【特集】「野党共闘」を検証する ‐ 共産党山形県委員会 ‐ (上)

      2017/01/06

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共闘体制で善戦した山形市長選 しかし一部では、共闘に批判的な議論が展開される

(山形市長選に出馬した梅津傭成氏、出典:梅津氏のFacebookより)

(山形市長選に出馬した梅津傭成氏、出典:梅津氏のFacebookより)

 

ここで、直近の山形市長選について触れたいと思います。

2015年9月、安保法案廃止の運動が全国で盛り上がりを見せていた最中に、山形市長選挙が行われました。

この選挙で共産党は、安保法制の廃止をはじめとした国政に関わる問題と、それから山形市政に関わる問題について、野党統一候補となった梅津庸成さんと政策協定を結びます。

そして、我々は梅津さんに推薦を出して、統一選対にも入った。

つまり、がっちりした形で、共産党が共闘の環の中に入ったということです。

相手候補となった佐藤孝弘現市長は、2011年9月の前回市長選で落選した後、山形に残り、4年間じっくり準備してきた。

方や、梅津氏の立候補表明は、投票日の5か月前。

 

また、前回(2011年)の選挙で、市川昭男前市長(野党陣営)の側に付いていた公明党が、今回(2015年)の選挙では、佐藤孝弘氏(与党陣営)に付いた。

過去の経緯から、山形市内の公明票は7千票と推測され、2011年の選挙ベースで考えても、公明が支援に回った佐藤孝弘氏が、数字上でも、かなり優位に立っていた。

佐藤陣営に大きくリードを許す中で、選挙戦がスタートしたと言えます。

 

残念ながら佐藤氏に勝利を許してしまいましたが、そのような中で、梅津さんが千数百票差まで迫ったのです。

これは、共産党が選対に入り、政策協定、また推薦を出したとしても、実際は票が伸びた、ということを意味します。

これは、数字が示している事実です。

 

山形市長選の総括会議の場では、明確に「この体制、こういう選挙で、参議院選挙も戦おう」ということを、我々だけではなく、当時の民主党さんも含めて、皆が口々に言っていた。

これは、あくまで山形市の範疇であって、県全体のものとは区別しなければいけないけれども、市長選を終えた直後には、共闘に向けた前向きな見方もありました。

 

しかしその後、市長選で梅津さんが負けたということを以て、「共産党が付いたから」「共産党と政策協定を結んで推薦を受けたから」負けたという、実態からかけ離れた議論が展開され始めます。

 

山形市長選での野党共闘については、正確に言うと、市川昭男前市長の1期目の選挙(2003年)では、共産党も候補を立てていました。

しかし、1期目の市川市政を良く分析してみると、公約をしっかり実現し、また我々が求める政策と合致する部分も多かった。

2期目を決める選挙(2007年)の前、市川氏と協議を重ね、政策協定の締結、また我々から推薦を出す、という方向性が決まり、共産党も選対に入ることになった。

市川選対には、当然、各政党、また連合山形の方も入っていましたが、私は、市川選対の副本部長を務めていました。

そういう体制でやってきて、実際に2007年、2011年の市長選では、市川氏が勝利した。

どういうことかと言うと、今回(2015年)の市長選で、野党側の梅津氏が負けたことについて、「共産党が入っていたから負けた」という理屈は、これまでの経緯から見ても、「強引にこじつけたものである」ということです。

 

得票数で見ても、「共産党と組んだら票が逃げる」というのは、全くの事実無根なのです。

むしろ、共産党が共闘に入って、政策協定も結び、政策の柱を明確にして戦うことによって、無党派層や、あるいは保守層にも浸透できることを示している。

 

私は、今回の参院選の過程において、この事実を、共闘の相手方である民進党をはじめとする各政党、関係者に示し、数字の裏付けをもって説明しました。

 

しかし、この誤った認識が覆ることはなく、参院選の最後まで尾を引くことになります。

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「農協政治連盟」が自主投票 舟山氏支援の流れが、全県に広がっていく

(参院選に出馬した月野薫氏の出陣式、出典:月野氏の公式HPより)

(参院選に出馬した月野薫氏の出陣式、出典:月野氏の公式HPより)

 

山形県全体では、野党共闘をどう受け止めたのか。

象徴的なものとして、「農協政治連盟」が、自民党からの強い働きかけがあったにも関わらず、月野薫氏(参院選における与党推薦候補)への支援を断り、「自主投票」を決めました。

 

「農協政治連盟」は、3年前の参院選において、「みどりの風」から出馬し、TPP反対を訴えた舟山さんを推薦しました(舟山氏は約25万票を得るも、自民党新人の大沼瑞穂氏に約2万票差で敗れ落選)。

3年前の選挙では、安倍首相をはじめ閣僚が次々に投入され、自民党の大沼さんが何とか逃げ切きりましたが、この選挙での教訓をもとに、自民党は、今年の参院選で、元農協職員の月野薫氏を擁立します。

農協出身の月野氏であれば、「農協政治連盟」からの推薦を取れる、という考えがあってのことです。

 

ところが、「農協政治連盟」からは、「TPP反対の立場で一緒にやってきた月野氏が、なぜ自民党から出るのか」という声、また月野氏自身の認知度不足もあって、「自主投票」を決めた。

自民党にとっては、誤算と言えるでしょう。

その時点で、舟山さんを応援するという流れが、農協関係者などの間で広がります。

「自主投票だから、舟山さんを自主的に応援する」という流れです。

 

マスコミの論調も、「月野氏に対して、農家が不信感を持っている」という書き方が多かったですね。

それを意識してか、自民党農林部会長の小泉進二郎氏が山形入りしましたが、市民の反応は芳しくなかった。

自民党が進める、TPPをはじめとした農業政策への不満が、はっきりと表れた形です。

 

舟山さんを支援する流れは、全県的に加速し、各地域(置賜、村山、最上、庄内)の商工会議所、農協など、市民組織のレベルでも後援組織ができあがります。

その過程で、元酒田市長で、衆院議員を務めた阿部寿一氏(山形3区)の後援会も、舟山さんの支援を表明しました。

阿部寿一氏も、安保法制、アベノミクス、TPPに対して、批判的な見解を持っていた。

野党と市民による共同が、全県的に広がっていくのを感じました。

 

次頁、「舟山総合選対の野党共闘に対するスタンスは・・・」

 

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