【衆院選】野党共闘の「今」-地方選挙の裏側を探る-

      2017/02/22

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(当選を喜ぶ松田陣営の様子。民進党衆院議員・近藤洋介氏のFacebookより)

(当選を喜ぶ松田陣営の様子。民進党衆院議員・近藤洋介氏のFacebookより)

 

野党共闘の「今」-地方選挙の裏側を探る-

昨年7月の参院選で、一定の成果を上げた、国政選挙での野党共闘。

次期衆院選での野党共闘に向けては、中央レベルで、野党4党による協議が続けられている。

連合と共産党との関係、政権問題などの課題はあるが、民進党が「2030年稼働原発ゼロ」に向けて党内の調整を始めるなど、共闘にプラス材料となる動きも見られる。

 

各党は、今年の秋とも言われる衆院解散を見据え、特定の地方選挙を「前哨戦」と位置づけ、野党共闘による選挙も行われている。

今回は、今年1月22日、山形県西村山郡区で行われた山形県議選(補選)の裏側を探った。

※ 山形県西村山郡区での県議補選(1月13日告示、同22日投開票)

野党統一候補となった無所属・松田敏男氏(10210票)が、自民党公認の阿部正明氏(8865票)との一騎打ちを制した。

当日有権者数は3万4948人(男1万6996人、女1万7952人)、投票率は55・14%。

 

実は、山形県議選史上、初めてとなる野党共闘が行われていた!

ある共産党幹部はこう語る。

1月22日、衆院山形2区内の西村山郡区で、県議補選が戦われました。

マスコミ報道では、民進党が中心で、社民党、舟山康江(参院議員)氏、吉村美栄子知事らが支援に入った、という内容で報じられています。

※ 民進党に社民党、連合山形も加わる松田候補の陣立ては、吉村知事の支援母体とほぼ同じ。「自民」対「吉村知事」の対決構図が浮き彫りになった形だ。

(1/19 河北新報「<山形県議補選>衆院2現職の前哨戦の様相」より)

しかし実際は、共産党も、がっちり選挙に入っていました。

なぜ、マスコミ上で共産党の名前が出なかったのかと言うと、吉村後援会の保守系の方々から、

「共産党が松田氏と政策合意をして、支援をするということを、記者会見の場で発表しないでくれないか」

という要請があったためです。

我々の対応としては、

「それは望ましいことではない。しかし、松田氏の支援を決定する過程で、『記者会見を開く』ということは条件になっていない。どうしてもと言うのであれば」

ということで、記者会見での発表を取りやめました。

しかし同時に、

「今回の選挙戦について、党内では実態通り明らかにするし、報道各社の取材には答える」

ということも確認しました。

 

 

山形では、年明けに県知事選がありました。

結果、無投票で吉村知事が3選となったわけですが、その前後、バタバタとしているときに、民進党県連の幹部の方から、我々(共産党)に対して、

「今度の県議補選で、松田さんを統一候補として擁立したい。ついては、是非、協力をお願いできないか」

との要請があったのです。

我々の側からは、基本的には国政と同じスタンスですが、

「候補者と、政策の合意を得ること」

「各政党が、対等の立場で、横並びで支援する形にすること」

という条件を出しました。

特に、例えば「民進党、社民党は推薦で、共産党だけが支持」といった形ではなくて、全ての政党が対等に、特別扱いなしで支援体制に入ることが重要でした。

昨年7月の参院選では、共産党だけを特別扱いするような事例があったからです。

民進党側は我々の話を受け入れ、松田氏との政策合意も経て、全ての政党が横並びの「支援」という形で、選挙に入りました。

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我々は、通常の県議選で党公認候補が戦う場合と同様、松田氏の当選に向け、全力を挙げました。

党員に名簿を渡して、自宅の電話を使って広く支持を訴える「電話作戦」が中心です。

そうすると、西村山郡区のあちこちに我々の電話が入ったことで、地元でも評判になりました。

特に、民進党の方々、また松田選対の方々から、「共産党は良く頑張ってくれている」と言われるほどでした。

 
選挙自体は、約1400票差で、松田氏が勝利した。

ちなみに、昨年の参院選比例代表で、西村山郡区で共産党が獲得した票は、約1400票です。

見方は色々でしょうが、数字上ではそういう結果になりました。

 

県議選で共産党を含む野党側が一致し、野党統一候補を立てたことは、山形の県議選史上、初めてのことです。

まして、自民党の公認候補と、一騎打ちの戦いを制した。

参院選、知事選、そして今回の西村山郡区の県議補選という流れの中で、山形での野党共闘は少しずつ発展してきていると認識しています。

※ 今年1月の知事選では、野党側が一致して吉村知事を支える体制を作り、無投票で3選を決めた。

 

2年後には、県議選の「本選挙」があります。

山形県議会では、自民党が3分の2を占めていますが、1人区や2人区で、「無競争」で上がってくる県議が複数います。

今回の県議補選の経験は、そういった自民党の「独占区」を切り崩していくことが十分に可能だ、ということを示したと思います。

全県的に見れば、参院選や知事選を経て、県内の各後援会にも、野党共闘の経験ができた。

それが県議選でも活かされれば、いわゆる力関係で言っても、自民党に決して負けない体制ができあがります。

野党共闘の条件がなかったために、これまで野党側の「不戦敗」に終わっていたところで、自民党の議席をひっくり返していける展望はあると思っています。

 

 

 地方議員は国政選挙の基盤 地方選挙での共闘の広がりにも注目

「野党共闘」と言うと、どうしても国政に目が行きがちだが、首長選や地方議員選挙でも、共闘によって戦われる選挙がある。

今回取材した西村山郡区(22年ぶりの選挙)などもそうだが、特に地方には、長年に渡って選挙が行われずに、自民党議員が「無競争」で当選してくるケースも少なくない。

全国47都道府県の議会議員数(都議、道議、府議、県議)を見ると、

○自民党 1338人

○民主党  311人

○公明党  207人

○共産党  151人

○社民党   39人

○維新の党  29人

などとなっている。

※ 平成27年(2015年)12月31日時点、総務省発行「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調」より。

現状では自民党が圧倒しているが、2年後、2019年4月に行われる地方統一選挙において、全国で「与党対野党」の構図で選挙が戦われた場合、上記の数字が大きく変わる可能性もある。

組織戦を展開する自民党の国政選挙を支えるのは、県議や市議などの地方議員と言われる。

それだけに、これからの地方選挙で、野党共闘の流れが進むのかどうかにも注目したい。

 

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