日本人はどうするべき?朝鮮半島情勢の行方と在韓邦人の保護

   

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(出典:外務省 在大韓民国日本大使館HP)

(出典:外務省 在大韓民国日本大使館HP)

昨今、北朝鮮情勢を巡って朝鮮半島の緊張が高まり、日本国内でも企業を中心に韓国にいる駐在員とその家族の安全をどう守るか、どう安全に帰国させるかが大きなトピックとなっている。

我々日本人はどうふるまうべきだろうか?世界の安全保障情勢に詳しい清和大学/オオコシセキュリティコンサルタンツ 和田大樹氏に、刻一刻と変わる北朝鮮情勢について聞いた。

「米軍の先制攻撃!」「朝鮮半島で軍事的衝突!」は時期尚早

まず国際政治・安全保障を観点から言えば、現在のところ、米国が北朝鮮に先制攻撃を加え、朝鮮半島が南北の軍事的衝突に発展するというシナリオは考えにくい。

トランプ政権は4月上旬、アサド政権が化学兵器を使用したとの判断のもとシリアへ空爆を実行したが、

北朝鮮へ攻撃した際の代償が余りにも大きいことから(在韓米軍・在日米軍への被害、米中経済関係への悪影響など)、

核兵器やICBM(大陸間弾道ミサイル)を使用する明らかな前兆があるなど究極的な状況に至らない限り、軍事的な行動を控えるだろう。

また挑発的な言動を繰り返す北朝鮮ではあるが、局地的な奇襲攻撃を除き、軍事的に米国や韓国に劣ることは明らかであり、米国等への攻撃によって返って自らの首を絞める結果になることは十分に想像がつく。

よって一部の新聞やメディアが報じるように、「米軍による先制攻撃か?!」、「朝鮮半島で軍事的衝突が起こる!」などのような報道は現時点では時期尚早であり、必要以上に過大視することは返って冷静な判断を鈍らせる。

朝鮮半島は未だなお有事

北朝鮮

38度線沿いには鉄条網が張り巡らされ、地雷が至る所に埋められている。

しかし、我々日本人はそれで安心してはならない。挑発を繰り返す北朝鮮に決して慣れてはいけない。

当然のことだが、1950年6月から勃発した朝鮮戦争では休戦状態が続いているが、国際法的には今なお戦争状態にあり、何も平和条約が両国間で締結されているわけではない。

今朝鮮半島にあるのは“蓄積された事実上の平和”であり、法的に作られた平和ではない。

また世界政府なるものが存在しない国際社会において、国家は基本的に自らで自らの身を守りかつ、相手国とのバランスを取らなければならず、そのバランスに少しでもヒビが入ると紛争に繋がっていく。

言い換えれば、国家の集合体である国際社会の構造は、常に不安定性という要素を抱えているということだ。

北朝鮮の挑発に慣れず、常に動向を追うことが重要

延坪(ヨンピョン)島砲撃事件

2010年の延坪(ヨンピョン)島砲撃事件では、砲撃戦にもつれ込むなど南北関係に一気に緊張が高まった。

それに照らすと、常に休戦協定の崩壊という政治リスクを抱え、そして1993年の北朝鮮によるNPT(核拡散防止条約)からの脱退表明や2010年の延坪島砲撃事件など、

時にその政治リスクが急激に高まることが繰り返されてきたのが戦後の朝鮮半島である。

よって今後もそのリスクが時として高まることは十分に予想できることから、我々日本人は今回のことを機に、

決して“北朝鮮の挑発に慣れず”、朝鮮半島情勢の行方について、“常にその動向を追う”という姿勢を持つことが重要となろう。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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