南沙電撃訪問の馬総統、訪日の柯文哲台北市長、激動の台湾

      2016/05/26

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ちょうど二週間前、台湾は歴史的な国家としての曲がり角を迎えた。
すなわち、1/16の総統選挙における、野党民主進歩党主席、蔡英文(さいえいぶん)氏による、蒋介石を祖とし、また親中&大陸との統一姿勢を強硬に見せた国民党への圧倒的な勝利である。

台湾次期総統、蔡英文氏。

台湾次期総統、蔡英文氏。

李登輝元総統が、それまでの軍事政権に代わり民主化を進めた相当して1988より2000年まで、実質的な民主化を進めたのち、2000年の総統選挙で親中派の陳水扁元総統に政権が代わってから、しばらく民主化が「後戻りした」15年間を巻き返した歴史的な曲がり角を迎えた台湾。

選挙を終えてからの2週間の動きを、当プレスは追った。

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■不気味な悪あがきを見せる、馬英九総統

南沙諸島と周辺地理。

南沙諸島と周辺地理。

台湾の制度では、各国のように「選挙に勝ったらすぐ、任命される」というものではなく、蔡英文氏はその5か月後の5/20に正式な総統として承認され、実効力を発揮する。
すなわち、それまでは馬英九総統が事実上の総統として自由に言動を示すことができる、という事である。

そんななか、氏の行動が世界的な議論を呼んでいる。各主要メディアの論評を比較する。

『台湾・馬総統が南シナ海の島訪問 米が失望表明』1/29 NHK
引用「今回の馬総統の訪問は、南シナ海の領有権を巡る問題の当事者として、国際社会に存在感を示すねらいがあるとみられますが、みずからの任期が4か月を切るなか、実績作りを狙ったとの見方も出ています。」

『台湾の馬英九総統、南沙諸島を訪問 領有権改めて主張』1/29 日経新聞
引用「ただ去りゆく総統とはいえ、今回の馬氏の行動で台湾の対米関係にしこりが残った。民進党は政権交代までに馬氏が「独断専行」を繰り返すことへの警戒感を強める。」

『台湾の馬総統が南沙訪問 領有権主張、越は抗議』 1/28 Blogos/時事通信
引用「太平島の領有権を主張するベトナムが駐台北事務所を通じて抗議を表明、台湾の軍事的後ろ盾である米国も、領有権問題の解決に馬氏の訪問は無益だと批判した。」

米国の「失望」の意の表明、そして周辺各国の違和感は避けられない状況を敢えて馬総統は作り出した形だ。

■独自外交に乗り出した台北市長、柯文哲

台北市長柯文哲氏。

台北市長柯文哲氏。

時を同じくして、柯文哲市長が動いた。
1/29訪日中のなか、氏は精力的に日本外交に飛び回った。

『橋下氏、「台湾の橋下」台北市長と昼食 引退後もやはり注目』1/29 産経新聞
引用「橋下氏は会場で出迎えた柯氏と満面の笑顔で握手。記者からの問いかけには答えなかったが、市政運営や日台関係などについて幅広く意見交換するとみられる。」

『台北市長、東京臨海広域防災公園を視察 夜は岸信夫議員らと交流/台湾』1/27 中央社
引用「同日夜には都内で「台北ナイト」を開催。岸信夫・衆院議員や都議会自民党日台友好議員連盟の吉野利明会長、宮島昭夫・東京都外務長などが出席した。岸議員はあいさつの中で柯市長の人気の高さに触れ、台北の都市建設を引き続き進めてほしいと期待を寄せた。 」

蔡英文氏の総統就任を受けて、その主都である「台北」市長が真っ先に、精力的な日本外交を行ったこと。そして、日本国の総理大臣安倍晋三の弟、岸信夫衆議院議員に厚く接触を持ったことは、台湾のこれからの「みちすじ」を、そのリーダーたちが憂慮し、危機感を持っていることに対する一つの現れと言えるかもしれない。

いま台湾は、一つの地域として、また国として、大きな曲がり角を迎えつつある。

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