バルト3国のレールがつながる!「Rail Baltica」計画について

   

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「Rail Baltica」でラトビア・リガに竣工予定の新駅のイメージ(出典:http://edzl.lv)

「Rail Baltica」でラトビア・リガに竣工予定の新駅のイメージ(出典:http://edzl.lv)

今回はちょっとマニアックな鉄道の話題から。意外に思われるかもしれないが、バルト3国は鉄道でつながっていない。

現在、バルト3国と中欧諸国をレールで結ぶ「Rail Baltica」計画が進んでいる。今回は「Rail Baltica」計画にスポットを当てる。

バルト3国の鉄道の概要

https://twitter.com/winterrail/status/840117819006107649

ラトビアとロシアを結ぶ「ラトビアエクスプレス」

まずはバルト3国の鉄道の概要から見ていきたい。バルト3国の鉄道はいずれも19世紀、ロシア帝国時代に作られた。

その後、路線の建設が進み、20世紀前半には現在の路線網が完成した。バルト3国の鉄道のポイントは線路の幅、軌間だ。

バルト3国の鉄道の軌間はロシアと同じ1,520mを採用している。

このため、ロシアやベラルーシといった旧ソ連諸国へはスムーズに乗り入れることができる。

一方、ポーランドをはじめとする中欧諸国へ乗り入れる際は、車輪を取り替える必要がある。

路線網もロシアを中心としたネットワークが特長だ。バルト3国の首都(タリン、リーガ、ヴィリニュス)とモスクワの間には直通列車が存在する。

しかし、バルト3国をつなぐ幹線はないため、バルト3国を結ぶ列車はない。また、バルト3国からダイレクトに中欧諸国の首都を結ぶ列車も存在しない。

バルト3国の交通網が変わる? Rail Baltica計画

Rail Baltica計画

そのようなバルト3国の交通網を一変させるプランがRail Baltica(レール・バルティカ)計画だ。

この計画はヘルシンキ(フィンランド)からタリン(エストニア)、リガ(ラトビア)、ヴィリニュス(リトアニア)を通って、

ワルシャワ(ポーランド)まで至る壮大な構想だ。最高時速は160km/h、軌間はヨーロッパで広く採用されている1,435mmとなる。

しかし、これだけ壮大な計画のため、進捗状況はあまりよくない。また、莫大な費用がかかるため、EUの継続的な支援が求められている。

現在、ポーランド国境とリトアニアのカウナスとは1,435mmのレールで結ばれており、近々、このレールを使って営業運転が始まる。

また、2019年~2020年を目標にポーランドとリトアニアの間で貨物輸送が行われる予定だ。Rail Baltica計画が完遂するには、相当な時間がかかりそうだ。

バルト3国だけでなく、ヨーロッパの地図も塗り替える

バルト3国の国旗

Rail Baltica計画が完成したら、バルト3国だけでなくヨーロッパの地図も塗り変わることになる。

まず、バルト3国がより一層「ロシア離れ」することは間違いない。

一方、中欧・西欧諸国とバルト3国とは密接な関係になる。この計画に対し、ロシアは何らかのアクションをするのか。いろいろと興味は尽きない。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。
民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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