香港大学で大規模学生デモ-アーサー・リー校務委員会座長への抗議か

      2016/05/26

スポンサーリンク

1.26香港大学で数百名の学生と支援者が、香港大学の副学長人事に関する抗議のため大規模なデモを行った。

デモは香港大学の校務委員会座長の李國章(アーサー・リー)氏との対話を求める学生たちが起こしたものであり、香港大学学生会、香港大学ストライキ委員会などの学生団体が主体となり、校務委員会による会議が行われている同大学の建物を取り囲み、数時間にわたりにらみ合いを続けた。

アーサー・リー座長らが審議委員会を行う建物を取り囲む学生と、対峙する警官隊。

アーサー・リー座長らが審議委員会を行う建物を取り囲む学生と、対峙する警官隊。

同デモの発端は昨年10月の同大の副学長人事にさかのぼる。
同大学の元法学部長であり、香港の民主主義・人権擁護の急先鋒の有力者の一人である陳文敏(ヨハネス・チャン)教授の一件だ。

陳文敏教授はその姿勢と研究分野からも、多くの民主化を求める学生たちの精神的支柱となっている一方、2014年に香港政庁を取り囲んだ大規模デモなどを起こしたいわゆる一連の若年性大を中心とした「雨傘運動」の事実上の指導者のひとりである同僚の戴耀廷とも、大変親しい中であるという事から、学生たちは副学長候補の一人である陳文敏教授の就任を強く支援する機運があった。

しかしながら、10月の副学長選挙において、陳教授は選任選挙において敗北した格好だ。

陳文敏 香港大学元法学部長

陳文敏 香港大学元法学部長

スポンサーリンク

この結果の透明性について、異議を唱えたのが今回の学生たちのデモの発端である。

事態を見つめる主要紙の一誌は次のようにも報じている。
「決の行方を決定づけた投票は外部委員によるものだ。外部から選ばれている委員のうち6人は親中派の香港行政長官が指名した委員であり、7人は中国の全国人民代表大会(国会に相当)のような政府機関から選ばれている。」
(ウォールストリートジャーナル2015/10/8電子版)

 

確かに同大の人事委員会の制度上、外部委員会と言えども行政の干渉がたいへん大きくウェイトを占めており、事実上「学生の民主化を封じ込める」という思惑が仮にあるならば、学内自治を取り締まる同大の運営幹部を反民主化の顔ぶれで固める意図がまったく無いとは言い切れない。

 

現在、香港では習近平主席に関する批判的な書籍を出版していた書店関係者5名が、自治の独立を保障されている香港内や治外法権のタイで拘束され本土に連行されている事件など、その民主主義の存続に暗い行き先を呈している中での学生達の活動は、引き続き李國章座長との話し合いを求めていく形で継続しそうだ。

 

昨年11.22の香港区議会議員選挙でも独自候補を当選させ、ポスト雨傘の若手による民主政党「青年新政(youngspiration)」のスポークスマンは本紙の取材に対し、「我々は引き続き、香港大学学生会と同大ストライキ委員会の活動を支援する。」と答え、「全世界の学生達とアカデミズムが、自身たちの自由と民主主義の維持のために団結することを望む」と続けた。

 

台湾の民主派政権の誕生、香港における書店主の拘束事件などを契機に、極東アジア地域は歴史的な曲がり角を迎えつつある。

スポンサーリンク

 - ヘッドライン, 中国, 国際政治