190回通常国会 衆議院本会議 第10号-国会発言議事録

   

スポンサーリンク

第190回国会 本会議 第10号
平成二十八年二月九日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成二十八年二月九日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案(河村建夫君外十五名提出)
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○伊藤忠彦君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 河村建夫君外十五名提出、北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(大島理森君) 伊藤忠彦君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案(河村建夫君外十五名提出)
○議長(大島理森君) 北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。河村建夫君。
    ―――――――――――――
 北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔河村建夫君登壇〕
○河村建夫君 私は、提出者を代表いたしまして、ただいま議題となりました北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 北朝鮮が、先月の四回目の核実験に続き、今回、人工衛星と称する弾道ミサイル発射を強行したことは、極めて遺憾であり、断じて容認することはできません。
 以下、案文の朗読をもちまして趣旨の説明にかえさせていただきます。
    北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案
  二月七日、北朝鮮は我が国をはじめ国際社会からの強い自制の申入れにもかかわらず、「人工衛星」と称する弾道ミサイル発射を強行した。これは、我が国を含む地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なう重大な挑戦である。また、今回の発射は、一連の国連安保理決議及び日朝平壌宣言に違反するとともに、六者会合共同声明の趣旨に反するものである。我が国として断じて容認できず、北朝鮮に対し、厳重に抗議し、強く非難する。
  本院は日本国民を代表して、今般の弾道ミサイル発射に対し重ねて厳重に抗議し、北朝鮮には、弾道ミサイルの開発を直ちに断念するよう強く求める。
  さらに、一連の国連安保理決議を踏まえ、国際社会が結束した外交努力を展開し、平和的な解決に全力を挙げるべきである。政府は、拉致問題を含む人権侵害を明記した、新たな制裁措置を含む安保理決議が早急に採択されるよう、関係国と連携し早急な折衝を加速させるべきである。また、我が国においても、政府が独自の対北朝鮮制裁措置をとることを通じて、北朝鮮による核・ミサイル・拉致問題の早急かつ包括的な解決を図るために、総力を挙げた努力を傾注することを求める。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 この際、内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣安倍晋三君。
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御決議への所信を申し述べます。
 今般、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を強行しました。断じて容認できません。明白な安保理決議違反であり、我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威です。日朝平壌宣言に違反し、六者会合の共同声明にも反するものです。強く非難します。
 政府としては、北朝鮮に対して、直ちに厳重に抗議するとともに、国連安保理に対し、米国、韓国とともに緊急会合の開催を要請し、北朝鮮を強く非難する声明が採択されました。
 安保理決議に関しては、安保理の非常任理事国として、拉致問題を初めとする北朝鮮の人権問題に関する国際社会の懸念を反映し、北朝鮮が再び挑発的な行動を繰り返すことのないような強い安保理決議が一日も早く採択されるよう、米国、韓国を初め、中国、ロシアなど関係国とも一層緊密に連携してまいります。
 拉致問題は、安倍政権の最重要課題です。一日も早い全ての拉致被害者の帰国を求めてきましたが、いまだ解決に至っていません。
 このような状況を踏まえ、政府としては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のため、我が国独自の措置を課す方針を固めました。具体的内容の検討を速やかに進め、北朝鮮に対して、毅然かつ断固たる措置をとってまいります。
 ただいまの御決議の趣旨を体し、北朝鮮に対して、安保理決議を完全に履行し、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するよう強く求めてまいります。同時に、国際社会に対しても、安保理決議に基づく制裁措置を完全に履行するよう強く求めてまいります。
 政府としては、引き続き、全力を挙げて、我が国の平和と国民の安全の確保に万全を期してまいります。(拍手)
     ――――◇―――――
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げさせていただきます。
 政府は、東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源を確保するため、復興債の発行期間を平成三十二年度まで延長する等の措置を講ずることとするとともに、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、平成二十八年度から平成三十二年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、復興債の発行期間を平成三十二年度までの五年間延長するとともに、財政投融資特別会計投資勘定から国債整理基金特別会計への繰入金及び日本郵政株式会社の株式処分収入を復興債の償還費用に充てる等の規定を整備することといたしております。
 第二に、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標や経済・財政再生計画を踏まえ、平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間、各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行できるようにする等の規定を整備することといたしております。
 以上、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松本洋平君。
    〔松本洋平君登壇〕
○松本洋平君 自由民主党の松本洋平です。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案について、安倍総理及び関係大臣に質問をいたします。(拍手)
 質問に先立ち、一昨日発生した北朝鮮による弾道ミサイル発射について申し上げます。
 我が国を初め国際社会は、北朝鮮に対して、関連の国連安保理決議などを遵守し、核実験や弾道ミサイル発射などの挑発行為を行わないよう繰り返し要求してきました。しかしながら、先日の核実験の実施に続いて、一昨日弾道ミサイルの発射を強行したことは、我が国の安全保障に深刻な脅威を及ぼすとともに、東アジアを初め世界の平和と安全を著しく損なうものであり、断じて容認することはできません。
 我が党は、一昨日のミサイル発射の後、速やかに谷垣幹事長を本部長とする北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部を開催し、情報の収集、現状の把握をするとともに、緊急党声明を発表し、政府への申し入れを行いました。
 政府としては、ただいまの国会決議を踏まえ、国際社会との連携を図り、拉致、核、ミサイルに対する断固たる対応を実施するよう要望いたします。
 また、台湾の南部において、二月六日の未明にマグニチュード六・四の地震が発生しました。多くの方が犠牲となり、負傷をされました。今なお、多くの行方不明者が存在し、懸命な救助活動が実施されています。こうした困難に直面している台湾の皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 言うまでもなく、台湾の皆様から、我が国が東日本大震災という未曽有の災害に直面した際、大きく温かい支援をいただきました。今回の台湾南部で発生した地震において、東日本大震災の被災地においても恩返しの募金活動や、各自治体による支援等の輪が広がっているところです。
 安倍総理は、二月六日午前、馬英九総統にお見舞いのメッセージを送り、外務省及び関係省庁から直ちに情報収集のための出張者を現地に派遣するなどの対応を行ってまいりました。また、昨日、菅官房長官が、災害救助及び復旧復興のため、台湾赤十字社などに百万ドル規模の支援を実施する旨、表明をいたしました。
 引き続き、台湾に対する適切かつ迅速な支援を強く要望いたします。
 それでは、質問に入ります。
 政権交代以降、安倍内閣は、財政健全化と経済再生の両立を推進してきました。アベノミクスにより、実質GDPは十二兆円、名目GDPは二十八兆円増加し、企業収益は過去最高、倒産件数も二年連続で一万件を下回っています。また、賃上げ率は二年連続で前年を上回り、足元では有効求人倍率が一・二七倍と二十四年ぶりの高水準となるなど、雇用・所得環境も改善しています。
 こうした経済成長により、国の税収が十五兆円増加する一方で、社会保障改革を初め歳出の伸びの抑制にも努め、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標を達成する見込みです。平成二十八年度予算では、平成二十四年度当初予算と比べ、特例公債の発行額も十兆円減額しています。財政健全化は着実に進んでいると言えます。
 その一方で、我が国の財政は依然深刻であり、ここで手綱を緩めるわけにはまいりません。今後は、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標に向けて、経済・財政一体改革をさらに推進していく必要があります。その際、社会保障関係費が年々増加していく中にあって、一層の歳出改革に取り組むことが鍵になると思います。
 この黒字化目標の達成に向けて、今後どのように取り組んでいく方針か、総理に見解をお伺いいたします。
 さて、今申し上げたとおり、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標に向けて財政再建を進めることは極めて重要ですが、二〇二〇年度の目標を達成したとしても、歳出と税収などのギャップは依然として大きく、残念ながら、当面は特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。このため、引き続き特例公債発行の根拠法が必要です。
 特例公債法は、かつては毎年度立法を行っていましたが、現行法については、自公民三党での議論の結果、議員修正により、二〇一二年度から二〇一五年度までの四年間の特例公債の発行を認めております。
 今回の改正法案により、二〇二〇年度までの間、特例公債を発行できるようにするということですが、このように五年間の特例公債発行の根拠規定を盛り込む理由につきまして、麻生財務大臣に見解をお伺いいたします。
 当初予算で特例公債の発行が始まったのは、今からちょうど四十年前の昭和五十一年度予算です。以来、バブルの一時期を除き、特例公債を発行し続けてきましたが、特例公債の発行で得たお金は、将来世代に資産を残すことに充てられるのではなく、現在の世代が費消してしまっているものです。
 政府には、それを忘れることなく、引き続き特例公債の発行の縮減に取り組んでいただくことが重要であると考えますが、麻生財務大臣の決意をお伺いいたします。
 さて、今回の法案は、今後五年間の復興債の発行など、復興財源の確保に必要な法制上の措置を講ずるものでもあります。法案に盛り込まれた措置も含め、必要な復興財源をしっかり確保し、復興を加速化させていかなければなりません。
 来月には東日本大震災の発生から丸五年となりますが、政府は、今後五年間を新たに復興・創生期間と位置づけています。新たなステージを迎えて、今後どのように被災地の復興に取り組んでいく方針か、総理に見解をお伺いします。
 被災地では、インフラ復旧などのハード面での復興は着実に進んでいますが、産業の復興、創出、なりわいの再生など、被災地の自立につながる支援にも今後一層力を入れていく必要があると考えております。
 東北は、農林水産業や商工業、観光産業など、高いポテンシャルを持った地域であることは間違いがありません。復興・創生期間において、被災地の自立を進めるという観点で、どのような課題を重点的に支援していく方針か、総理の見解をお伺いいたします。
 安倍内閣では、総理のリーダーシップのもと、これまで、経済再生、財政健全化、被災地の復興という三つの難しい課題に同時に取り組み、いずれも大きな成果を上げてきました。
 今後、二〇二〇年度にかけて、それらを前進させていくことにより、我が国の将来が明るく、持続可能なものであることを示し、国民皆様の心に安心と希望の明かりをさらに力強くともすことが重要です。
 そのため、我々与党としても、経済再生、財政健全化、復興の加速化に全力で取り組んでいく決意を申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松本洋平議員にお答えをいたします。
 財政健全化についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣では、経済再生と財政健全化の両立を図ってきた結果、政権交代前と比較して、新規国債発行額を十兆円減額するとともに、二〇一五年度の予算を基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算とすることができました。
 二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化に向けては、成長戦略を着実に実施することで名目三%以上の経済成長を目指すとともに、歳出改革を着実に推進してまいります。
 その際、社会保障についても聖域化させることなく、効率化や無駄の排除を行っていきます。
 また、計画の中間時点である二〇一八年度において改革の進捗状況を評価することとしており、必要な場合は、デフレ脱却・経済再生を堅持する中で、歳出歳入の追加措置等を検討することとしています。
 今後とも、経済再生なくして財政健全化なしとの方針のもと、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、二〇二〇年度の財政健全化目標を実現してまいります。
 東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興は、安倍内閣の最重要課題であります。住まいの再建やなりわいの復興が本格化する中、本年四月からは、いよいよ後期五カ年の復興・創生期間が始まります。
 被災地の自立につながるよう、引き続き、産業の創出やなりわいの再生などに向けた支援を行うとともに、本年を東北観光復興元年として、観光復興に向けた取り組みの強化を図ってまいります。
 福島の原子力災害被災地域では、来年春までに、帰還困難区域を除く避難指示を解除し、一人でも多くの方にふるさとに戻っていただくことを目指します。
 このため、廃炉・汚染水対策、除染、中間貯蔵施設の建設、生活インフラの復旧、なりわいの復興、イノベーション・コースト構想の推進に全力で取り組んでまいります。
 これらの実現のため、今回の法案では、復旧復興事業について、五年間で六・五兆円の財源をまとめて確保することとしているところです。
 東北の復興なくして日本の再生なし。復興・創生期間においても、被災者の方の体の健康や不安な気持ちの解消にこれまで以上に心を砕きながら、被災地の皆さんのふるさとへの思い、復興への熱意をこれからも全力で応援してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 特例公債の発行期間を五年間とする考え方についてのお尋ねがあっております。
 現行の特例公債法は、平成二十四年十一月の民主党、自民党、公明党の三党確認書に基づく議員修正により、二〇一五年度プライマリーバランス赤字半減目標を踏まえ、発行期間を二〇一二年度から二〇一五年度までの四年間にしたと承知をいたしております。
 今回の特例公債法の改正案は、このような三党でお決めいただいた現行の枠組みを引き継ぎ、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標に向けて財政健全化に取り組んでいくことを踏まえて、安定的な財政運営を確保する観点から、特例公債の発行を二〇二〇年度までの五年間とすることとしたものであります。
 特例公債の発行抑制についてのお尋ねがありました。
 松本議員の御指摘のとおり、特例公債の発行収入は、将来世代に資産を残すためではなく、負担を先送りしているものであり、その抑制に努めることは当然であります。
 特例公債法においてその発行抑制に努めることが規定されており、今後も、経済・財政再生計画のもと、財政健全化を進め、特例公債の発行抑制に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 鷲尾英一郎君。
    〔鷲尾英一郎君登壇〕
○鷲尾英一郎君 民主党の鷲尾英一郎です。
 私は、民主・維新・無所属クラブを代表して、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)
 財政法四条では、国債を発行することを禁じています。ただし書きで、公共事業費等は国会の議決を経た金額の範囲内で国債発行が可能としています。いわゆる建設国債です。
 国の資産を形成するものであり、後の世代も利用し、便益を受けるから発行してもいいという理屈に基づくものですが、借金は借金であります。節度は持たなくてはなりません。費用と便益を比較考量し、限られた資源を有効に活用せねばなりません。
 しかし、自民党政権は、バブル崩壊後、目先の景気対策に終始し、中長期的な経済成長から国民の目を背け、国債残高はうずたかく積み上がりました。
 建設国債に加えて、赤字国債も同様です。赤字補填目的で国債を発行することは原則として禁じられています。しかし、自民党政権は、少子高齢化で財政状況が苦しくなることはわかっていながら、国民に不人気な歳出削減、増税を先送りし、この禁じ手をみずからの政権維持のために使い続けてきました。その結果、もはや赤字国債の発行なくして経済財政運営が不可能な状況に陥っています。
 我が党は、政権与党となり、将来世代への責任を深く認識し、未曽有の大震災やねじれ国会などの事態に苦悩しながら、あえて、国民に不人気な歳出削減、増税にも取り組んでまいりました。国論を二分する課題は、党派を超えた安定的な枠組みのもとで協議しなければならないとの認識のもと、当時野党だった自民党、公明党に呼びかけを行いました。当時の谷垣自民党総裁も同じ問題意識のもと協力していただき、三党協議を重ね、合意に到達しました。
 しかし、二〇一二年末に政権の座に返り咲いた安倍総理は、数を頼みに、我が党には事前の相談もなく、一昨年末、消費税一〇%先送りを表明し、今回また、軽減税率の導入を決定しました。
 軽減税率は、与党内にも批判する声があると聞きます。三党合意の枠組みを再度生かして、もう一度議論し直すことこそ将来世代のためになると考えますが、三党合意の枠組みをどう評価されているのでしょうか。もう一度、与野党の垣根を越え、社会保障と税の一体改革について議論すべきと考えます。枠組みは今も生きていると考えているのでしょうか。安倍総理の認識を伺います。
 総理は、財政健全化について質問をすると、新規国債発行額が税収を上回るという異常な状態を解消することができたと自画自賛し、さも財政健全化が進んでいるように吹聴されます。しかし、国民の前で過度な楽観論を展開するのはいいかげんにおやめいただきたい。
 リーマン・ショックから徐々に回復していけば、税収が新規国債発行額を上回る状態になることは、もともと予想されていたことです。民主党政権下、平成二十四年八月の内閣府の中長期試算では、今で言うベースラインケースにおいても、二十六年度には歳出と税収等との差額を税収が完全に上回る姿が示されていました。
 問題は、その先の話です。ベースラインケースでは、国債等残高対GDP比は発散していきます。これは、民主党政権における試算でも、安倍政権になってからの試算でも、変わりない姿です。
 そして、これまでの安倍政権の経済運営の実績は、ほぼベースラインケースどおりです。日本再興戦略で、十年間の実質成長率を平均二%程度にすると掲げていました。現実は、二〇一二年十―十二月期から二〇一五年七―九月期平均で〇・八%しか成長していません。消費税引き上げから二年弱たった今、もう消費税を言いわけにすることはできません。今後の経済財政運営に当たっては、アベノミクスの総括が必要です。
 まず、第一の矢、異次元の金融緩和により、総理は、デフレマインドがインフレマインドに変えられるとおっしゃっていました。持っているとお金の価値が下がるので、企業は投資をする、消費者は消費をする、そのことで企業収益は上がり、賃金は上昇し、それが国民各層に恩恵をもたらすと説明されていました。
 現実はというと、実質賃金は、二〇一三年五月から二〇一五年四月まで、実に二年間もマイナスを記録しました。二〇一五年七月に一旦プラスになったものの、十一月はまたマイナスを記録しました。指数で見ると、二〇一〇年を一〇〇としたとき、二〇一五年十一月は八二・九です。実に二割近く実質的に賃金が減っているのです。この原因をどう説明されますか。塩崎大臣の答弁を求めます。
 総理は、予算委員会で、パートで働く人がふえたら実質賃金は下がる、私が五十万円、妻が二十五万円であったとしたら、七十五万円にふえるが、二で割って平均は下がると答弁されました。例えが日常の生活感覚からかけ離れているということは論をまたないわけですが、安倍総理は、世帯収入がまるで上がっているように御答弁されています。しかし、総務省の家計調査によると、二人以上の勤労者世帯の一カ月の実収入は、二〇一四年平均で約五十二万円、うち、配偶者の収入は六万円程度です。ちなみに、二〇〇〇年は約五十六万円でしたので、実にこの十四年で四万円も下がっています。
 パートで働く人がふえても世帯収入はふえていない。もちろん、実質的にも収入は下がっています。二〇一五年十二月の勤労者世帯の一世帯当たりの実収入は、名目マイナス二・七%、実質でマイナス二・九%です。
 総賃金が上がったとどんなにうそぶいても、これでは実感が伴わないのは当然です。それで、国民がどんどん物を買おうなんて思うでしょうか。いわゆるトリクルダウンは起きないのは明白であります。
 もはや、異次元緩和という矢が当初の期待を大きく外れてしまっていることをお認めになるべきではないですか。総理の見解を伺います。
 第二の矢、大規模財政出動について伺います。
 異次元緩和でデフレ脱却しても、地方まで日本が元気に活力を持って成長していくということにはなかなかならないので大規模財政出動が必要と総理は説明してきました。
 そこで、総理に伺いますが、第二の矢で地方は元気になりましたか。
 地方が元気になった証拠として、総理は有効求人倍率の上昇を挙げられます。有効求人倍率の上昇が一番顕著な都道府県はどこでしょうか。東京でも愛知でもありません。意外なことに、高知県です。高知県では、バブル期でも〇・七六倍が最高でしたが、昨年十一月には一・〇五倍という数字を記録しています。
 これを聞いて、喜ばしいと思うか、実感とずれていておかしいと思うか。地方の現場感覚からいえば、後者でしょう。有効求人倍率は、分子の求人数が変わらなくても、分母の求職者数、つまり働き手が減れば上がるものなのです。
 そのことは、人口増減率にも顕著にあらわれています。平成二十六年の全国平均の人口減少率はマイナス〇・一%なのに対し、高知県ではマイナス〇・九六%です。やはり有効求人倍率は少子高齢化、人口減少の影響が大きいと考えますが、塩崎大臣の御見解を伺います。
 第三の矢、成長戦略について伺います。
 中長期試算での経済再生ケースでは、全要素生産性がバブル期並み、現状の四倍以上に上がるという無理な想定を置いています。無理な想定ではなく、安倍政権の成長戦略で実現できるというのであれば、生産性向上に関する具体的試算を行っているのかも含め、その具体的な根拠をお示しください。
 また、成長戦略は方向性も正しく、進んでいるというのであれば、潜在成長率は上がるはずです。しかし、二〇一二年の〇・五%から、二〇一四年には〇・四%まで下がっています。その原因は何と説明されますか。石原大臣に伺います。
 今指摘したように、アベノミクス三本の矢が期待を大きく裏切るものであることをはっきり認め、そして、軌道修正すべきところはしっかり修正していくべきことが、政権を預かる者の責任ではないですか。総理の見解を伺います。
 結局、安倍政権の実績とベースラインケースと大きく異なるのは、物価上昇率と名目長期金利ぐらいです。そのおかげで試算よりも歳出が伸びずに助かっているというのが現実です。
 日本銀行による金融抑圧にも限界があります。経済成長は慎重に見るべきです。今後はベースラインケースを基本に経済財政運営を行っていく考えはありませんか。総理の見解を求めます。
 二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化目標は、軽減税率導入のために、さらに遠くなりました。経済再生ケースにおいても、さらに六・五兆円の財源が必要と、今回の中長期試算で示されています。
 経済にも暗雲が漂う中で、目標が達成可能だとお考えですか。達成可能と言うのであれば、歳出削減、歳入増の具体案についてお示しください。石原大臣及び麻生大臣に伺います。
 さらに、軽減税率の財源のほかに、TPP対策費、子ども・子育て支援の量的拡充、これからまとめるという新三本の矢関連の施策の財源が必要になるはずです。それらも含めると、プライマリーバランス黒字化目標達成までの不足額は幾らまでふえるのでしょうか。麻生大臣に伺います。
 財政健全化の道のりは極めて険しいものとなっています。民主・維新・無所属クラブは、今のうちに歳出歳入面での改革の枠組みをはめるべきと考え、財政健全化推進法案を国会に提出いたします。
 総理は、政権担当時代の我が党をなじり、対案がないなど、誹謗中傷、レッテル張りを執拗に繰り返されていますが、財政健全化推進法案を初め、民主・維新・無所属クラブは具体策を出します。
 我々は、政権当時、一生懸命政権運営に取り組み、その結果、世間の期待を裏切ってしまったことも事実です。しかし、自民党政権のように、目先の選挙目当てに、どうパフォーマンスするかに終始し、現実から逃げていたわけではありません。
 総理も、国民にどう見せるか、パフォーマンスするかより、その政策が国民生活に何をもたらすかについて直視し、不都合な現実も踏まえて迅速に軌道修正されんことをお願いし、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鷲尾議員にお答えいたします。
 社会保障と税の一体改革に関する三党合意についてお尋ねがありました。
 社会保障と税の一体改革に関する三党合意は、社会保障と税財政の問題について、自公民の三党間での真摯な議論を経て策定されたものであり、国の長期的課題に対する、与野党の枠を超えた枠組みは重要な意義を有すると考えています。
 消費税率一〇%への引き上げについては、三党合意を経て成立した税制抜本改革法の景気判断条項に基づくとともに、三党合意の、時の政権が判断するとの文言も踏まえ、平成二十六年四月の八%への引き上げが消費に大きな影響を与えたこと等から延期を決定しました。
 また、軽減税率制度は、三党合意を経て成立した税制抜本改革法に基づき、消費税率引き上げに伴う低所得者への配慮の観点から検討し、政府・与党として、導入するとの結論を得たところです。
 さらに、三党合意を経て成立した各般の法律の枠組みに沿って、消費税増収分を活用した社会保障の充実、安定化と同時に、重点化、効率化を着実に進めているところです。
 このように三党合意の趣旨に沿った取り組みを進めているところであり、社会保障と税の一体改革について改めて議論し直す必要があるとは考えておりません。
 アベノミクス第一の矢についてお尋ねがありました。
 安倍内閣が目指しているのは、いわゆるトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現であり、経済の底上げであることをまず申し上げておきたいと思います。
 アベノミクス三本の矢の政策を進める中、第一の矢の大胆な金融緩和は、固定化したデフレマインドの払拭につながったものと考えております。
 政労使会議の開催や成長志向の法人税改革とも相まって、好調な企業の収益を雇用・所得環境の改善につなげて、経済の好循環を生み出すことができました。国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は、名目で見ても実質で見ても増加傾向となっております。
 今後とも、より力強い賃金上昇の実現を促すとともに、消費の底上げ効果が発現するよう、最低賃金の引き上げを含め、各種政策にしっかりと取り組んでまいります。
 地方経済の現状についてお尋ねがありました。
 安倍内閣では、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略から成る三本の矢の政策を一体のものとして、経済最優先で政権運営に当たってまいりました。
 この結果、全都道府県において税収が増加するとともに、有効求人倍率も上昇し、中小企業の業況DIも改善し、倒産件数は約三割減少するなど、全国各地で前向きな動きが見られます。全国の皆さんに景気回復を実感していただけるよう、引き続き経済最優先で取り組み、経済の好循環をしっかりと回してまいります。
 アベノミクスについてお尋ねがありました。
 アベノミクス三本の矢の政策により、もはやデフレではないという状況をつくり出す中、名目GDPは二十八兆円ふえ、国、地方を合わせた税収は二十一兆円増加し、就業者数は百十万人以上ふえ、賃上げは、昨年、過去十七年間で最高の伸びとなるなど、経済の好循環が着実に生まれています。
 日本経済をさらなる上昇気流に乗せるため、これまでの経済政策を一層強化し、戦後最大のGDP六百兆円を目指します。さらに、経済成長の果実を活用し、希望出生率一・八や介護離職ゼロといった新たな目標に向けた施策を強力に推し進め、安心できる社会基盤を築くことにより、さらなる成長につなげ、成長と分配の好循環をつくり出していきます。
 こうしたあらゆる政策を総動員していくことで、潜在成長率を押し上げ、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長を実現し、GDP六百兆円を実現してまいります。
 一昨年の総選挙において、私たちは、経済政策も含め、この道しかないと訴えてまいりました。そして、再び連立与党で三分の二を上回る議席をいただけたことは、引き続きこの道を真っすぐ進んでいけと国民の皆様から力強く背中を押していただけたものと考えております。国民の負託に応えるため、全力を尽くしてまいる所存でございます。
 今後の経済財政運営についてお尋ねがありました。
 アベノミクス三本の矢により、もはやデフレではないという状況をつくり出した今、日本は再び成長できるという自信を持って経済再生に取り組むべきであります。
 あらゆる政策を総動員していくことで、潜在成長率を押し上げ、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長を実現し、GDP六百兆円を実現してまいります。
 これはまさに、内閣府の中長期試算における経済再生ケースでお示ししている姿であります。また、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化に向けても、経済再生ケースで示された成長の姿を実現するとともに、歳出改革、歳入改革にしっかり取り組み、目標を達成してまいります。
 さらに、その後も黒字幅を確実に確保していくことが重要であり、これにより、債務残高対GDP比を中長期的に着実に引き下げてまいります。
 財政健全化のための歳出歳入面での改革の枠組みについてお尋ねがありました。
 まず、御党が御提案の財政健全化推進法案の取り扱いについては、国会の会派間で決められるものと考えております。
 その上で、財政健全化に向けた取り組みの実効性の確保については、法制化という手段そのものよりも、今年度の予算を基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としたように、政府として定めた目標を堅持し、責任を持ってこれを実現していくことこそが重要であると考えております。
 今後とも、経済再生を進めながら、二〇二〇年度の財政健全化目標に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) プライマリーバランス黒字化目標の達成可能性についてのお尋ねがあっております。
 内閣府の中長期試算におきましては、今後の歳出改革の効果などを織り込まずに、二〇二〇年度において六・五兆円のプライマリーバランス赤字を見込んでおりますのは御承知のとおりです。
 政府といたしましては、まずは成長戦略を着実に実行することで経済再生ケースを実現するとともに、残りの赤字につきましては、経済・財政再生計画に示された目安に沿って、改革工程表に基づく歳出改革を実行し、二〇一八年時点での進捗状況を評価し、必要な場合には歳出歳入の追加施策を検討いたします。
 こうした具体的方案のもとで、不退転の決意でプライマリーバランスの黒字化目標を達成してまいりたいと考えております。
 プライマリーバランスの黒字化目標の達成に必要な不足額についてのお尋ねがあっておりました。
 先ほど申し上げました内閣府の中長期試算は、軽減税率制度の歳入を前提として試算されたものであります。
 一方、御指摘のTPP関連施策や子ども・子育て支援の質の向上、新三本の矢関連施策は、実施時期が明示されていないものや、具体的内容、規模について今後検討していくこととされているものであることから、お尋ねについて現時点でお答えできるものではありません。
 いずれにせよ、これらの新たな施策に必要な財源確保につきましては、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化目標と整合的なものとなるよう取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 鷲尾英一郎議員にお答えを申し上げます。
 実質賃金についてお尋ねがございました。
 まず、御指摘の二〇一五年十一月の実質賃金指数八二・九は、賃金の季節的な変動が考慮されていない原数値であり、この単月の原数値をもとに、二〇一〇年平均の数値と比較をして、二割近く実質的に賃金が下がっているとの御指摘は不適当でございます。
 年平均の数値を用いてお答えすると、毎月勤労統計調査によりますと、二〇一五年速報の実質賃金指数は九四・六となっております。
 実質賃金が減少した原因については、デフレ脱却に向かう過程で物価が上昇したこと、景気が回復をし、雇用が増加する過程において、パートで働く方がふえたことによるものと考えております。
 一人当たり平均賃金については、名目賃金は、政労使合意を踏まえた取り組みなどにより、平成二十六年春以降増加傾向、実質賃金も、変動の大きい賞与の影響を除けば、昨年七月以降増加傾向となっております。
 基本給を示す所定内給与は十カ月連続のプラス、パートで働く方を除いた一般労働者で見ると、二十カ月連続のプラスです。また、パートで働く人々の時給は、ここ二十三年間で最高の水準でございます。さらに、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は、名目で見ても実質で見ても増加傾向となっております。
 今後とも、最低賃金の引き上げなど、アベノミクスを一層強化し、雇用の改善や賃金の上昇が消費や投資の拡大に結びつく経済の好循環を継続してまいります。
 有効求人倍率についてのお尋ねがございました。
 有効求人倍率の上昇には、分子である有効求人数の増加と、分母である有効求職者の減少が寄与をいたします。
 有効求人倍率は、全国計で、平成二十四年十二月の〇・八三倍から、平成二十七年十二月には一・二七倍に上昇をしており、その内訳を見ると、有効求人数は二四・七%増、有効求職者数は一八・五%減と、求人数の増加の寄与の方が大きくなっております。
 また、有効求職者数の減少は、人口減少に加えて、求職者が就職に結びつくことも要因となりますが、実際に、平成二十四年と二十七年の第三・四半期で比較をいたしますと、全国計につきましては、十五歳以上人口が〇・二%減と減少した一方で、就業者数は一・八%増となっております。
 このように、この三年間の有効求人倍率の上昇は、実際に仕事がふえ、人口減少にもかかわらず就業者数がふえていること等によるものであり、少子高齢化、人口減少による求職者の減少が大きな要因であるとの御指摘は当たらないものと考えております。
 また、御指摘の高知県については、有効求人倍率は、平成二十四年十二月の〇・六四倍から、直近の平成二十七年十二月には一・〇三倍にまで上昇しており、この間の有効求人数は二六・一%増、有効求職者数は二一・四%減と、求人数の増加の寄与の方が大きくなっております。
 さらに、平成二十四年と二十七年の第三・四半期で比較をすると、十五歳以上人口が二・四%減と減少しているのに対し、就業者数は横ばいとなっております。全国計と同様、少子高齢化、人口減少による求職者の減少が大きな原因との御指摘は当たらないものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕
○国務大臣(石原伸晃君) 鷲尾議員にお答えいたします。
 中長期試算の想定及び潜在成長率についてお尋ねがございました。
 中長期試算の経済再生ケースにおける全要素生産性の上昇率の前提については、過去の実績を踏まえたものでございます。
 潜在成長率は、前提となりますデータや推測方法によって結果が大きく異なるため、数値については幅を持って見る必要がありますが、少子高齢化による労働力人口減少等の影響により長期的に下押し圧力がかかっており、二〇一二年以降、四半期ベースで見ますと、おおむねゼロ%台で推移をしております。
 ただし、政府経済見通しでは、二〇一六年度の実質GDP成長率を一・七%、名目GDP成長率を三・一%と見込んでいます。これは、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長の実現を目指すという目標に近づいていく姿となっております。
 アベノミクスにより、もはやデフレではないという状況が実現し、経済の好循環が回り始めております。このときを捉えて、成長戦略を着実に実施し、デフレ脱却・経済再生を進め、希望を生み出す強い経済を推進してまいります。
 財政健全化目標についてお尋ねがございました。
 安倍内閣においては、経済再生なくして財政再建なしの基本方針のもと、経済再生と財政健全化の両立を目指しております。
 これまで、デフレ脱却を目指し、三本の矢の政策を進めることにより、税収を増加させるとともに、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化など歳出削減にも取り組んでまいりました。
 今後、経済・財政再生計画に基づいて、二〇二〇年度の財政健全化目標達成に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
 その際、計画の中間地点である二〇一八年度において改革の進捗状況を評価することとしており、必要な場合は、デフレ脱却・経済再生を堅持する中で、歳出歳入の追加措置等を検討し、二〇二〇年度の財政健全化目標を実現することとしております。
 昨年末に策定した経済・財政再生アクション・プログラムに基づき、主要ごとに、改革工程表とともに、その成果の達成度合いを示す指標を策定し、改革の進捗管理や測定を行うこととしました。これに基づき、毎年度、改革の進捗管理、点検、評価を行ってまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 宮本徹君。
    〔宮本徹君登壇〕
○宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、特例公債法案について質問します。(拍手)
 本法案は、東日本大震災の復興債という、目的も償還財源もはっきりした法案と、財政法が禁じた赤字国債の発行を特例的に行う法案を一本にしたものであります。性格の異なる二つの法案は、それぞれ分けて国会に提出すべきだということを、まず厳しく厳しく指摘します。
 本法案は、二〇一六年度から五年間、赤字国債の発行を政府の手に委ねるものとなっています。これは、憲法と財政法の規定を幾重にも踏みにじるものです。
 我が国の憲法は、第八十三条で、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と定め、八十六条では、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と定めています。どこから財力を調達するかも含め、国会の議決に基づくものとし、予算の単年度主義を規定しています。
 その上で、財政法四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」としています。
 公共事業などを除けば、公債や借入金は認めていません。こうした明確な規定を、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況などという理由で踏み破っていいというのでしょうか。憲法、財政法違反は明らかではありませんか。
 なぜ、赤字国債の発行を財政法は禁じているのか。財政法制定当時の主計局法規課長平井平治氏の著した「財政法逐条解説」は、次のように明確に述べています。
 第四条は、健全財政を堅持していくと同時に、財政を通じて戦争危険の防止を狙いとしている規定である、戦争と公債がいかに密接不離の関係にあるかは、各国の歴史をひもとくまでもなく、我が国の歴史を見ても、公債なくして戦争の計画遂行の不可能であったことを考察すれば明らかである、公債のないところに戦争はないと断言し得るのである、したがって、本条はまた憲法の戦争放棄の規定を裏書保証せんとするものであるとも言い得るであります。
 総理は、赤字国債の発行を禁じた財政法四条は、膨大な戦時国債で戦争を進め、国家財政と国民生活を破綻させた反省を踏まえたものだという認識をお持ちでしょうか。財政法四条の背景にある痛苦の歴史の教訓を直視すれば、五年間にもわたり、国会のチェックなしに赤字国債を発行する法案など出せないではありませんか。
 そもそも特例公債法は、二〇一二年までは、赤字国債の発行が必要な年に、国会の議決が必要な法案として国会に提出され、審議してきました。単年度に限定したのは、財政規律を保つための最低限の措置だったのです。ところが、二〇一二年に、消費税増税を前提に、民主党、自民党、公明党の三党合意で、四年間の赤字国債の発行自由化まで決めたのです。
 国会のチェックを外した四年間、国と地方の借金はどうなったでしょうか。二〇一一年度末は八百九十五兆円、二〇一五年度末の見込みは一千四十一兆円、ウナギ登りにふえております。本法案でさらに五年、赤字国債の発行を政府に委ねるならば、国と地方の借金が一層累積していくことは、内閣府の試算でも明らかではありませんか。
 莫大な赤字国債の発行は、超低金利が前提となっています。仮に金利が一%増加すれば、利払い費は何兆円増加するのでしょうか。借金は雪だるま式に膨れ上がるのではありませんか。
 特例公債の発行限度額を予算総則に書くとしますが、二〇一七年度から二〇二〇年度までは、どのような予算がどのような規模で組まれるのか、時の政権にしかわかりません。衆議院議員の任期の四年を超えて五年間も、赤字国債の発行を政府の裁量に委ねよというのは、政府が国会の予算の審議権を奪うに等しいものではありませんか。
 法案では、特例公債の発行額の抑制のために、経済・財政一体改革を総合的かつ計画的に推進するとありますが、その計画の中身は極めて重大です。経済・財政再生計画改革工程表は、後期高齢者の窓口負担の一割から二割への引き上げ、介護保険利用料の一割から二割への引き上げ、年金の支給額をさらに目減りさせるマクロ経済スライドの見直し、高額療養費制度の見直しなどを検討項目に掲げています。財政再生を口実にした社会保障の給付減、負担増のオンパレードではありませんか。
 深刻な貧困と格差が広がる中、消費税増税と社会保障削減を進めていくことは、憲法二十五条が保障する、健康で文化的な生活を送る権利を侵害するものです。生存権裁判と呼ばれた朝日訴訟の東京地裁判決は、最低限度の水準は、決して予算の有無によって決定されるものではなく、むしろこれを指導支配すべきものである、こう断じました。生存権の保障、社会保障を最優先に確保するのが予算のあり方なのではありませんか。
 重大なことは、これほどの借金をつくり、何に支出しているかです。
 安倍内閣は、社会保障について毎年の自然増分を大きく抑え込む一方で、大企業に対しては、研究開発減税の拡充、設備投資減税の創設、先行減税の形での法人税率の引き下げなど、減税の大盤振る舞いです。復興法人税の一年前倒し廃止を含めれば、三兆円もの大減税が行われました。財界要望を受けた大企業優遇減税が歳入減少の要因の一つになっていることをお認めになりますか。法人税率のさらなる引き下げは、法人税収が減るだけでなく、黒字大企業の内部留保を積み上げるだけであり、やめるべきです。
 また、新規大型開発事業への集中投資が行われています。
 通行料金では採算がとれないため、建設費の七五%、一兆円の税金を投入してつくる外環道練馬―世田谷間など三大都市圏環状道路、国際コンテナ港湾など不要不急の新規大型開発はやめるべきではありませんか。
 とりわけ、軍事費を増大させていることは重大です。
 安倍政権のもとで、防衛費は四年連続で増額となり、来年度は当初予算で初めて五兆円を超えました。中期防衛力整備計画をも上回る勢いです。
 その中身は、空中給油機や無人偵察機などアメリカの軍事戦略を補完する装備調達、そして沖縄県民の民意を無視した米軍基地建設の強行です。さらに、来年度からの米軍への思いやり予算も増額で合意しました。総理、防衛費は歳出削減の聖域だということなんでしょうか。
 防衛費の後年度負担額はこの四年で約一・五倍、急速に拡大しております。しかも、政府は、昨年、防衛費の後年度負担の拡大に道を開く防衛調達特措法を成立させました。これまで五年だった国庫債務負担行為による支出の年限を、武器の購入に限って十年に延ばしました。十年先までの予算の使い道を決めるというのは、国会の予算審議権を侵害し、財政民主主義に真っ向から反するものではありませんか。
 政府が昨年強行成立させた安保法制、すなわち戦争法と防衛費は一体のものです。アメリカの戦争支援のために赤字国債をふやすなど、絶対に許されません。日米ガイドライン、戦争法の具体化を中止し、東アジアの平和的環境をつくる外交努力を強め、防衛費の削減に踏み出すべきであります。
 以上、総理の明確な答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宮本徹議員にお答えをいたします。
 特例公債法と憲法及び財政法との関係についてのお尋ねがありました。
 財政法第四条では、公共事業費等に限って建設公債の発行等を認めておりますが、少なくとも二〇二〇年度までの間は、引き続き特例公債を発行せざるを得ないと見込まれます。
 このため、現行法の枠組みを引き継ぎ、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標に向けて財政健全化に取り組んでいくことを踏まえ、財政法の特例として、二〇二〇年度までの特例公債の発行の根拠規定を盛り込んだものです。
 また、今回の法案では、現行法と同様、各年度の特例公債の発行限度額について、毎年度の予算により国会の議決を経ることとしており、憲法第八十三条や第八十六条との関係で問題が生じるものとは考えておりません。
 財政法第四条の背景等についてお尋ねがありました。
 財政法第四条は、あくまで健全財政のための財政処理の原則を規定したものであり、戦争危険の防止そのものが同条の立法趣旨であるとは考えておりません。
 また、先ほど申し上げたとおり、今回の法案では、現行法と同様、各年度の特例公債の発行限度額について、毎年度の予算により国会の議決を経ることとしており、国会のチェック機能は確保されるものと考えております。
 特例公債法案と公債残高の増加などについてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、特例公債の発行を複数年度化した現行の特例公債法のもと、新規国債発行額を十兆円減らすなど、財政健全化を着実に進めてきております。今後、特例公債の発行期間を五年間としたからといって、財政規律が緩んだり、財政健全化の取り組みが進まないということはありません。
 我が国財政は大変厳しい状況にあり、当面の間は公債残高の増加が続くと見込まれますが、政府としては、まずは二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化を目標として取り組むこととしており、さらに、その後も黒字幅を確実に確保していくことが重要であり、これにより債務残高対GDP比を中長期的に着実に引き下げてまいります。
 なお、利払い費については、財務省の後年度影響試算においては、金利が一%増加すれば、国の一般会計の利払い費等は、一年目には一・〇兆円、二年目には二・二兆円、三年目には三・七兆円増加することが示されております。
 金利上昇に伴う利払い費の増加リスクへの対応という観点からも、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、国に対する市場の信認を確保してまいります。
 国会の予算審議権についてお尋ねがありました。
 今回の法案は、少なくとも二〇二〇年度までの間は、引き続き特例公債を発行せざるを得ないと見込まれる財政状況の中にあって、この期間における特例公債の発行の根拠規定を盛り込むものです。
 先ほど申し上げたとおり、現行法と同様、各年度の特例公債の発行限度額について、毎年度の予算により国会の議決を経ることとしており、国会の審議権は確保されることから、御指摘は当たらないと考えております。
 経済・財政一体改革と予算のあり方についてのお尋ねがありました。
 昨年末に取りまとめた経済・財政再生計画の改革工程表は、持続可能な社会保障制度の構築と財政健全化を同時に達成していくため、社会保障の各分野の改革項目を提示しています。
 来年度予算においては、後発医薬品の使用促進のためのインセンティブ措置の強化や、大型門前薬局に対する調剤報酬の引き下げといった改革を含む診療報酬の適正化等を行いました。
 世界に冠たる国民皆保険、皆年金を初めとする制度をしっかりと次世代に引き渡してまいります。財政再生を口実にした社会保障の給付減、負担増との御指摘は当たりません。
 また、消費税率の引き上げによる増収分は、全額、年金、医療、介護、子育て支援の充実、安定化に充てられます。
 来年度予算においても、消費税の増収分を活用した社会保障の充実を着実に実施することとしています。所得の低い方々に対する国民健康保険料や介護保険料の軽減の拡充を実施するなど、負担能力に応じた負担となるように配慮しています。
 このように、所得の低い方々に対してきめ細かく配慮を行い、憲法二十五条に基づき、国が社会保障の向上、増進に努める責務をしっかりと果たしてまいります。生存権を侵害するとの御指摘は当たりません。
 法人税の一連の改革が歳入に与える影響などについてお尋ねがありました。
 アベノミクス三本の矢の政策により生まれた経済の好循環を受け、来年度予算の税収は政権交代前に比べて約十五兆円ふえ、そのうち法人税収は三・四兆円増加しております。
 御指摘の復興特別法人税の前倒し廃止や各種の政策税制は、それだけを捉えれば一時的には減収要因となる面もありますが、企業が賃上げや投資拡大に動き出すきっかけとなったものと考えております。
 さらに、今般の法人税改革も、御指摘のような大企業を優遇するというようなことではなく、企業が収益力を高め、賃上げや投資拡大に一層積極的に取り組むよう促すための改革であります。
 新規大型開発事業についてお尋ねがありました。
 社会資本の整備は、未来への投資により、次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものであり、これまでも我が国の経済成長を支えてきたものと認識しております。
 今後のインフラ整備は、中長期的な見通しのもと、効率化を図りながら計画的に推進していくことが必要です。既存施設やソフト施策の最大限の活用を図りつつ、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、選択と集中のもと、効果が最大限発揮されるよう重点化した取り組みを進めていきます。
 平成二十八年度の防衛関係費についてお尋ねがありました。
 防衛関係費については、中期防衛力整備計画や経済・財政再生計画等に基づいて、着実かつ効率的な予算編成を行っており、平成二十八年度の予算案に計上した装備品や米軍再編経費、またホスト・ネーション・サポートは、いずれも我が国の安全の確保に必要不可欠なものです。
 また、中期防衛力整備計画のもと、二十六年度から二十八年度までの間に、合計三千七百億円程度の経費の節減を図っているところです。
 したがって、防衛関係費が中期防を上回る勢いであるとの御指摘は当たらず、もとより、歳出削減の聖域などではありません。
 防衛調達に関する長期契約法についてのお尋ねがありました。
 長期契約法は、同一装備品の一括調達による経費削減などを目的とするものであり、全ての長期契約は、各年度の予算に国庫債務負担行為として計上され、国会の議決を経た上でお認めいただくものであります。
 また、実際の支出に当たっては、改めて各年度の予算に歳出化経費として計上し、国会の議決をいただくことになります。
 したがって、国会の予算審議権を侵害するとか財政民主主義に反するとの御指摘は当たりません。
 防衛関係費と日米ガイドライン、平和安全法制についてお尋ねがありました。
 平和安全法制と日米ガイドラインは、いずれも、日米同盟を強化し、国民の命と平和な暮らしを守るため、必要不可欠なものであります。
 今後とも、国際社会の平和と繁栄のため、積極的な平和外交を展開するとともに、日米ガイドラインのもとでの取り組みを強化し、あわせて、平和安全法制の施行に向けた準備を進めてまいります。
 また、防衛関係費については、引き続き、中期防衛力整備計画等に基づいて、着実かつ効率的な予算編成を行ってまいります。
 なお、平成二十八年度の防衛関係費には、平和安全法制の施行を前提とした経費は計上されておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(大島理森君) 椎木保君。
    〔椎木保君登壇〕
○椎木保君 おおさか維新の会の椎木保です。
 私は、おおさか維新の会を代表して、ただいま議題となりました特例公債法改正案と復興財源確保法の改正案につき、質問させていただきます。(拍手)
 質問の前に、二月六日の台湾地震について、被災された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。今度は、私たち日本人が東日本大震災の恩返しをする番であると思います。
 また、二月七日の北朝鮮の事実上の弾道ミサイル発射については、おおさか維新の会として、断じて容認できない旨を改めて表明いたします。
 それでは、質問に入ります。
 我々おおさか維新の会は、次世代への負担の先送りをやめるため、財政再建を重視しております。財政再建の手法としては、身を切る改革と歳出削減を先行させるべきと考えています。増税は、最後の手段として、経済状況を見ながら慎重に行うべきとの立場です。国債発行を含む財政運営については、プライマリーバランスを計画的に均衡させるべきと考えています。また、統治機構改革の一環として、国会に米国型の強力な会計検査機関を設置することも検討すべきと考えています。
 こうした立場から、まず特例公債法の改正案について質問させていただきます。
 この改正案が成立すれば、政府は、過去三年間に引き続きさらに五年間、毎年法案を通さなくとも赤字国債を発行できるようになります。
 この点につき、一月二十八日の参議院本会議で、我が党の片山虎之助共同代表から、財政規律と財政の民主的コントロールの二つの点で大きな問題ではないかと質問させていただきました。
 この質問に対し、安倍総理は、まず財政規律の点につき、安倍内閣は現行の特例公債法のもとであっても財政健全化を着実に進めており、今後ともその方針なので御指摘は当たらないと答弁されました。
 しかし、財政健全化は本当に進んでいるのでしょうか。毎年の新規国債発行額は減少していますが、これは日銀の国債購入にもよるものです。政府債務自体の減少や政府債務の対GDP比の低下が起きるまで、政府は緊張感を持った財政運営を行うべきではないでしょうか。
 例えば、欧州では、二〇一三年の新財政協定で、各国の国内法で均衡財政を定めるよう義務づけることを原則としています。こうした姿勢に比べ、我が国の財政規律は緩過ぎるのではないでしょうか。総理の御所見を伺います。
 さらに、安倍総理は、財政の民主的コントロールの点について、今回の改正案では、現行法と同様、各年度の特例公債発行についても、毎年度の予算により国会の議決を経るので問題ないとの答弁をされました。
 我々おおさか維新の会も、マクロ経済の状況が厳しいときに機動的な国債発行と財政出動が必要な場合があることは否定しません。しかし、赤字国債発行に予算案審議でしか国会が関与できないのは行き過ぎではないでしょうか。機動的な財政運営と国会による財政監視のバランスをとるために、財政健全化に関する新たな法制度を検討すべきではないでしょうか。総理の御見解をお伺いします。
 仮に予算案の審議のみで赤字国債を許すならば、国会のチェックは従来よりも強化すべきであります。このため、米国会計検査院同様の強力な会計検査機関を国会に設置することも検討すべきではないでしょうか。総理の御所見をお伺いします。
 安倍内閣が財政健全化に向けて、プライマリーバランスを指標として、工程表に基づいた財政運営を行っていることには賛成できます。しかし、我々おおさか維新の会から見れば、現在の政府・与党の政策では、身を切る改革も歳出削減も全く不十分です。財政健全化のためには、増税よりも歳出削減を先行させるべきではないでしょうか。また、世界経済の不安定な動きに鑑み、消費税増税は延期すべきではないでしょうか。総理の御見解をお伺いします。
 次に、復興財源確保法の改正案についてお伺いします。
 今回の改正案は、来年度以降五年間の復旧復興事業の財源を定めた、昨年六月三十日の閣議決定に沿ったものです。
 その閣議決定では、復興財源として、国の保有する資産の有効活用等による税外収入の確保を行うとしながら、財政投融資特別会計等からの税外収入はおよそ八千億円しか充てられておりません。平成二十六年度決算での特別会計の決算剰余金は、全体で十六兆五千億円を超えています。さらなる有効活用の余地が本当に全くないのか、財務大臣にお伺いします。
 我々おおさか維新の会は、国の財政運営の制度についても、提案型責任政党としての立場を一貫して貫いてまいります。政府・与党の財政運営の問題点は徹底的に批判いたしますが、従来型の野党のように、反対のための反対はいたしません。政府・与党に厳しい質問をぶつけ、建設的な対案を提示することで国の財政を着実に改善させていくことを目指してまいります。
 最後に、大阪ダブル選挙で圧倒的な民意を得た我々おおさか維新の会のキャッチフレーズである、「過去に戻すか、前に進めるか。」、これは本当にいいフレーズです。安倍総理におかれましても、この力強いフレーズを共有していただき、日本の経済も日本の復興もともに前に進めていきたいと思っております。
 以上で、私の代表質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 椎木保議員にお答えをいたします。
 財政健全化の取り組みについてお尋ねがありました。
 先般の本会議でお答えしたように、平成二十八年度予算では、政権交代前と比較して、新規国債発行額を十兆円減額するなど、安倍内閣のもとで着実に財政健全化が進んでおりますが、これは、経済成長による税収増や社会保障などの歳出改革の成果であります。
 また、今年度について、基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算を組むなど、財政規律をしっかり踏まえた財政運営を行っていますが、巨額の公債残高が累積する中、国の信認を確保するため、今後とも財政健全化は避けて通れません。
 その際、均衡財政を原則としている欧州各国と比較して大幅な財政赤字を抱えている我が国においては、まずは基礎的財政収支の黒字化を目指し、その後、債務残高対GDP比を中長期的に着実に引き下げることを目標としております。
 今後とも、経済・財政再生計画において策定された一般歳出の水準等の目安を十分踏まえた上で、聖域なき徹底した歳出の効率化を図るなど、不退転の決意で目標達成に向けて取り組んでまいります。
 財政健全化に関する新たな法制度と会計検査機関についてお尋ねがありました。
 財政健全化に向けた取り組みの実効性の確保については、法制化といった手段そのものよりも、今年度の予算を基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としたように、政府として定めた目標を堅持し、責任を持ってこれを実現していくことこそが重要であると考えています。
 引き続き、予算審議の機会だけでなく、国会において、政府の財政健全化に向けた取り組みをしっかりと説明してまいりたいと考えております。
 国会に会計検査機関を設置するか否かという点については、憲法上の独立機関である会計検査院の地位ともかかわり、高度な立法政策にかかわることであるため、慎重な対応が必要と思われますが、政府としては、引き続き、会計検査院による検査を踏まえて、毎年度の予算編成に取り組んでまいります。
 歳出削減と消費税増税についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、成長戦略を着実に実施することで、名目三%以上の経済成長を目指すとともに、経済・財政再生計画の一般歳出の水準等の目安を十分に踏まえた上で、社会保障を初めとする歳出改革を継続するなど、歳出歳入両面から財政健全化に取り組むこととしております。
 あわせて、行政改革にも不断に取り組んでおり、国家公務員の給与について、給与制度の総合的見直しの実施や定員合理化等を行うことなどにより、人件費の抑制を図ってまいります。
 また、国会議員の定数について、今回、衆議院選挙制度に関する調査会から出された答申を各党各会派が尊重し、小さな政党にも配慮しながら真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって、国民の負託にしっかりと応えていくべきと考えています。
 来年四月の消費税率一〇%への引き上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものであり、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施します。経済の好循環を力強く回していくことにより、そのための経済状況をつくり出してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 特別会計の決算剰余金の復興事業への活用についてのお尋ねがあっております。
 特別会計の決算剰余金につきましては、その一部を一般会計の財源として活用しておりますが、これ以上、一般会計の財源や復興財源として活用できないのは、復興会計のように次年度の繰越事業に充てることが決まっているものや、年金特会のように保険料などが原資となっているものなど、他の使途に充てることが適当でないものが大部分だからであります。
 いずれにいたしましても、復興財源につきましては、御指摘のように、閣議決定におきまして、しっかり確保する方針を既にお示しいたしているところであり、これに基づき適切に対応してまいります。(拍手)
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣     麻生 太郎君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       国務大臣     石原 伸晃君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  萩生田光一君
       財務副大臣    坂井  学君

 - 国会議事録, 本会議, 第190回通常国会, 衆議院 , , , ,