ロシアは未だ脅威。バルト3国・エストニアが防衛費拡大へ

      2017/06/05

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バルト3国の安全保障において、最も脅威となる存在がロシアだ。

第二次世界大戦時に悪名高いソ連とナチスドイツの「秘密協定」に基づき、ソ連に併合された過去を持つ。

したがって、独立後もロシアへの恐怖心は消えていない。今回はエストニアの対ロシア防衛費増額のニュースを取り上げる。

民間防衛に力を入れるエストニア

エストニア民間防衛隊

東京新聞によると、エストニアは民間防衛隊に力を入れている。

民間防衛隊とは一般市民が自発的に入る防衛隊だ。民間防衛帯に入る動機は様々、中には女性の参加者もいる。

訓練は実践さながらとなっており、力の入れようが写真からも伝わってくる。

2017年3月現在、民間防衛隊の登録者数は約25,000人になる。

2014年のロシアによるクリミア半島侵攻後、登録者数が急増している。

2015年には例年の倍の人数が民間防衛隊に登録した。民間防衛隊の登録者数を見ても、エストニア人の国防に対する意識は高い。

「民間防衛」と聞いても日本人にはピンと来ないかもしれない。

しかし、エストニアを始めとするバルト3国は第二次世界大戦~1950年代にかけて、

ソ連に対して一般人によるゲリラ攻撃が行われた。特にリトアニアのゲリラ部隊「森の兄弟」は有名だ。

このような歴史を持つからこそ、バルト3国では民間防衛が盛んなのだろう。隣国に大国がある小国の宿命かもしれない。

サイバー攻撃への防衛にも力を入れるエストニア

左側の人物がユリ・ラタス首相

5月9日(現地時間)、エストニアのユリ・ラタス首相はアメリカのマイケル・マッコール下院国土安全保障委員会委員長一行と会談した。

この中でラタス首相はエストニアとアメリカとの関係強化が重要だとし、このように発言した。

今日の対立は空、陸、海に限らない、サイバー空間でも起こり得ることだ。

エストニアは国家ぐるみのサイバー攻撃を実際に受けた経験を持つ。

(・・・)次の選挙において、サイバー攻撃が行われる可能性が高まる中で、エストニアはサイバー攻撃を軽視できず、より注視していく必要がある。

エストニアは選挙を全て電子投票にするなど「IT先進国」をひた走っている。したがって、ロシアからのサイバー攻撃を恐れている。

2007年には政府機関や銀行を狙ったサイバー攻撃を受けた。この時はロシア政府の関与が疑われた。

エストニアはNATOやアメリカとも緊密に連携を取りながら、サイバー攻撃に対する防衛を強化するだろう。

2020年に東京オリンピックを控えている日本もサイバー攻撃は無視できない。エストニアがいい前例になることは間違いない。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。
民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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