親密な関係?複雑な関係?ロシア・ベラルーシ関係について

   

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今回はロシアの隣国、ベラルーシとの関係を見ていく。

ベラルーシは1991年にソビエト連邦から独立した新興国だ。一見すると、ベラルーシはウクライナと類似しているが、ロシアとの関係は全く異なる。

ロシア・ベラルーシ関係の概要を確認した後、両国間にまつわる最新のトピックを紹介したい。

パスポートコントロールなしで行き来できた両国

ベラルーシ 国旗

ベラルーシ国旗。ベラルーシの国旗はソビエト時代の国旗から鎌とハンマーを取り除き、微調整したものだ。

ベラルーシはロシアとポーランドの間に位置する内陸国だ。面積は日本の半分ほど。人口は約950万人と、1000万人にも満たない。

人口の約8割が東スラブ系のベラルーシ人だ。公用語はベラルーシ語とロシア語。ほとんどの国民はロシア語も話せる。

ベラルーシは長年、ロシアの支配を受けてきた。このような歴史的、文化的背景から、ロシアとベラルーシは「兄弟的な」友好関係を築いてきた。

1999年にはロシアとの間で「ロシア・ベラルーシ連合国家創設条約」が署名された。

この条約のおかげで、ロシア人とベラルーシ人はパスポートコントロールなしで、相互に行き来ができた。なお、国家連合のプロジェクト自体は2005年に停止している。

その他、ロシアとベラルーシは防衛条約も結んでいる。このように、ロシアとベラルーシは単なる隣国ではなく、兄弟のような関係だ。

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兄弟げんかはどこでもある

ロシア・ベラルーシ国境

どれだけ仲のいい兄弟であっても、必ず兄弟げんかは存在する。昨年から今年にかけて、両国間の兄弟げんかが際立っている。

最もわかりやすいのが、国境管理をめぐる対立だ。今年の1月、ベラルーシは80カ国(日本も含める)に対して、ビザの撤廃を発表した。

そこで、イチャモンを付けたのがロシアだ。先ほども述べた通り、ロシア・ベラルーシ両国間の国境は基本的にノーチェックだ。

そのため、ロシアにとって良からぬ人物がベラルーシを経由して、ロシアに入ってくる可能性が格段に増した。そこで、ロシアはベラルーシとの間に国境審査場を設けた。

これに対して、ベラルーシのルカシェンコ大統領は強く反発している。2月3日付のモスクワタイムズによると、ルカシェンコ大統領はこのように批判した。

ブリャンスク州、スモレンスク州、プスコフ州に国境審査を導入するというクレムリンの決定は向う見ずで政治的なものだ。

一方、ロシア側はこの措置について、ウクライナなどの第三国からの人々を対象にしたものであり、ベラルーシには何ら影響はない、と述べている。

ただし、ベラルーシに入国する際は念のため、ロシア以外の第三国からの入国をおすすめする。

他にも、ロシアとベラルーシは石油の値段をめぐっても対立した。

ただし、ロシアとベラルーシとの関係がウクライナのように急速に悪化することは考えにくい。過去もこのような問題は存在した。

ベラルーシでは2015年に主要な政治犯の釈放も行った。その結果、EUがベラルーシに対する経済制裁の大部分を解除した。

制裁が課されているロシアから少し間を取る、ベラルーシ側にはそのような思惑もあるのではないだろうか。

なお、若者を中心にFacebookにおいて、ベラルーシ語で書かれた投稿が増加傾向にあるという。国民レベルでもロシアと少し間を取る姿勢が垣間見られる。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。
民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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