中欧、東欧諸国はトランプをどう見ているのか?―ポーランド編

      2017/02/24

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前回は、トランプ支持に沸くセルビアの様子をお伝えした。

今回はヨーロッパの中でも、存在感を増しているポーランドだ。長年、ポーランドは社会主義圏に組み込まれる形でロシアの影響下に置かれてきた。そのため、安全保障ではアメリカとの関係が不可欠な国である。

現在、トランプ大統領はロシアのプーチン大統領の姿勢を支持している。このような状況をポーランドはどのように見ているのだろうか。

アメリカの存在感が薄まることへの心配

ソ連がワルシャワに無理やり建てた文化科学宮殿

ソ連がワルシャワに無理やり建てた文化科学宮殿

ポーランドではトランプ大統領が就任したことで、ヨーロッパにおけるアメリカの存在感が薄まることへの心配の声が聞こえる。

仮に、アメリカの存在感がヨーロッパで薄まると、ロシアがポーランドに対して何らかのアクションを起こすのでは、ポーランドの人々は真剣に心配している。

この背景には第二次世界大戦から冷戦期に至るソ連支配の記憶と2014年のウクライナ騒乱が背景にある。仮に、ロシアが対欧向けの大規模な軍事訓練を行うだけでも、ポーランド人は「驚異」とみなすだろう。

毎日新聞によると、ポーランドとロシアの飛び地、カリーニングラードとの国境地帯でもトランプ大統領就任への落胆の声が聞かれる。

数年前はカリーニングラード、ポーランド国境はビザなしで渡航できた。そのため、カリーニングラードに住むロシア人はポーランドへ買い出しに行き、国境地帯では大いに潤った。

しかし、現在ではポーランドとロシアの対立により、ビザなし渡航は中止に追い込まれている。

トランプ大統領の就任と反露の姿勢を鮮明にしている現政権により、ポーランドとロシアとの関係は先行きが見えない状態だ。

とにかく「安心」がほしいポーランド政府

ポーランド政府は安全保障上での「安心」を確認すべく、積極的に動いている。

2月3日、ポーランドのクシシュトフ・シチェルスキ大統領補佐官はアメリカを訪れ、マイケル・フリン大統領補佐官(当時)と会談した。

この会談の中で、シチェルスキ氏は7月のポーランド訪問を要請した。また、シチェルスキ氏によると、フリン氏はこのように述べた。

「ポーランドにおけるアメリカ軍の存在はアメリカ・ポーランド関係に安定をもたらす。また、NATOはアメリカの安全保障の基礎だ」

この会談を通じて、ポーランドはアメリカの外交姿勢に大きな変化がないことを確認した。

ポーランド政府としてはトランプ大統領を自国に訪問することで、ロシアへのアピールをしたいのだろう。

なお、現在のポーランド政府の路線は基本的にトランプ大統領の路線と一致する。

アメリカとロシアとの接近を警戒しながら、本音の部分ではトランプ大統領と深く付き合いたい。これがポーランド政府の本音ではないだろうか。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。
民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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