関係深化の中にも不安な要素がちらつく日本、ウクライナ関係|ウクライナ情勢の今

   

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日本とウクライナの関係はあまりメディアに注目されていないが、順調に発展している。

ウクライナの独立以降、1993年にキエフに日本大使館が開設され、翌年には在日ウクライナ大使館が開設されている。

これまでに、日本政府はウクライナに対して人道支援(医療関係)、技術支援、金融支援を行っている。市民レベルでもウクライナへの関心は高い。

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緊張の愛憎模様、ウクライナとロシア|ウクライナ情勢の今

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今後のビジネスでの交流が期待される両国

リヴィウ駅で撮影。韓国製高速電車「HRCS2型」

リヴィウ駅で撮影。韓国製高速電車「HRCS2型」

ここ数年、ウクライナ国内の混乱が続く中、日本とウクライナの間に今まで見られなかった新たな動きが出てきている。

2015年2月に、両国の間で「投資の促進および保護に関する日本国とウクライナとの間の協定(日・ウクライナ投資協定」が署名され、11月に発行した。

この協定の中では、投資の保護や促進に関する規定が定められており、日本とウクライナとのビジネスが加速されることが期待できる。

2015年10月に発行された「ビジネス環境ランキング」では、ウクライナは183カ国中83位に位置している。

2011年に152位であったことを考慮すると、大変な進歩だ。この進歩の背景には、企業の登記手数料廃止など、ビジネスを始める段階での環境が整備されたことが挙げられている。このように、ウクライナでのビジネス環境が着実に整備されている。

さて、近年、ウクライナで存在感を放っているのが隣国の韓国だ。2012年には韓国製(現代ロテム製)の高速電車(HRCS2型)が導入された。

しかし、相次ぐ車両トラブルによって、国内の交通は大混乱になり、当時の大統領が韓国製の電車を投入したことに対して国民に謝罪した。

ウクライナでも日本に対するインフラ投資が期待されている。ウクライナを始めとする東欧諸国においても、鉄道などの日本の高品質なインフラ設備を輸出するチャンスは大いにあるのではないだろうか。

ウクライナとロシアの間でどのようにバランスをとるか

車内、2015年11月に乗車した際は、最高時速160km/hでした

車内、2015年11月に乗車した際は、最高時速160km/hでした

政治面でも、日本とウクライナ間で活発な交流が行われている。2016年4月に、ポロシェンコ大統領が来日し、安倍首相と会談した。

会談の中で安倍首相は表明済みの18.5億ドル支援を着実に実施し、ウクライナの人々の生活状況の改善に貢献することを表明。引き続き、ウクライナを支援することを表明した。

一方、ポロシェンコ大統領は日本の支援に感謝の意を示すと共に、インフラ協力、エネルギー協力がより一層、進展することを期待した。

9月にも国連本部で両首脳は会談しており、日本とウクライナとの関係は強化されている。

だが、日本はウクライナと激しく対立しているロシアとの関係も強化しようとしている。

現在、日本はロシアによるクリミア半島の「編入」を認めていない。今後、北方四島との兼ね合いで、クリミア半島に対する立場が難しくなることが考えられる。

いずれにせよ、日本はロシアとウクライナとの間で絶妙なバランス感覚が要求される。

来年、2017年は「ウクライナにおける日本年」となっており、より活発に人的交流・文化交流が進むだろう。双方にとって実りある関係になることを期待する。

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1987年生まれ。神戸市出身。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(国際関係・比較政治論コース)。専門はユーゴスラビアといった中東欧の政治・国際関係。
民間企業に勤務後、3ヶ月間の中東欧でのバックパッカー体験を経て、2016年より独立。『Compathy Magazine』『TRIP’S』など複数のメディアで活躍中。

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