税原資化を一層進め、都市に偏りがちな税収の再分配を行うことで、過疎に直面する地方でも財源をしっかりと確保してまいります。
 今後とも、地方税の充実と、偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に努めてまいります。
 遊休農地に対する課税の強化の狙いについてお尋ねがありました。
 遊休農地の所有者のうち、農地法に基づく農業委員会の利用意向調査により、みずから耕作する意思や農地集積バンクに貸し付ける意思がないと認められ、農地集積バンクと協議することを勧告されたものについては、今回の改正案により課税が強化されることになります。一方、所有する全農地を十年以上農地集積バンクに貸し付けた場合には、課税が軽減されます。
 今回の改正案による課税の強化と軽減により、農地集積バンクを活用して、意欲ある担い手への農地の集積、集約化を加速し、農業の成長産業化が図られるものと考えています。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 近藤昭一議員からは、まず、地方法人課税の偏在是正措置による地方団体の減収等についてお尋ねがございました。
 今回の措置におきましては、法人住民税の交付税原資化をさらに進めるとともに、市町村の減収補填等の観点から、法人事業税の一部を都道府県から市町村に交付する制度を創設することといたしております。
 地方消費税率の引き上げ及びこの法人事業税交付金の創設により、多くの市町村では増収となりますが、法人住民税法人税割の税収の割合が大きい市町村においては減収が生じることもあり得ます。
 そのため、個別団体の事情に配慮し、法人事業税交付金について激変緩和のための措置を講ずるとともに、この改正に伴う減収額を対象に地方債を起こすことのできる特例規定を新たに設けることとしております。
 今回の措置は、安定的で偏在性の少ない地方税体系の構築を図るとともに、各地域での財源確保に資する大きな意義がある改正であり、御理解を賜りたいと思っております。
 次に、地方法人課税の偏在是正措置に関する地方団体への説明等についてお尋ねがございました。
 今回の措置は、民主党政権だった平成二十四年八月二十二日に、三党合意を経て成立し、公布されました税制抜本改革法を踏まえて実施するものでございます。平成二十六年度与党税制改正大綱におきましても、既にその方向性が示されていたものでございます。
 総務省では、今年度におきましても、総務大臣と地方六団体会長との会合や地方財政審議会の地方法人課税のあり方等に関する検討会など、さまざまな機会において、全国知事会や全国市長会などに対し、平成二十六年度税制改正大綱を踏まえ、偏在是正措置の方向性を御説明し、また、その御意見を伺ってまいりました。
 そして、さきに申し上げましたとおり、個別の団体の財政運営に特段の支障が生じないよう、法人事業税交付金に係る経過措置や、減収額を対象とした地方債の特例を設け、不交付団体も含めた配慮措置をしっかりと講じてまいります。
 今後も、これら配慮措置の内容や偏在是正措置の意義について、さらに御理解を深めていただけますように努めます。地方団体からの声にしっかりと耳を傾けてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 桝屋敬悟君。
    〔桝屋敬悟君登壇〕
○桝屋敬悟君 公明党の総務部会長、桝屋敬悟でございます。
 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する等の法律案につきまして質問をいたします。(拍手)
 初めに、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 まずは、平成二十八年度の地方財政の姿であります。地方団体が何より求めている一般財源総額については、平成二十七年度を一千億円上回る六十一兆七千億円が確保され、その中身においても、リーマン・ショック以前の水準まで回復した地方税、地方譲与税等の伸びの中、前年度とほぼ同程度の地方交付税総額が確保され、赤字地方債である臨時財政対策債の発行が大幅に抑制されるなど、地方財政の健全化が図られていると理解しますが、アベノミクスの新しいステージを迎えている今、平成二十八年度地方財政対策に対する安倍総理の御所見をお伺いします。
 アベノミクスの成果が見られる中、それでもなお、地方財政は財源不足が生じているのも事実であります。平成二十八年度末におきましても、地方の借入金残高は百九十六兆円が見込まれ、特に、臨時財政対策債の累積残高は五十二兆円と、年々高くなっているのであります。
 経済・財政再生計画の取り組みが進む中、地方財政においても健全化の推進が極めて重要な課題であります。臨時財政対策債についても、今後、縮減に向けて着実に取り組んでいく必要があると考えますが、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、地方創生についてお伺いします。
 昨年は地方創生元年、二十八年度は、各自治体みずからが策定いたしました総合戦略に基づき、具体的な実行段階に入る年であります。平成二十八年度地方財政計画において、引き続きまち・ひと・しごと創生事業費が確保されたことは評価したいと思います。同時に、二十八年度当初予算では一千億の地方創生推進交付金が計上され、また、既に二十七年度補正予算に計上された一千億の地方創生加速化交付金とあわせ、地方創生の実行段階にふさわしい予算規模であると地方からの期待の声が寄せられているところであります。
 こうした交付金は、KPIとPDCAサイクルを組み込んだ地方版総合戦略の実行を支援するものと考えますが、自治体における取り組みも区々としているところもあり、また、その取り組みも複数年にわたることから、財政支援にあわせ、人的支援や情報支援など、きめ細かな対応が求められるところであります。
 そこで、安倍総理にお尋ねいたします。
 地方創生加速化交付金と地方創生推進交付金は具体的にどのような支援策として展開されるのか、また、二分の一の地方負担が求められる推進交付金の地方負担についてどのように措置されるのか、明確な御答弁をお願いいたします。
 次に、普通交付税の算定についてお尋ねいたします。
 昨年六月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針二〇一五において、地方交付税制度にトップランナー方式を導入する旨の記載がなされ、年末の経済・財政再生アクション・プログラムの取りまとめとなりました。
 具体的には、地方交付税の基準財政需要額の算定に当たり、平成二十八年度は十六業務の単位費用の積算が見直されることになっております。地方行政サービス改革との視点は理解するものの、国勢調査による人口減少で大きな財政影響を受ける自治体が想定される中、トップランナー方式の導入により、単位費用への影響を危惧する自治体も多いと考えます。
 そもそも、標準的水準を求めて積算されてきた単位費用について、トップランナー方式の導入がどこまで理解されるのか、条件不利地域等地域の実情に配慮するなど、地方公共団体への影響を十分考慮する必要があると考えますが、総務大臣の御見解をお伺いします。
 東日本大震災からの復興は内閣の最重要課題であり、安倍総理も繰り返し、東北の復興なくして日本の再生なしと述べておられます。発災から五年、平成二十八年度から復興・創生期間として新たな段階に入ります。被災地の皆様が希望を持てる未来を切り開いていけるよう、我が党といたしましても、これまで以上に力を入れて取り組んでまいります。
 こうした中、震災復興特別交付税について、平成二十八年度において四千八百二億円を確保したとのことでありますが、この額は、被災団体が復旧復興事業を行うために十分な額とお考えでしょうか。総務大臣の御見解をお伺いします。
 次に、地方税法等の一部を改正する等の法律案についてお伺いします。
 まずは、地方消費税です。
 既に地方消費税については平成二十六年四月から引き上げられたところでありますが、引き上げ分の地方消費税収は全て社会保障に充当することが地方税法上明記されており、今後、決算書の説明資料等で明らかにされるものと理解をしております。
 この際、安倍総理から、地方消費税の引き上げ分も全て社会保障に充当されていることを明確に御答弁いただきたいのであります。
 その上で、軽減税率と地方消費税についてお伺いいたします。
 消費税の軽減税率制度の導入に必要な財源については、先ほどから話が出ておりますように、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより、安定的な恒久財源を確保するとされております。
 一方で、地方消費税と交付税原資となっている消費税に係る交付税法定率分を合わせると、引き上げ分の消費税収の約三割は地方の社会保障財源となっております。介護や子育て支援など、社会保障給付サービスの多くは地方団体が担っている現実を踏まえれば、地方の減収分についても安定的な恒久財源を確実に確保する必要があると考えます。
 この点は、私ども公明党も与党の一員として大きな責任を負っていると考えておりますが、軽減税率制度の導入に必要な財源の確保について、安倍総理の御認識をお伺いいたします。
 最後に、私も、地方法人課税の偏在是正について言わざるを得ません。
 安倍総理は、施政方針演説の中で、アベノミクスの果実を全国津々浦々にお届けする、消費税率引き上げ時に、地方法人税を拡充し、都市に偏りがちな税収の再配分を行うことで、過疎に直面する地方でも財源をしっかりと確保すると述べておられます。
 地方創生を進める上でも、地方団体の基盤となる地方税を充実することが重要でありますが、都市部を初めとする一部の自治体に税源が偏在した状況で地方税を充実させても、地方団体間の財政力格差はむしろ拡大することになりますので、地方消費税の充実を図りながら、地方税の中で特に偏在性の大きい地方法人課税のあり方を見直していくことが不可決であると考えます。
 また、地方法人課税の偏在是正は、地方団体の財政運営に支障を生じさせないように配慮する観点からも、アベノミクスの取り組みや地方消費税の税率引き上げにより税収増が見込まれる時期に一体として行うことが適切であり、今回の改正は時宜を得たものであると考えますが、今回の改正案で地方法人課税の偏在是正を行う意義について、改めて総理にお伺いします。
 一方、今回の改正により、法人住民税法人税割の税収が大きい不交付団体である一部の市町村にあっては減収となると見込まれております。国、地方を通じた厳しい財政状況の中にあって偏在是正を進めるためには、財政力の豊かな地方団体に御理解、御協力をいただくことが不可欠であります。現に、我が党にも厳しい声も届いているところであります。
 たとえ財政力豊かな地方団体であっても、その財政運営に支障が生じないよう配慮することも忘れてはならないと考えます。今回の措置により減収となる地方団体に対してどのように財政運営上の配慮をしていくのか、総務大臣にお伺いいたします。
 最後に、私ども公明党は、ただいま議題となっております両法律案に基づく平成二十八年度の地方財政対策をしっかりと活用し、それぞれの地域にあって活気ある温かな地域づくりが進むよう、党のネットワーク、総力を挙げて取り組むことをお誓いし、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 桝屋敬悟議員にお答えいたします。
 平成二十八年度地方財政対策についてお尋ねがありました。
 今回の地方財政対策においては、地方団体が安定的な財政運営を行えるよう、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しました。
 同時に、アベノミクスにより来年度の地方税が増収となる中で、地方交付税について、前年度とほぼ同程度となる十六・七兆円を確保しつつ、臨時財政対策債の発行額を〇・七兆円減と大幅に抑制し、地方の一般財源の質も改善しました。
 このように、国の財政も大変厳しい中にあって、地方が自由に使える財源をしっかりと確保できたものと考えております。
 地方創生の交付金についてお尋ねがありました。
 現在、地方みずからが数値目標やPDCAサイクルを組み込んだ地方版総合戦略を策定しています。この戦略には、各地方の特色を踏まえ、地域の仕事づくり、移住、定住、働き方改革、まちづくりなど幅広い分野で先駆的な取り組みが盛り込まれています。
 御指摘の地方創生推進交付金については、複数年度の事業計画に対して交付し、地方自治体の取り組みを安定的、継続的に支援してまいります。関係省庁の施策と連携し、柔軟に活用できるものとなっています。
 地方創生推進交付金の地方負担分については、地方交付税措置など地方財政措置を適切に講じます。
 地方創生は実行段階に入ります。情報、人材、財政面の支援などあらゆる施策を総動員し、地方公共団体の主体的で先駆的な挑戦を支援してまいります。
 引き上げ分の地方消費税収の使途についてのお尋ねがありました。
 消費税率引き上げによる増収分は、全額社会保障の充実、安定化に充てることにしております。
 御指摘の地方消費税についても、その引き上げ分は、地方税法に明記されているとおり、全て社会保障施策に要する経費に充てられ、これにより、地方の社会保障の充実、安定化が図られているものと考えています。
 軽減税率制度の導入に当たっての地方の社会保障財源の確保についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率制度の導入に当たっては、軽減税率制度を創設する規定を盛り込んだ税制改正法案において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するとの観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずること等が規定されています。
 この法案の趣旨に沿って、国と地方の安定的な社会保障財源の確保の観点も踏まえ、政府・与党で歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいります。
 地方法人課税の偏在是正についてのお尋ねがありました。
 平成二十八年度税制改正において、地方消費税率の引き上げに合わせて、法人住民税法人税割の交付税原資化などの偏在是正措置を講ずることとしており、都市に偏りがちな税収の再分配を行うこととしております。
 これにより、過疎に直面する地方でも財源をしっかり確保し、より安定的で偏在性の小さい地方税体系の構築を図ることとしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 桝屋敬悟議員からは、私に対して、まず臨時財政対策債についてお尋ねがございました。
 地方における巨額の財源不足が継続していることから、臨時財政対策債の発行残高は増加しており、平成二十八年度末には五十二兆円程度となる見通しでありますが、本来的には、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要です。
 このため、歳入面では、アベノミクスの成果を全国各地に行き渡らせ、地方税収等の増加を図るとともに、歳出面では、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、財務体質を強化することが必要でございます。
 平成二十八年度の地方財政対策におきましては、臨時財政対策債の発行を前年度から〇・七兆円の大幅減とするなど、地方財政の健全化に努めたところでございます。
 今後も地方財政の健全化に努め、国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び平成二十年度の状況をなるべく早く実現することを目指してまいります。
 次に、トップランナー方式の導入についてお尋ねがございました。
 トップランナー方式につきましては、平成二十八年度の地方交付税の算定から導入していくこととしており、導入に当たっては、財源保障機能を適切に働かせ、住民生活の安心、安全を確保することを前提として取り組むこととしております。
 平成二十八年度におきましては、多くの団体で民間委託等の業務改革に取り組んでいる十六業務について、業務改革を反映した経費水準を単位費用の積算に反映することとしております。
 算定に当たりましては、小規模団体等の地域の実情を踏まえるとともに、地方団体への影響などを考慮し、複数年かけて段階的に反映することとしております。
 次に、震災復興特別交付税についてお尋ねがございました。
 平成二十八年度の震災復興特別交付税は、被災団体の実情もお伺いしながら、国予算における直轄・補助事業の地方負担額やこれまでの実績見込み等をもとに積算した上で四千八百二億円を計上したものであり、被災団体が復旧復興事業を行うための十分な額を確保したと考えております。
 今後とも、被災地の復興に真に必要な事業の実施に支障が生じないよう適切に対応してまいります。
 最後に、地方法人課税の偏在是正についてお尋ねがございました。
 今回の偏在是正措置におきましては、都道府県間だけではなく、市町村間の地方法人課税の偏在の是正を図るため、法人住民税の交付税原資化をさらに進めるとともに、市町村の減収補填等の観点から、法人事業税の一部を都道府県から市町村に交付する制度を創設することとしております。
 御指摘のとおり、多くの市町村では増収となります一方、法人住民税法人税割の税収の割合が大きい団体におきましては減収が生じることもあり得ます。
 そのため、法人事業税交付金について、変動が急激に生じないよう経過措置を講ずるとともに、この税制改正に伴う減収額を対象に地方債を起こすことができるよう特例規定を設けることといたしております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 梅村さえこ君。
    〔梅村さえこ君登壇〕
○梅村さえこ君 日本共産党の梅村さえこです。
 私は、日本共産党を代表して、二〇一六年度地方財政計画外二法案について質問いたします。(拍手)
 まず、高市総務大臣による電波停止発言についてです。
 高市大臣は、一つの番組のみでも、政治的公平性に触れると政府が判断すれば、放送法第四条に違反するものとして、電波法に基づく電波停止も行い得ると繰り返し述べています。これは、憲法と放送法を真っ向から踏みにじるものです。
 憲法第二十一条が保障する言論、表現の自由に基づき定められた放送法は、権力による放送への介入を防ぐことを目的としたものであり、同法第四条は、政治的公平性など、放送事業者がみずから守るべき規範とすることを定めたものです。番組内容を政府が判断して放送事業に介入することなど、断じて許されません。高市大臣の発言と、それを正当化する政府統一見解の撤回を求めます。
 今、地方自治は歴史的な岐路にあります。
 日本国憲法は、戦前の中央集権的な地方制度への反省から、主権在民、個人の尊厳、平和主義を花開かせるため、地方自治を重要な柱と位置づけたのであります。ところが、今、この地方自治の根幹を揺るがしているのが安倍内閣による辺野古への米軍の新基地建設ではありませんか。
 戦後、基地の重圧に苦しめられてきた沖縄で辺野古に基地をつくらせないというのは、この間の選挙で示されたオール沖縄の民意であります。政府は、県民の民意を踏みにじり、地方振興策によって住民を分断し、基地建設に固執しています。これが地方自治を踏みにじるものでなくして何でしょうか。お答えください。
 次に、地方の再生についてお伺いいたします。
 地方の暮らしと経済は大変な状況に陥っております。これをもたらした原因は、歴代自民党政治が進めてきた農林水産行政の失敗、大企業の地方への進出と身勝手な撤退による地域経済の破綻、そして規制緩和による大規模開発と東京一極集中ではありませんか。また、市町村合併が周辺部を衰退させ、三位一体改革による地方交付税の削減が住民サービスの大幅な後退をもたらしたのではありませんか。さらに、安倍政権が実行した消費税八%増税と円安誘導による物価高が追い打ちを今かけております。
 これらの、自民党政治が行ってきた地方政策についての反省と検証について、お伺いいたしたいと思います。
 消費税一〇%への増税を中止し、TPPから直ちに撤退すべきです。
 地方の再生のために、小規模企業振興基本法に基づく支援策の強化、最低賃金の引き上げ、住宅リフォーム助成制度への財政的な支援や行政が発注する仕事で、ワーキングプアを出さない公契約を実現すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 地方自治体の一番の役割は、住民の福祉の増進です。住民も自治体職員もこのことを望んでいます。政府がやるべきことは、全国どの地域に住んでいても、憲法に基づく健康で文化的な生活が営めるようにナショナルミニマムを保障し、地方交付税制度の拡充を初め地方財源の確保を行うことであります。
 多くの自治体が力を入れている施策が子供の医療費助成制度です。現在では、全四十七都道府県、市町村でも、中学三年生までの実施率は、通院で六五・一%、入院では実に七八・六%になります。これは、三世代をも超える長年の母たちの、そして住民たちの粘り強い声と運動によって実現したものであります。
 本来、国の制度とすべきものであります。にもかかわらず、どうして国は、こうした自治体とお母さんたちの努力に水を差すような、国保の国庫負担額の減額調整、いわゆるペナルティーを科すのでしょうか。こんなことは納得できません。
 総理、今この場で、この減額調整、いわゆるペナルティーはやめると御決断いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 福祉切り捨ての国の路線を地方に押しつけているのが新公立病院改革ガイドラインです。総務省は、公立病院の新設、建てかえの病院事業債の元利償還金への交付税措置を使い、再編・ネットワークへ誘導しております。これは、国の病床削減計画に合わせ、公立病院の縮小を進めるものです。これでどうして地域医療を守れるのですか。医師、看護師を確保し、公立病院を運営するための財政支援を抜本的に強めるべきです。答弁を求めます。
 住民サービスを支えているのが自治体職員です。
 ところが、この二十年間、地方の職員総数は連続で削減され、来年度の地方財政計画ではさらに、一般職では二千六百人減の九十六万四千人とするとされております。
 この間、大規模災害が各地で相次ぎましたが、自治体職員が減らされたため、十分な情報と支援が被災者に行き届かない事例が生まれております。それでも、まだ減らそうというのですか。
 自治体の住民サービスの現場ではアウトソーシングが進められ、事務職、保育士を初め、公務の職場を支えているのは非正規職員であり、その多くが女性です。住民の福祉の増進という自治体の公的役割を果たすためには、正規職員をきちんと確保し、配置することが不可欠です。総理の答弁を求めます。
 ところが、総務省は、学校用務事務、学校給食、体育館や公園管理など二十三の業務でアウトソーシングを推進し、そうすれば安く済むとして、交付税の算定基準を引き下げようとしております。アウトソーシングの主要な手法である指定管理者制度については、二〇〇九年からの三年間に二千四百十五件もの取り消しなどの事例が明らかになるなど、さまざまな問題が既に指摘されているではありませんか。にもかかわらず、なぜ指定管理者制度や民間委託を交付税の算定基準とするのですか。こうしたトップランナー方式の導入はやめるべきです。
 都市政策とまちづくりの問題について伺います。
 政府は東京一極集中を是正すると言いますが、逆に、東京圏への人口流入はこの一年で約一万三千人もの転入増加が続いております。政府は、東京圏を国際競争のビジネス拠点等とする国家戦略特区構想を進め、リニア新幹線計画を国家プロジェクトとして推進しています。これでは、一極集中の是正どころか集中が加速するだけではありませんか。
 もう一つの問題は、コンパクト・アンド・ネットワークによるまちづくりです。コンパクトと称して、公共施設の統廃合をPPP、PFIの活用と一体で進めることは、住民の共有財産である公共施設を民間のもうけに明け渡すことになりませんか。交通網の再編は、採算がとれないバス路線などの縮小につながるのではありませんか。結局、周辺部を切り捨てることになるのではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、東日本大震災の被災者への支援についてです。
 東日本大震災から五年、被災者の暮らしとなりわいの再建がなければ、地域の復興はあり得ません。被災者へのきめ細やかな支援こそ求められており、そのための被災自治体に対する人的支援と財政支援をどのように図るのですか。総理の答弁を求め、以上、私の発言を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 梅村議員からは十九問御質問がございました。質問漏れのないようにお答えをさせていただきたいと思います。
 放送法第四条の政治的公平の解釈に関する政府統一見解の撤回についてお尋ねがありました。
 放送番組は放送事業者がみずからの責任において編集するものであり、放送事業者が自主的、自律的に放送法を遵守していただくものと理解しております。
 言論の自由を初め表現の自由は、日本国憲法で保障された基本的人権の一つであるとともに民主主義を担保するものであり、それを尊重すべきことは言うまでもありません。
 放送法第四条の政治的公平の解釈に関する政府統一見解は、従来の解釈を変更するものではなく、御指摘のような問題はないと考えており、撤回する必要はないと考えております。
 普天間飛行場の辺野古への移設についてお尋ねがありました。
 住宅や学校で囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければなりません。これは、政府と沖縄県との共通認識であると考えています。
 一日も早い全面返還を現実のものとするためには、辺野古への移設を着実に進める必要があります。
 政府が行っている代執行等の手続は地方自治法に基づくものであり、著しく公益を害する違法な行為を是正するため、法治国家として万やむを得ない措置であります。
 また、政府としては、辺野古移設の影響を緩和し、住民の生活の安定を図るため、地元の皆様の御要望に対してできる限りの配慮をすることは当然のことと考えています。
 政府としては、沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を粘り強く続けながら辺野古移設を進めており、住民を分断しているとか地方自治を踏みにじるとの御指摘は全く当たりません。
 地方再生についてお尋ねがありました。
 農林水産業については、その再生産を確保する観点から、累次の国際交渉において、米や畜産物などの重要品目を中心に関税撤廃の例外等の措置を確保するとともに、担い手の育成、生産コストの削減などの体質強化策や経営安定対策などを講じてきました。
 地方への企業誘致等を支援し、地域経済の活性化や雇用の創出に一定の成果を上げています。
 規制緩和による民間都市開発の誘導は、東京以外の都市も広く対象に、海外から人材や投資を呼び込み、都市の国際競争力を強化していくものです。
 平成の合併により市町村の規模が拡大したことで、行財政基盤の強化が図られ、住民サービスが向上しました。三位一体の改革については、地方の自立や地方分権の進展に資するものです。
 消費税率八%への引き上げによる増収分は、地方の社会保障を含め、全額社会保障の充実、安定化に充てることとしております。
 今後とも、物価が国民生活に与える影響を注視しつつ、好調な企業の収益を雇用・所得環境の改善につなげてまいります。
 来年四月の消費税率一〇%への引き上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものです。リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施します。
 TPPについては、新たに開かれるチャンスを我が国の経済再生や地方創生につなげてまいります。
 地域の経済と雇用を支える中小企業、小規模事業者に対して、固定資産税などの大胆な減税や新商品開発、下請中小企業の取引条件の改善など、あらゆる施策を総動員して支援します。
 最低賃金については、年率三%程度を目途として引き上げ、全国加重平均が千円となることを目指します。
 賃金は労使が自主的に決定するものであり、御指摘の、公契約を制度化することについては、慎重な検討が必要です。
 住宅リフォームについては、耐震改修やバリアフリー改修など、地方公共団体の助成制度に対して国が財政的に支援しています。
 以上のように、これまでの自民党の施策が農林水産業の破壊や地方の衰退等を招いているとの御指摘は全く当たりません。
 一方で、これまでの地域活性化策は、縦割り、全国一律、効果検証を伴わないなどの問題が指摘されていました。
 このため、今般の取り組みにおいては、地方の自主性、主体性を尊重し、地方みずからが数値目標やPDCAサイクルを組み込んだ地方版総合戦略を策定しています。
 政府は、自由度の高い新型交付金や企業版ふるさと納税制度などの財政面に加え、情報面、人材面で支援してまいります。
 これらを初めとしたあらゆる施策を相互に連携させ、民間の力も大いに生かしながら、地方創生の動きを加速してまいります。
 子供の医療費に係る国保の減額調整措置についてお尋ねがありました。
 この措置については、地方団体から見直しの要望もあり、現行制度の趣旨を考慮しながら、その扱いを検討する必要があると認識しています。
 このため、厚生労働省の検討会で、この措置も含め、子供の医療のあり方について幅広い観点から検討していると承知しております。
 公立病院改革についてお尋ねがありました。
 公立病院改革の目的は、地域における必要な医療提供体制の確保を図り、公立病院が安定した経営のもとに重要な役割を担い続けることができるようにすることです。そのため、経営の効率化や、地域の実情に応じて再編・ネットワーク化等を進めることは重要であると考えています。
 新公立病院改革ガイドラインは、この目的実現のためお示ししたものであり、そのために必要な地方財政措置を適切に講じることとしています。
 地方自治体における正規職員確保についてお尋ねがありました。
 地方自治体における行政ニーズは、多様化、高度化しています。同時に、働く側においても、さまざまな働き方へのニーズがあるものと承知しています。
 これらのニーズに応えるため、地方自治体においては引き続き、いわゆる正規職員を適切に配置するとともに、必要に応じ臨時、非常勤職員を任用するなど、それぞれの組織において最適な人員構成を実現することが重要であると考えています。
 東京一極集中についてお尋ねがありました。
 東京一極集中を是正するため、地方における若い世代にとって魅力ある仕事の創出、企業の本社機能移転、政府関係機関移転を進めています。
 一方で、東京圏をビジネス拠点として強化し、国際的な都市間競争に打ちかっていかなければ、日本全体が貿易・投資のグローバルハブとしての機能を維持していけなくなります。これは、地方がその魅力を内外に発信するために欠かせないインフラです。
 東京圏の国際競争力強化と地方創生は、相反する政策ではなく、むしろ車の両輪です。東京圏で国家戦略特区を活用してグローバル企業の開業を促し、リニア新幹線によって日本全国の時間距離を縮めることで、日本全体の国際競争力を高め、地方創生の動きを一層加速化してまいります。
 まちづくりについてのお尋ねがありました。
 PPPやPFIについては、公共施設の統廃合の際を含めて活用することで、民間の資金や創意工夫を活用し、地域の活性化や住民福祉の向上を図ってまいります。
 コンパクトなまちづくりと連携した公共交通機関の再編については、コミュニティーバスなど多様な交通手段の導入や、都市機能の集約された拠点と居住エリアを結ぶニーズに合致した輸送サービスの提供により、地域の活力維持を図ります。
 いずれも、厳しい財政状況の中で質の高い公共サービスを提供する取り組みであり、公共施設を民間のもうけのために明け渡す、地方の周辺部を切り捨てるといった御指摘は当たりません。
 東日本大震災の被災自治体への人的支援と財政支援についてお尋ねがありました。
 被災自治体に対する人的支援については、全国自治体からの職員派遣に係る経費を国において負担するとともに、専門性を有する公務員OB、民間実務経験者等を活用し、幅広い方面からの人材確保に取り組んできたところです。
 引き続き、被災自治体の声をしっかり伺いながら、その一層の強化を図ってまいります。
 また、平成二十八年度以降の復興・創生期間においても、五年間の事業規模を六・五兆円と見込み、財源をしっかりと確保し、その中で、被災自治体への十分な財政支援を講じることとしています。
 被災自治体におかれては、今後とも安心して復興に進んでいただきたいと考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 梅村さえこ議員からは、まず、私の国会答弁及び放送法第四条の政治的公平に関する政府統一見解の撤回についてお尋ねがございました。
 表現の自由は、日本国憲法第二十一条で保障された基本的人権の一つであり、これを尊重するのは当然のことでございます。
 これを受け、放送法第一条の目的規定では、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって表現の自由を確保することを規定しております。
 また、憲法第十二条は国民の自由及び権利の公共福祉性を、そして第十三条は個人の尊重と公共の福祉を定めており、これらも受けて、放送法はその目的として、公共の福祉に適合するよう規律することを規定しております。
 放送法は、民主党政権時代の平成二十二年に改正をされたものでございますが、当時の政権におかれましても、放送法第四条は法規範性があるという考え方を示してこられたところであり、同条の違反による放送法第百七十四条や電波法第七十六条の適用については、正当な表現の自由を制限することがないよう、極めて慎重な配慮のもと運用すべきである旨の答弁がなされてまいりました。
 私も、去る二月九日の衆議院予算委員会で、慎重な運用の必要性につき、同様の答弁をさせていただいたところでございます。
 私の国会答弁は、過去の国会答弁を踏襲しており、撤回する必要はないと考えております。
 また、放送法第四条の政治的公平の解釈に関する政府統一見解でございますが、従来の解釈を変更するものではなく、従来の解釈を補充的に説明し、より明確にしたものであり、御指摘のような問題はないと考えており、撤回する必要はないと考えております。
 次に、公立病院改革についてお尋ねがございました。
 新公立病院改革ガイドラインは、地域において必要な医療提供体制の確保を図り、その中で、公立病院が安定した経営のもとに重要な役割を継続的に担っていくことができるようにするため、地方自治法に定める技術的な助言としてお示ししたものでございます。
 公立病院の再編・ネットワーク化は、地域全体として必要な医療サービスを提供するために重要な取り組みであることから、通常の整備の場合と比較して手厚い地方財政措置を講じることとしています。
 次に、地方の定員削減についてお尋ねがございました。
 各地方公共団体の定員管理につきましては、地域の実情を踏まえつつ、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むよう助言をしているところでございます。
 地方公共団体におきましては、総職員数を抑制する中におかれましても、消防、警察部門や防災に携わる職員数は増加するなど、行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行っているところでございます。
 引き続き、各団体において、効率的で質の高い行政の実現に向けまして、適正な定員管理の推進に取り組むことが重要だと考えております。
 最後に、トップランナー方式の導入についてお尋ねがございました。
 地方財政が依然として厳しい状況にある中で、引き続き行政の効率化を進めるため、昨年八月に総務大臣通知を発出し、民間委託や指定管理者制度導入等の業務改革に努めるよう各地方公共団体に要請をいたしました。
 こうした中で、地方交付税の算定におきましては、業務改革を行っている団体の経費水準を基準財政需要額の算定基礎とすることにいたしました。
 今回対象とした業務におきましては、既に多くの団体が業務改革に取り組んでおられまして、それぞれの団体において、地域の実情を踏まえ、工夫をしながら適切に行っていると承知をしております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 木下智彦君。
    〔木下智彦君登壇〕
○木下智彦君 真のおおさか維新、おおさか維新の会の木下智彦です。
 私は、おおさか維新の会を代表いたしまして、ただいま議題となりました本法案につき質問させていただきます。(拍手)
 我々おおさか維新の会は、東京一極集中の是正と多極分散型の国家の実現を本気で目指しております。そのため、党本部を東京以外の都市に置き、地方自治体の首長が代表を務め、地方分権を本気で実現する覚悟を示すため、党名におおさかの文字を冠しております。
 我々が目指す地方の自立のため、税源と権限の地方への大幅な移譲が不可欠です。このため、安定財源として消費税を地方財源とし、社会保障や教育に関する事務を地方に移譲するとともに、地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、各地方間の格差は水平的な財政調整で行うべきと考えております。
 以上のような考え方から、まず、地方交付税法等改正案、特に臨時財政対策債の問題につきお伺いします。
 本法案で、一般財源総額につき、臨財債の発行は、昨年比で七千三百億円の減となっており、一定の評価はいたしますが、いまだに臨財債の発行残高は四十兆円を超え、五十兆円に届こうかとしております。
 臨財債の残高につき、これまでも繰り返し、将来の地方一般財源の先食いだが、これをどうするのかと質問してきました。これに対する政府の答弁は、地方財政健全化の視点から課題があり、折半分の臨財債を発行しなかった平成十九年度、二十年度の状況をなるべく早期に実現するためあらゆる工夫をすべきというものでした。
 改めて、総務大臣にお伺いします。臨財債残高の減少のため、具体的には何をされるのでしょうか。期限や計画、必要な施策につき御答弁ください。
 さらに、臨財債についてもう一点お伺いします。
 昨年の大阪府知事、大阪市長のダブル選挙において、臨財債の増加が地方の首長の責任であるかのような批判を展開する陣営がありました。
 そこで、総務大臣に質問いたしますが、そもそも、臨財債の増減は地方の責任であるのか、国の責任であるのか、御認識をお伺いします。
 また、一般的に言って、公債発行の権限や責任が国なのか地方なのか曖昧になるような制度は、財政規律上極めて大きな問題ではないかと考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 次に、地方税法等改正案についてお伺いします。
 今回の改正案で、地方税である法人住民税の法人税割の税率を引き下げ、引き下げ相当分について、国税である地方法人税の税率を引き上げ、これを地方交付税の財源にするとしています。つまり、地方税である法人住民税から、国税である地方法人税への移転が強化されることになります。
 平成二十六年度改正で導入された地方法人税の趣旨は、法人住民税が法人税に連動しているため、税収に地方間格差が大きいので、国に一旦税収を集中させて交付税財源とするというものでした。
 法人住民税で地方ごとの税源に偏りが生じるというのであれば、そもそも法人への課税は地方の安定財源として望ましくないということになるはずです。この考え方からすれば、地域差や景気による左右の少ない消費税こそ地方移譲すべきと考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 次に、固定資産税についてお伺いします。
 平成二十八年度税制改正の大綱においては、中小企業等が新規に取得した一定の機械、装置の固定資産税について、課税標準を三年間二分の一とする特例措置を新設するとしています。こうした償却資産への固定資産税課税の制度は、赤字企業を含めた地方の中小企業に重い負担であるため、従来から廃止の要望も強いところですが、制度自体は堅持するとのことです。
 これらの設備への固定資産税減免は、消費税を初めとする他の安定財源を確保した上で、今回のような時限措置ではなく、制度の恒久化も検討すべきではないかと考えますが、総務大臣の御所見をお伺いします。
 固定資産税についてもう一点、遊休農地の課税強化についてお伺いします。
 今回の改正案では、一部の遊休農地の評価方法を変更し、固定資産税を一・八倍にするとのことです。しかし、対象となる農地は、各地の農業委員会が耕作等の見込みがないと判断し、所有者に対して、いわゆる農地バンクとの協議を勧告した土地に限定されています。この勧告制度は、所有者の耕作意思の確認が難しいことなどから、制度開始の平成二十六年から現在まで勧告件数はゼロで、今後も少数にとどまると言われています。
 これでは、実際には農地集約の効果は望めないのではないですか。総理の御認識をお伺いします。
 我々おおさか維新の会は、地方財政の分野でも提案型責任政党としての姿勢を貫きます。
 臨財債の問題については、消費税の地方移管、地方交付税の廃止と地方間での水平的財政調整によって地方の財政的自立の実現を図り、国と地方の財政運営の責任を明確にすべきです。
 また、地方法人税の問題についても、消費税を地方の基幹的な税源と位置づけるとともに、地方間格差の是正のためには、地方税収の国への吸い上げではなく、地方間の水平的財政調整で行うべきです。
 固定資産税については、地方税源の安定確保を行いつつ、経済成長を促す制度改正を行い、既得権への非効率な支援は即刻廃止すべきです。
 本会議場、この神聖なるところで、あたかも一人で会議をされているような発言を繰り返される方がいらっしゃいますが、総理並びに政府におかれましては、私どもの提案を真摯に受けとめていただき、速やかな対応を望み、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 木下智彦議員にお答えをいたします。
 臨時財政対策債についてお尋ねがありました。
 地方の財源不足については、国と地方の責任分担の明確化、財政の透明化等の観点から、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により、国と地方が折半して補填することとしております。
 臨時財政対策債は、地方団体ごとの借入限度額のルールを国が定めているものの、地方の借金であり、地方の負担により償還すべきものであることから、公債発行の権限や責任が曖昧な制度ではないと考えております。
 消費税の地方移譲についてお尋ねがありました。
 消費税は、社会保障・税一体改革において、引き上げ分の税収について、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて、国と地方にそれぞれ配分することとされました。
 この消費税を全額地方に移管するのであれば、社会保障について地方に大きな責任を担っていただく必要がありますが、これは、結果的に大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねないことから、極めて慎重な検討が必要と考えております。
 遊休農地に対する課税の強化についてお尋ねがありました。
 遊休農地の所有者のうち、農地法に基づく農業委員会の利用意向調査により、みずから耕作する意思や農地集積バンクに貸し付ける意思がないと認められ、農地集積バンクと協議することを勧告されたものについては、今回の改正案により課税が強化されることになります。
 この利用意向調査の過程で、勧告されると固定資産税額がふえることを周知することによって、勧告に至ることなく遊休農地が解消され、農地の集積、集約化が加速されることにつながるものと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 木下智彦議員にお答えをいたします。
 まず、臨時財政対策債残高の減少のための取り組みについてお尋ねがございました。
 地方におきましては、巨額の財源不足が継続していることから、臨時財政対策債の発行残高は増加しており、先ほど申し上げましたが、平成二十八年度末には五十二兆円程度となる見通しですが、本来的には、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要でございます。
 このため、歳入面では、アベノミクスの成果を全国各地に行き渡らせ、地方税収等の増を図るということが必要です。
 また、歳出面では、国の取り組みと基調を合わせ、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、財務体質を強化していくことが必要でございます。
 平成二十八年度の地方財政対策においての取り組みは、先ほど議員からお話があったとおりでございますが、今後も地方財政の健全化に努めまして、まずは、国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しないで済む状況というものをなるべく早く実現するということを目指してまいります。
 次に、臨時財政対策債の責任の所在についてお尋ねがございました。
 地方の財源不足に対しましては、平成十二年度までは交付税特別会計借入金により対応し、その償還金を国、地方で折半して負担をしてきました。
 しかしながら、平成十三年度からは、国と地方の責任分担の明確化や財政の透明化といった観点から、地方の財源不足に対しては、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により、折半して対応してきております。
 臨時財政対策債は、国が各地方団体の財源不足額及び財政力を考慮して借入限度額のルールを定めているというものではございますが、地方団体により発行される地方債でございますので、地方の借金ということになります。
 最後に、機械、装置に対する固定資産税の特例措置についてお尋ねがございました。
 ローカル・アベノミクスのさらなる浸透による地域経済の活性化に向けて、地域の中小企業による設備投資の促進を図るということが重要でございます。
 このため、平成二十八年度税制改正において、中小企業者等が生産性向上に資する一定の機械、装置を取得した場合に、固定資産税の課税標準を最初の三年間価格の二分の一とする時限的な特例措置を創設することとしております。
 一方で、固定資産税は、償却資産分だけでも約一・五兆円、そのうち機械、装置分は約七千億円と、地域に密着して住民サービスを提供する市町村にとっては重要な基幹税でございます。地方六団体からは現行制度堅持の強い御意見をいただいておりますことから、地方税制改正大綱におきまして、特例措置は時限的なものにとどめ、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持することとされたところでございます。(拍手)
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       総務大臣     高市 早苗君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  萩生田光一君
       総務副大臣    土屋 正忠君

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