「やぶ医者」実は名医!?兵庫県・養父市(やぶし)のへき地医療の取組が話題に

   

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2015年に行われた第2回「やぶ医者大賞」表彰式のようす(養父市役所HPより)

2015年に行われた第2回「やぶ医者大賞」表彰式のようす(養父市役所HPより)

へき地医療に尽力する医師を顕彰する「第3回やぶ医者大賞」の審査会が24日、兵庫県の養父市役所でありました。

全国から医師の推薦があり、滋賀県の永源寺診療所・花戸貴司さん(46)と

徳島県の木屋平診療所・藤原真治さん(46)の受賞が決まりました。

って、「やぶ医者大賞」ってそもそも何?一見びっくりするような名前の賞ですが、花戸さんと藤原さんは選ばれて大丈夫なのでしょうか…?

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本当は名医だった?「やぶ医者」の語源

やぶ医者が現在の「へたな医者」という意味で使われるようになったのは、少なくとも江戸時代後期から。

松尾芭蕉の弟子の森川許六(もりかわ きょりく)が編纂した、当時の風俗を紹介する「風俗文選」によると、

実は世に稀な、但馬の養父(やぶ)にしかいない名医を指す言葉だったそうなのです。な、なんだってー!

世に藪(やぶ)醫者と號するは。本(もと)名醫の稱にして。今いふ下手(へた)の上にはあらず。いづれの御ン時にか。何がしの良醫。但(たん)州養父(やぶ)といふ所に隱れて。治療をほどこし。死を起(をこ)し生に回(かへ)すものすくなからず。されば其風をしたひ。其業を習ふ輩。津々浦々にはびこり。やぶとだにいへば。病家も信をまし。藥力も飛がごとし。

岩波文庫『風俗文選』より(太字部分は政治プレス新聞社による)

【対訳】
世の中で「薮医者」という表現は、本来名医を現す言葉であって、今言われている下手な医者のことではない。いつごろの時代であろうか。ある名医が但馬の養父という所にひっそりと隠れるように住んでいて、土地の人に治療を行っていた。死にそうな病人を治すほどの治療を行うことも少なくなかった。その評判は広く各地に伝わり、多くの医者の卵が養父の名医の弟子となった。養父の名医の弟子と言えば、病人もその家人も大いに信頼し、薬の力も効果が大きかった。(養父市役所による意訳 「薮医者の語源は、養父の名医」より 太字部分は政治プレス新聞社による)

なぜ「へたな医者」になってしまったのか?

それではなぜ、現在「やぶ医者」といえば「へたな医者」を指す言葉になってしまったのでしょうか。

一説によると、大した腕もないのに「自分は養父医者の弟子だ」と自称する医者が続出し、イメージが悪化。

しだいに「へたな医者」を意味するようになったのではないかと言われています。

「『薮医者とは、もともと名医を現す言葉であり、その語源は養父の名医である』というこの説が本当ではないでしょうか。」

(薮医者の語源は、養父の名医|養父市役所HP)

と強気の姿勢でやぶ医者の語源=養父の名医説をプッシュする養父市。というわけで…

栄えある「やぶ医者」に選ばれたのは……

2016年、そんな栄えある(?)「やぶ医者」に選ばれたのは、滋賀県の永源寺診療所・花戸貴司さん(46)と

徳島県の木屋平診療所・藤原真治さん(46)。

第3回「やぶ医者大賞」を受賞した花戸さん(養父市HPより)

第3回「やぶ医者大賞」を受賞した花戸さん(養父市HPより)

花戸さんは山あいの農村地域で、看護師やケアマネジャー、商工会などと幅広く協力し、在宅での看取りを地域に普及させた点が評価されました。

第3回「やぶ医者大賞」を受賞した藤原さん(養父市HPより)

第3回「やぶ医者大賞」を受賞した藤原さん(養父市HPより)

藤原さんは高齢化率が50%を上回る過疎地で、訪問診療に力を入れた点に注目が集まりました。

また、栄養士らと地域の食習慣を調べ、予防医学にも力を入れている点も評価の対象になりました。

へき地医療に尽力する現代の「やぶ医者」

現代の「やぶ医者」は、多職種連携などレベルの高い地域医療をし、予防医学などでも素晴らしい活躍をするスーパードクターなのかもしれませんね。

表彰式は、11月26日(土)午後1時から養父市立ビバホールにて開催されます。

当日は受賞した花戸さん・藤原さんのお二人の「やぶ医者」による健康講座なども予定しています。これは行くしかない!

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